由眞 2020年11月2日 00:15 さっきまでいた右も左も雨音に包まれた街とは打って変わって、靄が覆うこの街はとても静かだ。川の近くに立てたテント。木々に囲まれ、風はない。せせらぎが微かに聞こえるだけ。今の僕と同じ、なにもない。寒さを誤魔化すように頭から毛布を被って、でも何故だか不思議と、ちっとも寂しくはないんだ。 いいなと思ったら応援しよう! チップで応援する #140字小説 #広がれ文縁の輪 #雨だけの街 #冬靄の街 7