相棒と言って過言ではなかった
こんにちは、YCです。今日も番外編の投稿です。
フィギュアスケートに絡むんだか絡まないんだかという話。
後々の記事に絡んでくるかもしれませんが、限りなく自分語りのnoteなのでひとまずは独立投稿。
大切な相棒だったデジタル一眼レフ達のおはなし。
カメラはお好き?
『18-250 F3.5-6.3 DC OS HSM』
この数字と英字の並びにピンと来る人はまず間違いなくカメラが好きな人でしょう。
ご紹介します。
自分の愛する、2004年4月発売モデルのデジタル専用高倍率ズームレンズ。
フィルター72mm、重量630g。
「SIGMAちゃん」ダッッ!!!!!
…ネーミングセンスがないのは遺伝なので仕方ない。
『18-250 F3.5-6.3 DC OS HSM』これは何かと言うと、
デジタル一眼レフ用の付替えレンズの名称ですね。
18-250というのが焦点距離を表し…ざっくり言うと、ズームアウト-インができるレンズです。
こういった、数字の間に『-(ハイフン)』が入っているレンズはすべてグルグルっと回すことのできるレンズ(※動かす部分をズームリングといいます)。
このレンズの場合ですと、焦点距離を18mmから250mmまでリングで動かすことが可能になっているということです。
数字を小さくするほどレンズが縮まって近くを撮影でき、大きくするほどレンズが伸びて遠くを撮影できるようになります。
焦点…つまり、レンズに光の集まる部分。これを縮めたり伸ばしたりする=距離を変えることで、近くを写したり遠くを写したりすることができます。
こうまとめてみると焦点距離…わかりやすい用語ですね。(そうか?)
長ーーーく悩んだ末にデジタル一眼レフを購入した自分。
ボディに入門機のNiconD5000を選び、レンズキットではなくこのSIGMAちゃん一本を購入したんですね。
今考えるととち狂っとる。
ガチ初心者ならではの発想です。
なぜデジ一の最初にSIGMA×Niconを選んだのか。
それは、主に被写体にするもの・場面が決まっていたからでした。
つらい日々を救ってくれたテーマパークという場所
デジ一を買う数年前に話はさかのぼります。
入社から3ヶ月を過ぎ、ほぼ毎晩終電で帰宅しては翌朝6時半の電車に揺られ通勤していた新卒の自分。
ピチピチ(死語)の新卒の体でも耐えきれないほどの睡眠時間のなさから、入社一年を過ぎた頃に自分は決意していました。
そうだ、実家を出よう。
始まった新生活はつつがなく。
通勤時間の大幅短縮のおかげで睡眠時間は確保できるようになりました。
しかしそれでもなくならない残業に、精神的疲労は重なるばかり。
そんな時、友人が「遊びに行こう!」と誘ってくれた場所がありました。
幼い頃に夢中になった場所。東京ディズニーランドでした。
真夏の暮れ、息苦しいほど蒸した空気にも不快感を感じなかったのはその場に訪れ楽しんでいる人々の熱気があってこそ。
その夏の夜から、東京ディズニーリゾートは改めて自分の心の拠り所になりました。
戦場はパレードルート
さて、東京ディズニーリゾート(※以下TDR)を好き、と一口に言っても、TDRには様々な楽しみ方があります。
遊園地の側面のアトラクション。テーマパークと言われる由縁のテーマ(統一)性ある風景。行く度に変わるお土産の品揃え。季節ごとに変わる飾り付けや花々、イベント、レストランのメニュー。テーマの源であるディズニー作品のシチュエーションをパーク内随所に見出すことが好きな人もいれば、ディズニーキャラクターと触れ合うことが好きな人もいる。キャラクターに負けず劣らず輝くキャスト=人間を覚え通う人もいれば、パークのプチ情報(隠れミッキー等)をいくつも覚える人まで。
TDRには何通りものワクワクがあります。
その中でも自分が特に好んだのはショーやパレードを鑑賞すること。
もともと芸術(舞台)が好きだったこともあり、TDRのショーやパレードは板の上より更に近くで、ダンスの体使いや魅力的なアピールの仕方を感じられるとっておきの場所でした。
そんな場所で真っ先に思ったことは、この感動を写真に残したい!ということ。
舞台では撮影はできません。しかし、TDRではほとんどのショー・パレードで撮影が許可されています。
これは撮るっきゃない。
そう思った自分は、まずデジカメを新調。酷使される機体は1機目、2機目、3機目とどんどん換えられ、そのたびに立ち回りやすさを求め予算も増えていく。
ある時ふと思いました。
(…これ、ちゃんとしたカメラで撮るともっといい写真が撮れるよな?)
そう、それは悪魔の囁き。世界の真理。
カメラを検討する頃にもなると、TDR内で知り合ったディープな友達も数人できていました。そんな中に一人二人は居るんですよね、カメラに手を出している人間って。
「おもしろいよー」と言われつつあずけられた一眼で1枚風景を撮ってみる自分。
「うん、買うわ」そりゃ買うよね、こんな画(え)撮れちゃったら。
デジ一の画に衝撃を受けた時は2008~9年頃。
折しもミラーレス一眼がカメラの新スタイルとして市場に出はじめた頃でした。
コンパクトで持ち運びが容易なミラーレス。
しかしミラーレスの特性には見逃せない一面がありました。
それは、低予算の場合、同価格帯のデジ一に比べると反応速度が落ちること。
仕組みが違うと言ってしまえばそれまでですが、ミラーレスを触った時に一眼との違いに驚いたのを覚えています。
結局デジ一に狙いを絞り、そこから友達の画を見、本体を借りて。
きっかけとなったダンサーオタクのNicon。波長合う友人のPanasonic・LUMIX。憧れていた風景写真の撮影者さんはSONY使い。映画好き友人に多かったのはキヤノン・EOS。また、毛色は変わりますが、ズーム機能を備えたコンデジや、ミラーレスも色々と触ってみました。(Fujifilmコンデジだったので本当はFujiを動きたくなかったんだよなあ。TDL/TDSスポンサーだし)
一通り。新発売の季節が数順するまでじっくり検討して。
最終的に出た結論がSIGMAズームレンズ×Nicon初級機の組み合わせでした。
レンズキットはダブルズームキットだと付け替えが発生するんですよね。
キャラクター、ダンサー、フロート・小道具、遠景、近景。
なんでもかんでも興味のある人間だったので、都度都度レンズを付け替えるとなるとフットワークに欠ける。(あと付け替え時のホコリも気になっていた、屋外が主戦場なので)
そうは言ってもズームレンズ重いじゃん! その通り。
でも、2本レンズを持ち歩くことになれば?ボディをいいものに替えたら?結局同じ1.2kgくらいまでは重くなるわけです。
オタク、総重量はマジ真剣に考える説。TDR内はどれだけショートカットしたとしても数千歩は歩かなければいけない作りなのだ。駅からの距離もあるし。
酷使していたのに長年保った機体
ということで、彼らはじめてのデジ一セットは、写真を楽しむための相棒として長い間活躍してくれました。
TDRの春イベントでは春というか初夏の日差しに焼け、夏イベントでは水撒きでレンズやボディに水がかかり、秋イベントでは衣服の関係で両肩ではなく片肩に掛けられ振り回されて、冬イベントでは極寒の中、都度シャッターを切られるカメラちゃん。
TDR通いでないときも、展示会、レシピ本撮影、ほぼ登山な城巡りや、バス旅、フェリー旅、自転車旅、はてはアイスショーまで。種々様々な場所についてきてくれました。
(書き出してみるとマジでスパルタだな。ごめんよ)
SIGMAもNiconも中古品をお譲りいただいた子たちでしたが、まあ大切にしていましたね。(いや使用場所、というツッコミはなしで)
忘れ物の多い自分がカメラだけは紛失したことがなかったのがいい例です。
これらの大騒ぎ生活のなか、
レンズは一度壊れたものの、SIGMAさんに見事に修理してもらいました(修理の際「たぶん水が入って…」と相談して修理担当さんを困惑させたのは面目ない思い出です)。
ボディ自体は購入からなんと7年以上、壊れずに保ってくれたご長寿さんでした。
もうTDRが遠距離(物理)になったある日のことです。
その時の行き先は日帰り可能な場所。梅花ほころぶ春のはじめ、せっかくなのでカメラ達をお供にしようと、つい先日相伴した旅行鞄の中からセットを出しました。
いつものようにボディとレンズを組み合わせ、電源をカチリとON側にした後。レンズの先の視界を映し出すはずのボディが暗いままになっていました。
あっ――
でもちょっと前にもこういうことがあった。バッテリーを控えの子と替えれば問題なくシャッターは切れるかも。そう思って以前上手く言った方法を試してみても…シャッターが切られることはありませんでした。
ふ、と気が抜けました。お別れ時なんだ――そう感じたのです。
「ごめんなさい」を「ありがとう」に代えて
デジタル一眼レフと一緒に作品作りをする日々は代えがたいものでした。
月並みな構図、下手の横好きの写真を抜け出ることはありませんでしたが、カメラ達と過ごした時間は大切なことを自分に教えてくれました。
それは、写真の撮影者は自分の作品に誇りを持っているということ。
たとえそれがどんなに素人っぽい出来だとしても、たとえそれがどんなに萌えブレしている写真であろうとも、写真撮影者は自分の撮った画を愛しているのではないでしょうか。
それは、息を呑みシャッターを切ったあの瞬間。
それは、写真を撮影するために赴いた場の空気。
画をひと目見れば、それらを鮮明に思い出せるから。
ありがとう、Nicon、そしてSIGMA。
あなたたちがいてくれたから、自分は今でも写真を楽しく撮っているよ。
壊してしまってごめんなさいと思う気持ちもある、まだ関連機具を捨てられない自分もいる。
でもやっぱり、noteという場に書き残したいことはありがとうの気持ち。
ありがとう、シグマちゃん、ニコンちゃん。
またいつか、あなたたちのきょうだいに会いましょう。
[写真:2017/03/05 12:31 武士の茶会 熊本市/水前寺成趣園]