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ひなげしのどんぐり

ある土曜の午前、夫が5歳の長男と2歳の次男を外へ連れ出してくれた。

だれにも中断を迫られずに好きに家事ができるありがたさといったら!私は家事が好きではないが、気がかりは引きずりたくない。2回目の洗濯物を干し掃除機をかけコロコロを転がし本やらブロックやらお薬手帳やらを元の場所に戻すとすっきりした。
時計を見るとお昼が近い。そうめんを茹でるべく鍋いっぱいの湯を沸かしていると、玄関のチャイムが鳴った。

続いて元気いっぱいの大声で、ママー!と叫びながら子どもたちが入ってきた。(彼らはチャイムを押すのが大好きだ)手にひょろっと長い何かを持った長男が言う。「ママにおみやげだよ!」次男が「どんぐり、どうぞー」と言いながら手を差し出した。この春の終わりに、どんぐり…?不思議に思って見ると枯れたナガミヒナゲシの実である。「ママお花好きでしょ、はい!」長男からは、辛うじて緑色の萎れたナガミヒナゲシの茎付きの実を受け取った。
「あ、ありがとう」と受け取っていると彼らの後ろから入ってきた夫が訊いた。
「ママにどんぐりをあげると言って摘んでいた。そこの道沿いにいっぱい生えてたよ。それ何のつぼみ?」

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なるほど、もとの花を知らず、どんぐり(木の実を総称してそう呼んでいる)や、このような形の花だと思ったようだ。
「これはオレンジ色の花のあとにできる、実の部分だよ。こんどお花を見つけたら教えるね」と言いながら雑紙をひいて上に並べた。
「さあ、手を洗って麦茶を飲むといいよ」

子どもの発見には、ものの見方を習うようでいつも面白い。私は家事よりも散歩が好きなので、明日は一緒に散歩に行こうと思った。


(※茎を折ると出る白い液を触るとかゆくなるので触るときは気をつけて。後日、長男は手当たり次第手折りかゆがっていました)


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