フライ(Lylic)
吹き飛んだ
空を摩擦して
振りぬいた
息をぶった切って
吹き飛んだ
空を掘削して
振りぬいた
意識をぶった切って
相進退して
あくびが浮いた
フライ フライ とべるなら
フライ フライ いけるなら
フライ フライ 生きるなら
待つは土よ
【語り】
下から上へ降る彗星
棒に振った休日に
響き渡るサイレンがうるさい
コンクリートと微熱と鉄で規定されたかけがえのない10年あまり
囲いの冷たい壁の内側に みんなでみた夢の落書きして話して泣いたり笑ったりしてたっけ
いつから帰路についていた?
満員電車は摂食し排泄して次へ向かう
よくある話の傍線上で落ちないようバランスをとっているだけの観客未満が僕だった
それでも一枚絵が紙を破らんばかりに咲くような、その躍動に心を奪われるのだ
そして光は眼前に迫る
まだ形のない前途の残照が蠢く厚い雲を溶かして
双進退して
あくびが浮いた
超展開して
まぶたを剥いた
フライ フライ とべるなら
フライ フライ いけるなら
フライ フライ 生きるなら
待つな虹を
翳した手の向こう
肥える光の目の涙
"バッターアウト ゲームセット"
いいなと思ったら応援しよう!
おかずを一品増やしてください