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2014年精神科病棟入院日記

20140710火
入院日。3:00起床。RPG風の不快な夢をみる。起き抜けに昨日買った鯵の刺身とビール。これでしばらく酒は飲めなくなるわけだ。刺身に付いているしその葉がやけに美味く感じる。4:00に設定していたiPhoneのアラームが鳴ると同時に上の階の人のアラームも鳴り始める。7:00頃なら特に驚くこともないだろうが、4:00なので偶然ということを感じ、親近感を覚える。入院準備を進めて、6:00に再び軽く寝て8:00に起き、入院先に持っていく文庫本を10冊ほど見繕う。今だに鍵を失くしたままの状態なので、表の玄関の鍵を閉め、裏の窓から表へ出る。一階だからこそできるが、盗っ人のようでハラハラする。着替えやバスタオル、本でそれなりに重くなった手提げ、バッグを背負い大江戸線に乗る。若松河田で降り、国際医療研究センターへ。

入院手続きを終えて、1257号室の病室へ。精神科開放病棟。看護婦さんにID付きリストバンドを付けられる。身長、体重を計る。身長169.5cm、体重70.2kg。ずいぶん太ってしまった。開放病棟はどんなものかと思っていたが、案外のほほんとした雰囲気であった。ロビーに居る患者をちらっと覗くと中年が少しばかりで老人が多いという印象。精神科の患者も見た目にはほかの科の患者と特に変わりはないだろう。とても静かな相部屋なので音には気をつけなければならない。主治医のR先生と挨拶程度の会話。いい人そうなのでよかった。看護婦さんに病棟内の案内をしてもらう。ここの病棟に入院している人は認知症の老人が多いようだ。病室に居るのも暇なので地下の売店へ。茎わかめ3個とブラックコーヒー買う。院内のカフェドクリエでアイスコーヒー。ブラジル音楽がかかっている。

14:00過ぎ、病室へ戻る。R先生と面談。うつ状態ではあるけどうつ病ではないんじゃないかな、と言われる。双極性障害を疑っているのだろうか。入院保証金を支払いに1階へ行き、病室にもどる。病室は相部屋なのでカーテンで仕切られてはいるが、音は丸聞こえである。患者同士、顔は見えないが話し声は聞こえる。この状況で思ったのは話し声、話し方から人柄が想像されて、はっきりと苦手な人間かそうでないかが自分の中で区別されるということだ。はす向かいの人がおそらく嫌いな人種。相部屋生活どうなることやら。

夕食が配膳される。アジフライ、白米、大根と人参の煮物、キャベツの和え物、スイカ。電気けいれん療法について調べる。実際やるかもしれないとなると、興味半分、恐さ半分である。21:00消灯。しばらくKindleで夏目漱石「こころ」を読む。眠れずにナースコールを押してマイスリーを2度もらったが、かえって目が冴えてしまった。眠れずに2:00を過ぎる。正面のベッドの輩の鼾がかなりうるさい。地鳴りのようで、耳栓をしても低音が響く。仕方なくイヤホンでラジオ深夜便を聴く。ガーシュイン特集。ラプソディインブルーは26歳のときの作品なのだそう。


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石上嵩大
晩年の種田山頭火くらい困窮してますので、サポートしていただけたら米や味噌の購入費に充てたいと思います。