#30 紀元前の作品が未だに私達の文化や言葉に根付いているってすごない?
第5週 第2日(火)文学「ホメロス」
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。
今日は文学「ホメロス」です。
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本の要約
ホメロスは紀元前8世紀の吟遊詩人で、「イアリス」「オデュッセイア」の作者と考えられている。
この2つの叙事詩は、朗唱つまり声に出して歌われていたらしく、文字に書き記されるまでは口承で語り継がれてきた。
■イリアス
アキレウス、アガメムノン、ヘクトルなど、アカイア(ギリシア)とトロイの間で起きたトロイ戦争に従事した英雄たちの活躍を描いている。
「イリアス」は戦争が10年目に入ったところから始まり、アカイア軍の戦士アキレウスの怒りにスポットを当てた作品になっている。
■オデュッセイア
「イリアス」の続編で、ギリシア軍の英雄オデュッセイアが、トロイ戦争後に帰国の途に就き、妻ペネロペイアに再開するまでに見舞われる数々の試練の物語。帰国までの10年と、妻ペネロペイアに言い寄っていた何人もの求婚者たちを皆殺しにする物語。
この両作品は、古代ギリシアの日常生活に文化面と実用面で大きな影響を与えていた。2つの叙事詩を最初から最後まで暗記することが当たり前に行われていた。
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叙事詩とは
叙事詩については「失楽園」で少し説明しているのでそちらを参照。
以前勉強した「ユリシーズ」の元祖
本書を読み始めた頃のトピックで「ユリシーズ」をやっていたのだが、まさにユリシーズは現代版オデュッセイアと言われている作品。
ユリシーズでは妻に浮気される冴えないサラリーマンのお話だったが、本書のあらすじを見る限り、英雄オデュッセイアはもっと気性が荒い感じがする。ヒロイズムといった面が似ているのかもしれない。
トロイ戦争の発端がまた女絡み・・・
アカイアとトロイの間でおきたトロイ戦争は、トロイの王子パリスが世界一美女であるスパルタ王妃ヘレネを誘拐し、トロイに連れ帰って自分の妻にしたのが発端。
美女はみんなを狂わせる。神話も聖書も歴史もみーんな女絡みで争いが始まる。
今でも残る言葉の数々
イリアスやオデュッセイアには今でも日常生活で根付いている言葉がいくつもある。
コンピューターのマルウェア「トロイの木馬」や、弱点をあらわすアキレス腱、誘惑を意味するセイレーンの歌声など、直接的に関係のない日本人でさえもこの物語に影響された言葉を使っている。
当時では暗記が当たり前だというのも驚きだが、それくらい文化に根付いた大事なものだったのだろう。
人生で読みたい、知りたい作品としていずれ絶対詳細を調べることにする。