#142 [文学] ポストモダニズム=多様性
第21週 第2日(火)文学「ポストモダニズム」
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。
今日は文学「ポストモダニズム」です。
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本の要約
ポストモダニズムはそれ自体で一つのまとまった様式ではなく、モダニズムという既存の運動に対する反応。
■ポストモダニズム文学の特徴
・異なるジャンルや文体の垣根を意図的に曖昧にすること
・新たな視点や、それまで取り上げられることのなかった視点を切り開くこと
・高級芸術と低級芸術をいっしょくたにすること
・風刺とユーモアが盛り込まれていることも多い。
20世紀前半、モダニズムの作家たちは叙述の視点や主観性の問題に取り組んでいた。その結果、多くの作家が、確かな真実というのは存在せず、そのため今の世界は手の施しようがないほど分裂しているとの結論に達した。
しかし、若い世代(ポストモダニズム世代)はそう考えず、この分裂状態にこそ、新たな文学を切り開いて、それまでとは違う見方を発見するチャンスがあるのだと主張した。
多くの人が、ポストモダニズム文学の時代はまだ終わっていないと考えている。
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トマス・ピンチョン「競売ナンバー49の叫び」(1966年)
喜劇的要素と風刺を利用した作品。意図的に無意味にした象徴と偽りの意味にあふれ、それによって本作は悲劇ではなくユーモアを読者に感じさせている。
トルーマン・カポーティ「冷血」(1965年)
二名の殺害犯が引き起こした実際の殺害事件を、小説的な会話とテーマを使って解釈した作品で、ノンフィクション・ノベルという新たなジャンルが生まれた。
ドン・デリーロ「ホワイト・ノイズ」(1985年)
現代アメリカに見られる不条理なほどの情報過多と物の多さに切り込んでいる。
その他、チェックしておくべき作品
・ジーン・リース「サルガッソーの広い海」(1966年)
シャーロット・ブリンテが19世紀に書いた小説「ジェイン・エア」に登場する人物の背景となる物語を語ったもの。
・イタロ・カルヴィーノ「見えない都市」(1972年)
現代都市論というレンズを通してマルコ・ポーロの話を読み直している。
・トム・ストッパード「ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ」(1966年)
シェイクスピアの「ハムレット」を再解釈した戯曲
近代ではオマージュ作品なんて言われたりするけど、そういったこともポストモダニズムに反映されたりするのだろうか。