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#306 [音楽] 主音を大切にする「調性」と限界突破した「無調性」音楽

第44週 第5日(金)音楽「調性と無調性」

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。

今日は音楽「調性と無調性」です。

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本の要約

17世紀から20世紀初頭の音楽は、どれも基本的に調性音楽というカテゴリーに含まれる。調性音楽とは、ある楽曲で、西洋音楽で使われる12の音の一つを他の11音よりも重視し、その音を基準として使うという考えに基づく音楽のことだ。

この考え方は、クラシック音楽の作品名にも表れている。例えば「交響曲 ト短調」なら、その曲はト短調の音階を基盤としていて、との音が中心音になっているはずだ。

これに対して、半音階を多用して音楽を変え始めた作曲家が、リヒャルト・ワーグナーだ。ワーグナー以降、作曲家は調性の限界をさらに押し広げていった。その結果生まれたのが無調性という考え方で、ここでは12音の一つ一つが等しく重視され、音楽は中心音を基本にしなくなった。旋律は、どこかの中心音を必ずしも意識しなくて良くなった。

ポップスやフォーク・ミュージックのほとんどすべてが、調性音楽の枠内に入る。無調性音楽はクラシックであれジャズであれポップスであれ、ほとんどの人の耳には不快で変に聞こえる。

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「交響曲 第25番 ト短調 K.183 第1楽章」

ほとんどの曲が調性音楽で、未だに音楽は調性音楽が主流なのが驚きだ。人間は聞きやすい音を一体どのように判断しているのだろう。なんで基準の音を重視すると聞きやすくなるのだろう。不思議な話だ。

「月に憑かれたピエロ」(1912年)

何も知らないヒトがこれを聞いたら、「え、下手くそ(笑)」って思ってしまうような。それに同じように歌えと言われても絶対に無理。

ただこれは芸術の表現の幅を広げた結果であって、けして適当に作ったわけではない。芸術とはときに美しいだけではないのが面白いところである。

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