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#290 [視覚芸術] 実存的不安を象徴する現代のシンボル

第42週 第3日(水)視覚芸術「叫び」

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。

今日は視覚芸術「叫び」です。

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本の要約

ノルウェーの表現主義画家エドヴァルド・ムンク(1863~1944)が描いた「叫び」(1893年)。

この絵は、当時最先端だった共感覚の理論(光と色彩の刺激が音の印象を生み出し、音の刺激が視覚的印象を生み出すという考え)を実証しようとしたものだ。この絵を描くきっかけとなった体現が次のように記されている。

「私は友人二人と散歩にでかけていた。太陽は沈み始めていた。突然、空が血のように赤く染まった。私は疲れを感じて立ち止まり、フェンスに寄りかかった。青黒いフィヨルドと街の上空に、血と火炎があった。私の友人たちは先に行ってしまい、私はそこに立ったまま、不安で震えていた。そして、無限の叫びが自然の中を通過していくのを感じた。」

つまり、中央にいる人物はムンク自身で、叫んでいるのは周りで、叫びが聞こえないように耳をふさいでいるのだ。

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画像1

ムンクは、この絵のバージョン違いを50枚以上描いている。

現在では、オスロのムンク美術館と同じくオスロの国立美術館で見ることができる。

まさか叫んでいるのはムンクではなかったなんて。初めて知った。

表現主義

ムンクの時代は表現主義と言われる芸術運動が流行していて、目に見える世界を客観的に捉えようとするのではなく、世界を自分たちの欲求に合わせて改変するという表現方法。前時代の印象派とよく対比されることがあるみたい。

印象派はわりとあっさりとした表現が多い印象で、表現主義はおどろおどろしいものが多い。どちらも好きだ。




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