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#322 [宗教] ヒンドゥー教にとって重要なふたつの叙事詩
第46週 第7日(日)宗教「ヒンドゥー教の叙事詩」
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。
今日は宗教「ヒンドゥー教の叙事詩」です。
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本の要約
■「マハーバーラタ」
「バラタ族の大叙事詩」を意味する「マハーバーラタ」は、起源は紀元前3000年頃だが、現在の形にまとまったのは紀元後300~400年ごろと考えられている。
物語は、バラタ族の2つの支族のあいだで行われた古代の戦いの物語である。パーンダヴァ族とカウラヴァ族で、パーンダヴァ族はサイコロ勝負に負けたため、12年間、国を追放されてしまう。追放期間が終わって帰国しようとしたが、カウラヴァ族は国土の半分を譲ろうとしない。そのため恐ろしい戦争が延々と続き、最後にはパーンダヴァ族が勝利する。
■「ラーマーヤナ」
物語は、ラーマ王子は、父王の跡をついで即位することができず、妻シーターとともに追放される。追放中、シーターは別の王に捕らえられ、ラーマは妻を救出しようと全力を尽くす。やがて妻を助け出したものの、別の男の家に住んでいた妻がはたして貞潔を守ったのかと、疑念を抱いた。そこでラーマは、シーターの貞潔を証明するため彼女を火の中に投じた。彼女は焼死しなかったので、ラーマは妻は貞潔なのだと信用した。しかし、その後も不貞の噂は絶えず、やむなくラーマはシーターを追放してしまう。その後シーターはラーマの息子をふたり産み、この二人が、やがて行く先々でラーマの物語「ラーマーヤナ」を語ることになった。
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ヒンドゥー教においての教訓
こうした物語の中には、宗教にとって大事な理想や教訓が非常に多く埋め込まれている。
例えばマハーバーラタでは、この物質世界は幻想に過ぎず、魂こそが永遠のもの。この世を耐え抜き、ひたすら神に聞いすることで、人は永遠に続く輪廻から逃れて神と一つになることができる。肉体を捨てることで神との合一が実現するのだから、戦場での死を恐れてはいけないと、説いている。
またラーマーヤナでは、敬虔な信仰、家族の絆、敬老の念などについて重要な教訓が含まれている。
大昔から男女関係の話は尽きないし、誰もが共通して好きな物語なのが面白い。
今でもこの叙事詩がどのくらい重要なのか気になるところである。