#120 [歴史] コンキスタドールはアメリカ大陸へ。正義の戦争が始まる。
第18週 第1日(月)歴史「スペインの新大陸進出」
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。
今日は歴史「スペインの新大陸進出」です。
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本の要約
1492年にコロンブスが航海に出発したのは、新たな世界を探し求めてのことではなかった。スペインのフェルナンド王とイサベル女王のために、アジアへ向かう新たな航路を見つけようとしていたのである。50年間で見つけた中央アメリカから南アメリカにかけて広大な領域をスペイン兵(コンキスタドール)が征服し、その過程で先住民を何万人も殺戮した。新大陸から膨大な量の金銀財宝を奪い取ったスペインは、世界の超大国として、その絶頂を極めた。
1550年、フェルナンドとイサベルの孫カルロス1世(神聖ローマ皇帝カール5世)は、アメリカ大陸で殺戮が続いていることに疑念を抱いた。どうするべきか、著名な学者2名を読んで討論させた。
■トロメ・デ・ラス・カサス
1502年、ラス・カサスはスペイン人入植者の第一陣として、数名の親戚とともにアメリカに渡った。その新大陸でラス・カサスは、スペイン人コンキスタドールの残忍な好意を目の当たりにして衝撃を受けた。
ラス・カサスは、スペインはアメリカ大陸でもっと人道的な制作を採用すべきだと訴えた。
■フアン・ヒネス・デ・セプールベダ(1490~1573)
彼は人文主義者で、スペイン人にはアメリカの先住民を「キリスト教徒にする」義務があり、そのために必要ならどんな手段を用いても構わないと信じていた。スペイン人には、先住民を服従させる権利があるのみならず、西洋文明を広める積極的な義務もあると、セプールベダは主張した。
カルロス1世は、ラス・カサスの主張に賛同したが、既に手遅れだった。欧州によるアメリカ大陸の植民地化は進んでいった。
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クリストファー・コロンブス
探検家・航海者・コンキスタドール、奴隷商人。新大陸最初の島でコロンブス一行はインディアンたちから歓待を受ける。その時の気持ちをコロンブスはこう語っている。
「私がインディアに到着するとすぐに、私が見つけた最初の島で、彼ら原住民(アラワク族インディアン)たちに、私に差し出さなければならないものがこの品々の中にあるのかどうか教え込むために、私は力ずくで原住民の何人かを連行した」
「彼らは武器を持たないばかりかそれを知らない。私が彼らに刀を見せたところ、無知な彼らは刃を触って怪我をした。 彼らは鉄をまったく持っていない。彼らの槍は草の茎で作られている。彼らはいい身体つきをしており、見栄えもよく均整がとれている。彼らは素晴らしい奴隷になるだろう。50人の男達とともに、私は彼らすべてを征服し、思うままに何でもさせることができた」
「原住民たちは所有に関する概念が希薄であり、彼らの持っているものを『欲しい』といえば彼らは決して『いいえ』と言わない。逆に彼らは『みんなのものだよ』と申し出るのだ。彼らは何を聞いてもオウム返しにするだけだ。彼らには宗教というものがなく、たやすくキリスト教徒になれるだろう。我々の言葉と神を教え込むために、私は原住民を6人ばかり連行した」
その後も文明を知らないインディアンたちを利用して、無差別殺戮、窃盗、殺人、強姦、放火、拷問を繰り返した。すべての目的は金にあり、黄金探しを使命としたスペイン海軍によって体系化されていった。
キリスト教世界の白人としては最初にアメリカ海域へ到達したとされていたが、この新大陸をアジアだと主張し続けていた。
名前が有名なだけに、偉業を成し遂げた人物だと思っていた。とんだ思い込みをずっとしてたのか…ショック。
コンキスタドールに恐ろしさ
人ってここまで残虐になれるものなのか。赤信号みんなで渡れば怖くない。そんな心理が働いたのだろうか。
コロンブスだけが悪いかのように思われるが、コロンブス率いるスペイン海軍が相当やばい。コロンブスが病に臥せた後からなおさらひどいことになる。まるで檻から解き放たれた猛獣のように。
イベリア半島統一もなかなかにやばいと思ったけど、アメリカ大陸制圧はもっとやばかった。事実は小説より奇なりとはよく言ったもので、到底信じられそうにない……