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#283 [視覚芸術] 感情を作品中に反映させて表現する20世紀初頭の芸術運動
第41週 第3日(水)視覚芸術「表現主義」
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。
今日は視覚芸術「表現主義」です。
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本の要約
表現主義の芸術家たちは、目に見える世界を客観的に捉えようとするのではなく、世界を自分たちの欲求に合わせて改変する。
表現主義の発展には、フィンセント・ファン・ゴッホやポール・ゴーギャンの貢献も大きかったが、一般にこの運動は、1905年、アンリ・マティスをリーダーとする芸術家グループがパリで最初の展覧会を開いたのを始まりとする。このメンバーは、強烈な色彩を使い、人物像をゆがめて描いたことから、やがて「フォーヴ(野獣)」と呼ばれるようになった。
表現主義は、20世紀前半に古典主義を否定した多種多様な芸術運動を十把一絡げに指す言葉として使われることもある。
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芸術家グループ
表現主義はヨーロッパ各地で同時に起こった。ドイツでは「ブリュッケ(橋)」や「ブラウエ・ライター(青騎士)」などのグループが代表的。
表現主義は、当時ヨーロッパの国々で盛んであった印象派(物事の外面的な特徴を描写する)とは対極に位置する。
表現主義の作品において、よく扱われるテーマは、生活の矛盾(性的なもの、家族間のものなど)から、革命、戦争、社会の矛盾など、いわば既存の秩序や市民生活に対する反逆を目指したものが多い。
「叫び」(1893年)
画家エドヴァルド・ムンクの「叫び」は、誰もが一度は見たことがある作品ではないだろうか。色鮮やかに波打つ背景や、耳をふさいで恐怖と不安に歪んだ表情など作品全体に漂う不吉な空気は、まさに表現主義そのものを体現しているかのような作品だ。