#336 [宗教] 哲学であり宗教でもある中国古代思想
第48週 第7日(日)宗教「道教」
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。
今日は宗教「道教」です。
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本の要約
道教は、古くから続く中国古代思想のひとつだ。
道教が登場したのは、紀元前700年ころから前200年ころの、中国で数々の粗相が花開いた諸子百家といわれる時代のことである。道教の開祖とされる老子は、孔子と同時代人だと言われており、老子が書いた「道徳経」が元になっている。
「道徳経」は、わずか5000字から成る短い書物だ。しかし、その中に道教の思想がすべて述べられている。それによると、この世に存在する万物には、「道(タオ)」と呼ばれるものが備わっているという。道教は、「道」と一体になることが求められる。この世は対立に満ちているが、「道」と一体になることで平和な状態に到達できると信じている。道教は、自己鍛錬と社会変革の両方を訴えている。
・自己鍛錬
無理なく自然に暮らし、呼吸法などで健康的なライフスタイルを送り、欲望を抑えることを提唱している。道教では死後の世界は認めず、現世で穏やかで平和に生きることを重視する。
・社会変革
国家による介入と戦争を最小限にするように提唱している。儒教がシャキ生活を基盤とするのに対し、道教は、生きていく兄は隠遁生活で十分だと唱えている。
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道教の今
道教は、共産党が支配する毛沢東時代の中国で公式に弾圧された。そのため現在、同教の信者が最も多く集まっているのは台湾である。
今までのような欲望渦巻く宗教が主流のなかで、かなり控えめな思想をもつ道教はどうしても弱い立場になってしまうのは何となく分かる。
社会主義でも資本主義でもなかなかバランスを取ることの難しい宗教だと思う。
人類がみな道教のような精神でいるならば確かに戦争はなくなるかもしれない。