#80 [視覚芸術] 聖書の絵画として西洋史上屈指の有名な作品
第12週 第3日(水)視覚芸術「最後の晩餐」
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。
今日は視覚芸術「最後の晩餐」です。
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本の要約
レオナルド・ダ・ヴィンチは、1495年~1498年に後援者ルドヴィコ・スフォルツァのため「最後の晩餐」を制作した。ミラノのサンタ・マリア・デッレ・グラーツィエ教会にある修道院の食堂内の北側の壁に描かれたもの。
「最後の晩餐」は、イエス・キリストが12人の弟子たちと過越(すぎこし)の食事をしている最中の、ユダがイエスを裏切ってローマ人に引き渡す直前の場面。
この絵と関係がある、マタイによる福音書26章21節では「あなたがたのうち一人がわたしを裏切ろうとしている」という瞬間を捉えたものだと考えられている。
また、ルカによる福音書22章21節では「わたしを裏切る者が、わたしと一緒に手を食卓に置いている」と述べており、ダ・ヴィンチの絵でイエス以外で食卓に手を置いているのはユダだけだ。
壁画は完成後まもなく痛み始めた。当時、壁画にはフレスコ画法を使うのが普通だったが、時間に余裕がなかったため、代わりに油を使ったテンペラ絵具を実験的に使ったが、数年でひび割れやカビが現れた。
さらに、1652年に壁に出入り口が開けられ、イエスの足の部分が破壊された。修復を試みるも、第二次世界大戦中に食堂が爆撃を受け、損傷はさらにひどくなった。1978年、大規模な修復作業がイタリア政府によって開始され、1999年に再び一般公開された。
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過越(すぎこし)
過越(すぎこし、ヘブライ語: פֶּסַח、英語: Passover)またはペサハ (pesach) とは、ユダヤ教の宗教的記念日。家族が食卓につき、マッツァーやセーデル等の儀式的なメニューの食事をとって祝う。
ルドヴィコ・スフォルツァ
15世紀~16世紀にミラノを統治していたスフォルツァ家の当主。1491年に行われた彼の結婚式の演出もダ・ヴィンチが手掛けた。
宮廷に学者や芸術家を集め、学芸を保護し、ルネサンスのパトロンとして知られる。
1500年、フランスの侵攻の時、スイス傭兵の裏切りによりフランス軍に引き渡られた。(ノヴァーラの裏切り)
ルドヴィコは1508年まで投獄され、獄死した。
ダ・ヴィンチは1499年にはルドヴィコの元を離れ、フィレンツェに戻っている。「最後の晩餐」が完成した1498年のあと情勢悪化を見込んでルドヴィコの元を離れたのかもしれない。
福音書
福音書とは、イエス・キリストの言行録である。通常は新約聖書に納められた福音書記による4つの福音書を意味する。
・マタイによる福音書
・マルコによる福音書
・ルカによる福音書
・ヨハネによる福音書
マルコ以外はイエスの弟子に当たる。マルコはいったい誰なんだ。
本書で記されていたルカによる福音書22章21節「わたしを裏切る者が、わたしと一緒に手を食卓に置いている」だが、wikipediaやgoogleで検索した画像を見るに食卓に手をおいている人は複数人いる。
いったいどういうことなんだろう。
googleで高解像度版が公開されているので、ぜひみてほしい。
12人の弟子
「最後の晩餐」の向かって左から右に、
・バルトロマイ
・小ヤコブ
・アンデレ
・ユダ
・ペトロ
・ヨハネ
真ん中にイエスがいて右に、
・トマス
・大ヤコブ
・フィリポ
・マタイ
・タダイ
・シモン
記念日の絵なのに、だれも嬉しそうに見えないのが不思議…