#121 [文学] 現代インドを描いた文学作品や宗教問題、政治問題に果敢に挑む小説家
第18週 第2日(火)文学「サルマン・ラシュディ」
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。
今日は文学「サルマン・ラシュディ」です。
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本の要約
■小説家サルマン・ラシュディ(1947~)
ムンバイでイスラム教徒の両親から生まれ、ヒンドゥー教徒とシク教徒に混じって育ち、イギリスで教育を受け、現在はニューヨークに住んでいる小説家。ラシュディの小説は、インドとパキスタンにおけるヒンドゥー教とイスラム教徒の緊張関係を中心に、政治問題と宗教問題を数多く取り上げている。
ラシュディの名声は、その優れた分筆活動によるものではなく、小説「悪魔の詩」(1988年)をめぐって起きた騒動によるところが大きい。この小説の一部が、多くのイスラム教徒から預言者ムハンマドに対する冒涜だと受け止められたのである。小説は発禁処分となり、デモや抗議が中東からイギリスまで、広い地域で起こった。1989年初頭にはイラン指導者ホメイニが、ラシュディを処刑するため、居場所を特定する訴えを記すファトワー(法学裁定)をだした。
ラシュディは、その後10年間、ロンドン警視庁の警察に警護されながら身を隠して過ごした。
■代表作
・悪魔の詩(1988年)
・真夜中の子供たち(1981年)
・ハルーンとお話の海(1990年)
・ムーア人の最後のため息(2011年)
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生きる伝説!
現存する人物が紹介されるなんて珍しい。
自分自身が宗教と関わりの深い場所に身を投じて、なおかつその中で自分自身の主張を小説という形で公言しているのはすごいことだと思う。
信者の人達って脳死で信じることしかしないのかと思ったけど、こういう人もいるんだね。
1981年に出版した「真夜中の子供たち」でイギリスの文学賞、ブッカー賞を受賞している。
ルーホッラー・ホメイニー(1902~1989)
イラン・イスラム共和国の初代最高指導者。
第二次世界大戦中の1941年ころからのイランは、イラン皇帝の独裁的かつ、石油の輸出による外貨収入を背景にした工業化と西欧化政策が、国民の貧富の格差と不満を加速させていた。その抵抗運動の中心人物として動いていた人物。1979年のイラン革命によりイラン・イスラム共和国の樹立とともに最高指導となった。
だが、ホメイニーも宗教独裁体制が次第に色濃くなり、ラシュディの書いた小説さえも許すことができなくなった。
結局狙いは、国ごとイスラム教に塗り替えることだった。
そんな関わってはやばいひとに果敢に立ち向かったラシュディは勇気あるわ。私が同じ立場でもせいぜいnoteで独り言を残すくらい…
シンプルに読んでみたい。
今でもかなり複雑な緊張状態を保っている宗教関係。そんな題材の小説は、このnoteを始める前は興味なかったけど、今はめちゃくちゃ興味ある。
いつかちゃんと読んでみよう。