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#86 [文学] カリフォルニア州をおもに題材に小説でノーベル文学賞を受賞

第13週 第2日(火)文学「ジョン・スタインベック」

1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。

今日は文学「ジョン・スタインベック」です。

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本の要約

ジョン・スタインベック(1902~1968)は、20世紀アメリカの小説家の中でも特に愛読されているひとり。
作品には出身地カリフォルニア州の地方色をふんだんに盛り込まれている。

スタインベックは、カリフォルニア州サリナスで生まれた。サリナスは、サンフランシスコとモントレーに挟まれた農業地帯の真ん中にある。スタンフォード大学で学び、肉体労働者として職を転々としていた。
1920年代後半から本格的な執筆活動に入った。

・「トーティーヤ・フラット」(1935年)
大恐慌時代のモントレーに住むメキシコ系アメリカ人たちを描いた小説。この作品でスタインベックは有名になった。

・「二十日鼠と人間」(1937年)
カリフォルニアの農業で働くふたりの出稼ぎ労働者レニーとジョージの悲劇の物語。

・「怒りの葡萄」(1939年)
砂嵐地帯であるオクラホマ州の農家一家が、干ばつに苦しむ中西部から、よりよい生活を求めてカリフォルニア州へ移り住む物語。アメリカの学校では英語教材の定番となっているほど彼の中で最も有名だ。

・「キャナリーロウ」(1945年)
モントレーの工場地区に住む貧乏人たちのドタバタ喜劇

・「エデンの東」(1952年)
聖書の創世記をサリナス盆地に舞台を移して翻案した長編小説

1962年にスタインベックはノーベル文学賞を受賞

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ノーベル賞での受賞スピーチ

「人間は完全になれると心の底から信じていない」作家は「何の貢献もできないし、文学者の一員となる資格もない」と訴えた。

これにはどういった意味があるのだろう。

完全とは何を示すものなのか。本書で学んできた人なら一つ答えが思い浮かぶのではないか。

私は、プラトンの「イデア論」を思い出した。

イデア論とは、この世界とは別のところに永遠不変の完全なる世界「イデア」があり、わたしたちが住むこの世界はあくまでのイデアの一部を模倣しながら生きているに過ぎないという考え方。

本書で最初イデアを学んだときは、イデアという「全知」があるなら、私たちが何かを知るということに意味が無いという解釈をしていたのだが、そうではなさそうだ。

むしろイデアという存在に近づくための努力をすることが大事なのだと思うようになってきた。

イデアが本当にあるかどうかが問題なのではなく、全知になろうとあがきもがくその行動に意味があって、その過程の中でいろんなイノベーションが起きていって人々を豊かにしていくのではという考えに最近は行き着いた。

ジョン・スタインベックのスピーチもそういう意味なのかなと思った。

「エデンの東」と「東のエデン」

「東のエデン」は2009年に放送していたTVアニメなのだが、深夜アニメで毎週欠かさず録画をして見ていたのだが、一度だけ録画に失敗したことがある。それが「エデンの東」だ。番組表の字面を見て先入観で東のエデンだと勘違いして録画したのだが、いざ見てみると古めかしい海外映画が始まって絶望した覚えがある。懐かしいなぁ。

まさか、それが屈指の傑作だったとは。当時は知る由もなかったなぁ。




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