#212 [文学] 20世紀に生まれた心理小説の先駆者
第31週 第2日(火)文学「ヘンリー・ジャクソン」
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。
今日は文学「ヘンリー・ジャクソン」です。
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本の要約
■ヘンリー・ジェイムズ(1843~1926)
ニューヨークで学者の家に生まれた。父で同盟のヘンリーは著名な理論家・神学者で、兄のウィリアムは、のちに有名な哲学者となる人物だ。ジェイムズは子供時代の異なる時期に、ロンドン、パリ、ジュネーブに住むという国際色豊かな体験をした後、一家はロードアイランド州ニューポートに居を定めた。ジェイムズはハーバード・ロー・スクール在学中に物語や書評を執筆し、やがて著述業に専念するようになった。20代と30代は作家修行に成ると思ってヨーロッパ各地を広く旅行し続けた。
■小説「アメリカ人」(1877年)
成金となったアメリカ人実業家がフランスの陰湿で傲慢な貴族社会に入り最期には破滅してしまう話。
■小説「デイジー・ミラー」(1879年)
若くてわがままなアメリカ人女性が、外国で上流社会のしきたりを無視して振る舞うが、結局は悲劇的な結末を迎える。
ジェイムズは、国籍が違う人々の習性を鋭く見抜く目と、散文家としての優れた才能を持っていた。彼の作品は、どれも細部への描写に強いこだわりが見られ、登場人物の心理学的な動機と人間関係の力学に特別な注意を払われている。
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散文家
散文(さんぶん)とは、小説や評論のように、5・7・5などの韻律や句法にとらわれずに書かれた文章のことである。狭義には、そのようにして書かれた文学。韻文の反意語。散文で書かれた詩のことは散文詩と言う。また、散文的という言葉は「味気なく、情趣が薄い」という意味で使われることもある。
主な映画化作品
・「ヨーロピアンズ」(1979年)
・「ボストニアン」(1984年)
・「金色の嘘」(2000年)
旧世界と新世界
大西洋を挟んで欧米の作家たちは、とりわけ旧世界(ヨーロッパ)と新世界(アメリカ)の衝突を記録する中で、ジェイムズは、がさつだが純朴な新世界と、上品だが退廃的な旧世界の衝突を度々描いている。
ヨーロッパ各地を旅してきたジェイムズだからこそヨーロッパ人とアメリカ人の感覚の両方を敏感に感じ取れたのかも知れない。
やはり直にその土地に足を踏み入れることは大きな糧と成る。
今の時代インターネットでほとんどのことが済んでしまうが、こういうときだからこそ肌で触れたものをもっと大事にしたほうがいいなと強く思った。