#32 何者も飲み込む重力の特異点
第5週 第4日(木)科学「ブラックホール」
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365を読破しようという企画。
この本の概要についてはこちらを一読ください。
今日は科学「ブラックホール」です。
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本の要約
ブラックホールは、巨大な星が死ぬときに生まれることがある。内部に向かって崩壊して、だんだん小さくなっていき、密度が大きくなっていく。こうして収縮していき、ついには半径ゼロで密度が無限大の点になる。
この点を特異点と言い、この星の近くにあるもの全て、光さえも吸い込まれてしまう。
ロケットが宇宙空間へ飛び出すときは、地球の重力から脱出できるだけの速度が必要になる。この脱出速度に達することが出来なければ、地球に戻ってしまう。
ブラックホールの重力は非常に強く、脱出速度は高速よりも大きい。光より早いものは存在しないので、何も脱出できない。
特異点の周囲には、脱出速度が光速に等しい境界面があり、これを事象の地平線という。
事象の地平線より内側に入ったものは、全て特異点に吸いこまれる。
ブラックホールは光を出さないので、実際に見ることはできない。
ブラックホールの存在が分かるのは、宇宙空間で他の物質がブラックホールの質量と相互作用するから。
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ブラックホールの観測に成功
2019年4月10日、地球上の8つの電波望遠鏡を結合させた国際協力プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ」にて初めて巨大ブラックホールとその影の存在を画像で直接証明することに成功した。
ブラックホール自体は光を出さない天体だが、その周りにある輝くガスのような明るいものがあれば、ブラックホールを「影」として観測できる。
ブラックホールの強力な重力で曲げられた光を捕まえることで、そのブラックホールの影、ブラックホールシャドウが生まれるし、天体の性質や質量を測定することが可能になる。
ブラックホールって神話や聖書に出てくる物語のように、すこし伝説的な部分があったけれど、そんなものとは違う、本当にこの現実に存在するものとして証明されたことが何よりすごいことだと思う。
その研究をし続けた研究者はどれほどの苦労と努力をしてきたのか計り知れない。そして世界が協力しなかったらなし得なかったことだし、人類の融和としても意味のある成果だと思う。
それでもまだまだ謎だらけ
これだけ人類の時が経ってやーーっとのことでできたのがブラックホールの撮影である。
ブラックホールの中身はどうなっているのか。飲み込まれた光はそのまま消滅してしまうのか。飲み込まれたものは二度と逃げていくことができないのか。いろんなことがまだまだ解明されていない。
生きているうちにもっとブラックホール、宇宙のことについてわかるといいなぁ。
謎の天体と僕らの生活が同じ世界とは本当に不思議。
私達の世界にこんな壮大で謎だらけなものがあるってコト自体不思議だし、毎日お金を稼いで食べ物を食べて生きていくちっぽけな私達がなんとも惨めで、宇宙という人類最大の謎の前では価値がない小さな小さな生き物と思ってしまう。
本当に考えるべきは、地球と宇宙の未来。そういったことを考えながら生きられるようになりたい。