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横浜・F・マリノス戦マッチレビュー?〜しるし〜


外を出ると、汗が吹き出してくる。



暑い。


暑い。


とにかく暑い。



あれ、夏ってこんなに暑かったっけ??



毎年思う。


そして、毎年その暑さは過去の記憶を更新する。



今年の夏が、今まで経験した夏の中で1番暑い。




僕にとって、そんな毎年暑さは27回目の更新を迎えた。



思えば高校の頃は灼熱の人工芝で真っ昼間にサッカーをしていた。


スライディングをミスるとケツが燃える。火傷する。


特になんとも思っていなかったが、今考えると危険すぎる。


まぁ、その頃からはもう10回近く「1番暑い夏」が更新されているので、もしかすると今タイムスリップしたら「涼しい」とすら思えるのかも分からないが。



とはいえ、こちらも毎年「暑い〜!やばい〜!」などと駄々をこねながら過ごすつもりは全くない。


蓄積してきた知識と、経験則と、技術力で。毎年進化してくる夏を「快適に過ごしてやろう」と、そう思う訳である。


というわけで、いきなりではあるが僕が「この史上最暑の夏」を乗り切るために用意した秘密道具をランキング方式で紹介する。





第3位「マンダム ハッピーデオボディシート 極冷PF」


サッカー部あるあるかもしれないが、基本ボディシートに全幅の信頼を置いている。



ボディシートがあればクールダウンなんて要らないくらいのことは思っている。ボディシートに対して多くのタスクを与えがちである。


そんなボディシートから遂に「極冷」なるものが出た。


半信半疑で買ってみたが、意外と良い。


拭いたところから明らかに表面体温が下がって行くような、そんな印象を抱いた。


匂いもボディシート特有の、甘みのある香り。


どこか18歳の頃を思い出すような。うっすら遠いあの頃の記憶。


無理矢理消し去った夏合宿の思い出がふいに出てくる…めちゃくちゃ怒られ走ったあの日…

なんか心なしか寒くなってきた。



なんて冗談だが、ボディシートに冷却機能が搭載されており、持ち運びも便利でおすすめ。



第2位「ビオレ クーリングボディミスト」


一見いい香りのするボディミストだが、これを吹きかけるとスーッと肌が冷却されて行くのが分かる。


自称匂いフェチなので、基本的に自身に振り撒く物にはこだわりが強い。好きな香水を作りに韓国へ行くくらいには香りに拘りを持っている。


そんな僕であっても、このミストは大歓迎の爽やかな香り。尚且つ涼しくなる(なんなら少し寒くなる)冷却仕様。もういうことない。夏の汗の匂いなんて怖くもなんともなくなる。みんな鞄の中に絶対入れておいた方がいい。


そして何より、この形状。


僕たちは青春時代、失恋の数と同じくらいバッグの中でシーブリーズをばら撒いてきた。


もうあの悲劇は繰り返さなくていいのである。


もっとも、バッグの中が突然いい匂いまみれになるあの現象も、それを見て周りが過剰に騒ぐ現象も、今となっては悪いもんじゃなかったのだが。まぁ、無いに越したことはない。


僕は仕事用のバッグにもこれを忍ばせている。



そして、この爆熱の真夏を乗り越えるオススメアイテム第1位は………






結局これである。最強。


私は最強って高らかに歌っているAdoは、きっとこの組み合わせにインスピレーションを受けたに違いない。それくらい最強。


海賊王なんて、これ飲んでりゃそのうちなれる。まるでそんな気分にさせてくれる。それくらい最強の組み合わせなのである。




さぁ、そんな「真夏の夜」に開催されたマリノス戦。三種の神器を駆使しながら、ヘトヘトになりながら、なんとか日産スタジアムへと辿り着いた。




本日の世界最高ファンタスティックフットボールクラブ川崎フロンターレのスタメンは


GK 上福元
DF 山根 高井 車屋 登里
MF シミッチ 瀬古 脇坂
FW 家長 宮代 山田

コンディション不良によってソンリョンが、怪我によって大島がメンバーがメンバー外となった。



お互いに欲しいのは…


首位マリノスの敵地に乗り込んだこのゲーム。立ち上がりからマリノスを攻勢を受ける展開となった。


前半2分にはエウベルが挨拶代わりのミドルショット。
マリノス自慢のカルテットが牙を剥く。


4分にも得意のサイドアタックから、エウベルが仕掛けてクロスを上げようとする。ここは我が軍の山根がスライディングでボールをカット。自由を与えない。


対する我が軍は、コンディション不良のソンリョンに代わる形で入った上福元を絡めながらビルドアップを醸成。徐々に前進して行く構えを見せる。



そんな得意の「ビルドアップ」からチャンスクリエイト。


前半7分、上福元から始まった攻撃はシミッチ→家長→脇坂→山田でフィニッシュ。


ピッチを大きく、ジグザグに使うイメージで前進していった。


おそらく、この相手の「裏」を突き続けるイメージの前進はこの日の狙いの一つだったであろう。

しかし、この攻撃に代表されるように「敵陣に入って行く人数」を増やせば自ずと「自陣の人数」が減るのがサッカーの常である。


9分。一瞬の隙を突いたマリノスがエウベル→ヤン・マテウスで大決定機。ゴールマウスを捉えきれなかったことで事なきを得たが、完全にDFラインの背中を取られた、マリノスの狙いが凝縮されたカウンターアタックであった。



近年のvsマリノス戦はキックオフからハイテンションになることが多いが、御多分に洩れずこのゲームも立ち上がり10分でお互いのチームが色を出す立ち上がりとなった。



お互いに欲しいのは「相手DFの背中のスペース」


ここを突き切れるか否か。そんな90分になることが立ち上がりから容易に想像できた。




マリノスは分かりやすく、ストロングポイントであるエウベルを裏に走らせらせ、そこにボールを供給しようとしていた。


左サイドを起点にボールを集め、敵陣深くを陣取る。そんなイメージだったであろうか。



しかし、ここに立ちはだかったのが山根視来であった。



エウベルに対して、何度も身体を投げ出し最後の最後で自由を与えない。


何か、彼の中の「意地」のようなものが具現化されたようなプレーが続いた。


何がなんでも絶対にやらせない。そんな「泥臭さ」をW杯戦士である彼から感じた。


マリノスが左サイドをハブにして攻撃を展開しようとするも、山根がそのプランに対して待ったをかける。そんな展開であった。


リズムが掴みきれないマリノスに大して、少しでもチャンスがあればイニシアチブを奪い返そうとしていたのが30分台の我が軍。


ボールを握っているのはマリノスだったかもしれないが、きっと心理的な充実度は我が軍の方が高かったはずだ。


ここで並みのチームであれば守備陣が耐えきれず、失点をしてしまうものである。


しかし、マリノスは違った。全く焦るような様子は見受けられなかった。


淡々と細かいパスを繋ぎつつ、我が軍のどこかに「空くはず」の風穴が出来るのを待っている。そんなイメージだったであろうか。


41分にはビルドアップのミスを突いたマリノスが、アンデルソンロペスを使って我が軍の背後を狙うも、シミッチが自由を与えず。

やらせてくれないなら、こっちもやらせない。


そんなメンタリティをほんのり感じるこのゲームは0-0で前半を折り返した。好ゲームの香りがどこからともなく香ってくる。あっという間の45分であった。


信じた先に…


後半も基本的にゲームの構成は変わらない。


ある程度ボールを握っていたのはフロンターレだが、隙あればマリノスが背後を突いてくる。


46分、アンデルソン・ロペスが華麗なターンで食いついた我が軍2枚を一気に引き剥がすも、脇坂が完璧なポジショニングを取り、最後の最後で自由を与えない。


実に脇坂らしいプレーだ。このあたりの危機察知能力は、ゲームに絡み出した2019年の頃から非常に高いものがあった。


保持のみが彼のストロングではない。このシーンに代表されるような「守備」の部分での貢献度も見逃せない。



この辺りもかの有名な「川崎の元14番」に通ずるポイントかもしれない。彼もスペースを埋める守備が抜群に上手かった。


森保さん、ウチの14番、代表にどうですか?



ゲームのテンションは時間経過と共に高くなって行く。


56分、家長が右サイドで永戸と対峙。


右手で「取り来いよ」と誘い出すと、食いついた永戸に対して反転。一気にペナまで侵入する。


フリーで前向きにペナへ侵入してきた瀬古へパス。


瀬古のシュートは枠を捉えきれなかったが、家長昭博の良さ、恐ろしさが存分に出たシーンとなった。


食いついたら剥がされる。距離を取ればパスが出てくる。


家長昭博を贔屓チームで7年間見てきた僕が思うに、万が一彼と対峙してしまった場合は最早見て見ぬフリをすることが1番なんじゃないか。


そんな風に思ってしまう。山奥で熊に遭遇した時と対処法はなんら変わらない。


もし、日常生活でボールを持った家長昭博と対峙してしまった場合、無闇にボールを取りに行くのも距離を取るのも間違いだ。見て見ぬフリ。徹底しよう。



そんな冗談はさておき、この家長の突破から少しゲームバランスが我が軍に傾いた感があった。



その「ムード」を見逃さなかった鬼木監督は、すかさず橘田と遠野を投入。


「相手の背中」を突くのと同時に、ややルーズになってきた中盤の制圧も狙う。そんな意図の見える交代であった。


直後には瀬川も投入。「相手の背中」を突けるフレッシュなメンバーをピッチ上に揃えた。



そんな鬼さんによってピッチインした遠野、橘田、瀬川の3人が、大仕事をする。



71分。橘田がボールを粘ってキープすると、サポートに来た瀬川がこのボールを取り切る。瀬川が相手DFの「裏」を突くパスを入れると、このボールに反応した遠野が一気にペナへ侵入。


飛び出してきたGK一森の手はボールはチャレンジ出来ず、遠野を倒す形に。PK獲得。


まさに、狙い通りの形であった。


ペナルティスポットには、いつも通り家長昭博。


しかし、家長が撃ったシュートはGK一森にストップされてしまう。待望の先制点とはならなかった。



こういった1点が勝利に直結するようなゲーム展開に於いて、70分過ぎのPK失敗というのは大きなマイナス要素になりかねない。


ピタッと全員の足が止まってしまう。そんなこともあり得るくらい、個々の精神的に重くのしかかるような事象である。


しかし、我が軍の足は止まらなかった。


このゲームの重要性から、個々が切り替えられたということも勿論考えられるだろうが、おそらくは


「家長昭博が外したら仕方ない」



と、ピッチに立っている選手、ベンチの選手やコーチ陣、そしてスタンドのサポーターが心の底から思えたからである。



実際にスタジアムにいた僕もそう感じた。


「あー、しゃーないな。アキさんが外したらしゃーない。流れの中で点取ろう!」


自然と、そう思えた。



我が軍がFW陣ではなく家長昭博にPKを託している理由は、もちろん彼がPKの名手であるというのが最大の理由だ。


しかし、このような不測の事態で「精神的にはプラマイゼロ」な状況を作れることもその一因であろう。


改めて、この日のPK失敗にはその利点が凝縮されているように感じた。




誰ひとりとして、このPKの後に足が止まる選手はいなかった。





しかし、我が軍が勢いそのまま押し切れるほど首位チームは甘くない。


80分、先ほどの遠野が作り出したチャンスのデジャヴとも思わせるシーン。


我が軍の背中を取ったエウベルからアンデルソンロペス。ボールは枠を捉えるには至らなかったが、枠に入っていたらスコアが動いていたかも分からない。



そのシーンの直後。ピッチに送り込まれた大南は手を「5」と広げて、3バック+WBの3-4-2-1にポジションを変更することが告げられた。



そして、このポジション変更が待望の瞬間を迎えることになる。




92分。この日絶好調の山根、フレッシュな大南が絡む形で右サイドを崩すと、遠野がペナ前でファールを受ける。


すぐさまクイックリスタートで山根が決定機を迎える。


GK正面に蹴り込んだボールはタッチラインを割りコーナーキックに。


90分走り続けた山根がまたしても大決定機を作り出した。


そして、そのコーナーキック崩れ。


一度は最終ラインまでボールを追いやられるも、山根からサイドの遠野に再びボールが入る。



ゴールに向かう形でカットインした遠野。




遠野から縦パスを受けた瀬川は足首で反転ターン。




相手の「背中」を取ったのは途中出場の大南。




大南が相手の「背中」で受けたボールは、そのまま走り込んできた車屋の元へ。




遂に先制。


ハイテンションゲームは、92分に遂にスコアが動いた。





この1点を守り切った我が軍が勝利。負けるとタイトルレースからほぼ脱落という状況の中で、首の皮1枚繋がる貴重な勝ち点3を獲得した。




次節に向けて


首位マリノス戦に勝ち、勝ち点3を積み上げた我が軍。


激闘のゲームを制した。



今、このnoteを読んでいるフロンターレサポーターの皆さん。突然だが、教えて欲しい。



あなたがフロンターレを好きになった理由は何ですか?


あなたがフロンターレにのめり込んで行った理由は、フロンターレが日常になった理由は何ですか?






きっと、フロンターレサポーターの数だけ答えはある。







車屋紳太郎が点を取った瞬間、スタンドで見ていた僕は咄嗟に前後左右に居た「同じ色のユニフォームを着た」人々と喜びあった。


叫んで、ハイタッチして、また叫んだ。



ハイタッチをして人たちもまた、叫んでいた。



あの人たちは一体誰だったんだろう。



知る由もない。生まれも生い立ちも年齢も、何から何まで異なる人だ。




偶然隣にいた、言わば他人である。





でも、僕らにはたった一つ「川崎フロンターレサポーター」という共通点があった。



それだけで、十分だった。



それ以外、何も要らなかった。



あなたが何者かなんて、もう着ているユニフォームを見ればわかった。



僕たちは全員、全く別のアプローチでフロンターレを知り、興味を持ち、スタジアムへ足を運ぶようになった。




そして、人生におけるリソースのほんの少し


いや、もう少し



いや、半分くらいを



川崎フロンターレに捧げるように生きている。




そう。僕らの人生は川崎フロンターレによって彩られている。




ふと思うのだが、僕の人生は川崎フロンターレと出会わなかったら物凄くつまらない、質素なものになっていたかもしれない。



それでも、こうして川崎フロンターレと出会えたことで、毎週末「生きている」ことを実感する。



まさに、車屋紳太郎のゴールの瞬間、僕たちは生きていた。



呼吸をしていた。



自分自身の人生の「価値」をそこに示していた。




そんなことを感じながら、少しばかりの満足感と、大きな高揚感を胸に日産スタジアムを後にした。




帰路へと着く。

イヤホンからは、大好きなMr.Childrenの曲が流れてくる。



「ダーリンダーリン
いろんな角度から君を見てきた
共に生きれない日が来たって
どうせ愛してしまうと思うんだ」


ご存知の方も多いであろう。Mr.Childrenのしるしという曲。


この先、ライフスタイルの変化によって川崎フロンターレから一時的に離れてしまうことがもしかしたらあるかもしれない。


今みたいに、毎週末スタジアムに足を運べなくなるかもしれない。


ひょっとしたら、DAZNでリアルタイム視聴すら出来ない日々がやってくるかもしれない。


27歳。毎月のように結婚式に参列している僕は、最近そんなことを思う。




でも、だからと言って川崎フロンターレを嫌いになることはきっと無い。



川崎フロンターレへの関心が薄れることなんて、絶対無い。




小さい頃から、川崎フロンターレをいろんな角度から見てきた。




何回も泣かされた。大好きなチームに。何回も。




まだ、ギリギリ悔し涙の方が多いかな。




成人してから泣いた記憶は、全部川崎フロンターレだ。




そして、涙より数えきれないくらい多いであろう、喜びのガッポーズ、思わず頭を抱えた絶叫、心の底からデカい声で叫ぶ「フロンターレ」という誇り高きチーム名…



こんな経験、大人になってからなかなか出来るもんじゃない。




全部、川崎フロンターレが与えてくれているものだ。






僕は、川崎フロンターレと共に心を動かしている。


いや、突き動かされている。



だから、何があっても僕は「どうせ」川崎フロンターレを愛してしまうと思う。



僕の人生は、このクラブに乗っけてやろうと思う。この人生の、使える限り全てのリソースを。



カッコよくて、キラキラしていて、でもちょっぴり人間味のある、このチームに。全部捧げたいと思う。




何故なら僕は、川崎フロンターレと共に生きれない未来がやってきたとしても「どうせ愛してしまうから」





だからね。最初から。全部捧げる思いで。






さぁ神戸にも勝つよ。もう1回首位倒そうよ。

タイトル6つも取ってるけど、やっとエンジンかかって来たんだ。ここから大逆転できたらさ、この人間味、なんかフロンターレらしいじゃん。




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