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遺産分割協議書②

遠隔作業

前回の記事では、道路持分が曾祖父の持分のまま残っていることが発覚し、相続登記するために曾祖父の戸籍謄本を取得し、相続人の特定から始めることを書きました。戸籍謄本を取得するにあたり、本人または相続人からしか戸籍謄本の取得ができません。母親から申請すると言っても、知識に乏しい母に任せるわけにもいかず、申請書類を東京から福岡に送り、母に記入してもらい、役所へ郵送し、返信用の封筒にて受領する、この流れで進めることになってしまいます。
最初は母が住んでいる桂川町から北九州の役場まで車で行ってもらい、役場で母が直接申請して必要な書類を取得をしていたのですが、相続の対象者が3人(祖父、祖母、曾祖父)いると、細かい部分で想定と違うことが起きたり、何の書類を申請しているのかでミスもあったりが重なりました。小さいことのために車で何往復してもらうのも申し訳なくなって、郵送に変更しました。
また、途中からは筆跡が本人であることまでは求めないことがわかってきて、申請書類を私が代筆して東京から直接郵送で手続きをできるようになりました。役所の方々も、全国におそらくは同じような立場の人が多いためか、基本的に寛容で、丁寧な方々が多かった。ただし、申請者が母親なので、役所からの書類発送先だけは母親以外には不可能なため、書類はひとまず母の家に集約することになりました。届いた戸籍謄本を母親から私へLINEで送ってもらい、確認して次の作業に移り、という流れでちまちま進めました。

後妻登場

曽祖父が晩年に再婚をしていたことがわかり、母親含む親族全員びっくりという事態が発生。ずいぶん昔のことですので、その事実自体は比較的柔和に受け取られたのですが、これによって相続関係が激変してしまい、「他に相続人がいないのか」という観点の書類提出が必要になりました。
この時は、道路の所有権の持分のことでそこまでしなくても、、、という気持ちも出ましたが、勉強だと思ってきっちりやろうと考え、調査を進めてみることに。この段階で、現地の司法書士に代理人となって諸々の調査代行を頼むといくらになるか見積もりを取得すると、戸籍の状況にもよるがという前提で、「10〜20万円」と言われたので、代理人には頼まずに継続して自分で調べることに。。。泣
そこそこ長生きした曽祖父及び祖父と祖父母の、生まれてからほぼ全ての戸籍が必要となったため、南は宮崎から高知、北は北海道まで、点々と追いかけて戸籍を取得。その都度母とやりとりをし、その都度定額小為替という郵便局で買える謎の印紙を購入し、東京から福岡まで郵送をして手配を続けました。完全に探偵です。笑
結局、他に相続人はおらず、対象となる後妻の方の現在のお住まいの住所が奇跡的に判明したので、母に直接会いに行ってもらい、そこでもすったもんだはあったものの、手続としては完了。
おかげさまで、こんなことでもなければ知らなかった親族の居住遍歴を把握できることとなりました。笑 祖父母や曾祖父の激動の人生を、居住地情報だけではありますが、詳細に知ることができたのも、今となってはいい経験だったと言えます。

作業を終えて

一つ代を跨ぐと、大変になることは身にしみてわかりました。今後民法改正で相続登記が義務化されるということであれば、相続対象不動産がある方は登記の予備調査だけでもしておかれることを強くお奨めします。
土地と建物、道路それぞれの不動産ごとに遺産分割協議書を作成(この部分は司法書士の先生に委託)し、相続人(母と伯父と叔母の三人)に捺印をいただき、北九州の家の遺産相続手続きは完了。
委託した先生の方で、経緯をまとめた書類と戸籍の写しの整理をしていただけたので、経緯を全てファイリングされたものを保管できた。これはこれで本当によかったと思います。全ての郵送費や定額小為替の代金、戸籍謄本の発行手数料、相続登記費用などすべてを合計して、105,995円。所有権移転登記費用が83,410円(当該費用は相続をする上では必要費用)。戸籍などの調査費用は約2万円で済みました。代理人に頼むよりは、費用を抑えることができたと思います。
こうして、道路を含めた所有権について、すべて母親名義に移すことが完了しました。

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