INAXライブミュージアムへ。
先週末は日中17℃のポカポカ陽気。
まさにお出かけ日和。
てな訳で、少し足を伸ばして愛知県常滑市のINAXライブミュージアムへ。
常滑市といえば、中部の空の玄関・セントレアや日本六古窯の常滑焼で知られていますが、INAXブランド(現LIXIL)の発祥の地でもあります。
INAX!
思いつくのは水回り。
トイレ!お風呂!
そしてタイル!
昭和の台所のタイルなんか、とっても好きですね。
しかし私は軽度の集合体恐怖症もあるため….
期待と不安を抱えての初訪問でした。
結論として時間が足りなかった!
あんなに色々あるなんて聞いてない!
(下調べしなさい)
まぁ全ては自分のリサーチ不足とランチビールが原因なのだから仕方ないのですが、次回はもう少し早めに行くべき。
さて、今回の目的は…
おしゃれさん!です!
しかもこの日は講演会もあり!
エントランスからかわいいのです。
かわいいけど、みんな独特の渋さをもつ…
そこもまた良し。
この企画の面白い点は、このタイルからファッションを読み解くというところです。
例えば先ほどのオランダのタイルは1850〜1900年のもの。
しかし描かれた服装は17世紀のもの。
左の女性は黄色のブラウスを着ていますが、当時の庶民階級は黄色い服を着ることはなかったとのこと。
ではなぜ黄色の服にしたんだよ、と突っ込みたいところですが、タイルの彩色顔料が限られていたから。
この辺りに、キャンバスに描かれる絵画との違いを感じますね。
(ちなみに1850−1900というとフランスでは印象派の頃でしょうか。
全く異なるものですが、タイルの素朴さが愛くも感じます。)
そして次なるはイスラム圏のもの。
なんかすごい。笑
上の寝ている男性は顔に虫が止まっています。
横に立っている毛むくじゃらは、熊。その手には岩。
男性に「顔に止まった虫を追い払ってくれ」と頼まれている熊がとる手段は…(ご想像の通りです)
イスラムの寓話を描いたタイルですが、なかなかのインパクト。
展示の中でも、イスラムのタイルは描き込みも多く、明らかにヨーロッパとは異なり、印象に残りました。どことなく、中国っぽい感じもするんだよな。
展覧会を駆け足で見た後、急いで講演会へ。
今回は
「~イスラームのタイルから読み解く~ 人々の装いとタイルの魅力」
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所の神田特任助教のお話。
みっちり90分!
アラブ系王朝のサーサーン朝(7c)から20世紀まで、タイルとファッションを軸にイランの歴史を駆け抜ける濃密な90分間。
なんと各時代の陶器の技法まで!!!
先生の目の前に座ってしまったが、私はど素人!
必死についていきましたが、おそらく私の頭からは煙が出ていたことでしょう。
終盤は駆け足だったのですが、神田先生が発見したタイルの謎の解説。
畳み掛ける!先生、名探偵なの!?
そ、そこを詳しく!!!(そして90分の講義終了)
イスラム圏のお話ですが、やはり世界の歴史は繋がっているわけです。
美術史やるならやっぱ世界史勉強しないとな。
その一言に尽きます。
そういえば先生の講義の中で、驚きの事実が。
13世紀半ばのイルハン朝は、あのモンゴル帝国の侵攻により生まれたモンゴル系王朝。
その時代に中国風のモチーフがイランに入ってきたというのですから、展覧会での私の感想は、あながち的外れではなかったようです。
私の中のアジアDNAの勘も侮れない!
そんな勝手な思い込みで帰路に着いたのでした。
常滑は焼き物の散歩道もあり、これから暖かくなるとお出かけにピッタリ。
またリベンジしたいなと、思います。
駅から遠いので、そこだけ要注意⭐︎です。
追記
そうそう、今「常滑の岡本太郎1952」も展示されています。
常滑の岡本太郎といえば、「顔」ですね。
名古屋市での岡本太郎展とは毛色の異なる企画展ですので、おしゃれさんと併せて行くのはどうでしょう。