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「自由=特訓」、その先にある幸福論

umumアトリエを立川で始めて早1ヶ月。

「◯◯をつくろう!」
「▲▲の作り方を学ぼう!」

などの
具体的なプロセスやゴールのないこの企画。
「何をするのか?」に関して、しいて言うなら

「自由な自己表現をしよう!」

以上。


その価値には絶大な自信があるものの
実際にその価値が人に伝わらないと意味がありません。

でもこの講座は
開催中どんな作品が生まれるかわからない

作品の見本の意味がない

(最初は)内容を伝えるイメージ写真もない

なんとなく自己啓発色も強い

さらにわたしはカチッとしたキャラじゃない

あやしい?

こんなぼややーんとした告知で人が集まるの...?
といった具合で
最初は不安もありました。

が、しかし。

これまでの開催で
「で、一体何をつくるんですか?」などの問い合わせや
「何も作れなかった....」
「よくわからなかった」という反応は!!
毎回新規の方とリピーターさんがバランスよく参加してくださり
様々なアート講座を開催している工芸カフェさんの企画の中でも
人気の企画になりました!
ウンウンいいながら言葉を考えた甲斐があります。
思いは伝わるんだな。
すごくありがたい....涙

そんなわけで各回にテーマをもうけ
全8回のシリーズで展開しているumumアトリエ。
クレヨンやペンで描く抽象画をはじめ
様々な紙を組み合わせる平面構成
絵の具を使ったダイナミックな共同作業
そして今後は
想像力フル活用の絵本制作
観察力を研ぎ澄ますクロッキー
現代アート体験の彫刻制作など
各回テーマに合わせ、さまざまな表現活動をしています。

多種多様なプログラムですが
様々な画材や道具の中から選択し
それを自分の感覚で
自分なりに使ってみる

というプロセスは、毎回共通しています。
(もちろん道具の使い方や特徴など
疑問にはお答えしていますよ!)

この自由度の高いプロセスによって
参加者一人一人の方の持つ個性が
かーなーり、でます。



思い起こせば美大受験の時
受験生数十人が
同じモデルさんを描いているのに
表情も微妙に違うし
形の取り方や進め方も違う。
同じ木炭でデッサンしているのに
タッチも濃淡も違う。
画面全体からにじみ出る
その人の好きなことや苦手なこと
スピード感やくせなどなど
「作品って性格でるなー」
と実感したことが何度もありました。

誰が描いたのか知らなくても
なんとなく誰の絵なのかがわかる。

美術造形や塗装の仕事をしている時も
どのパーツを誰が作ったのか
どこを誰が仕上げたのか
察しがつくことがありました。
これは美術に携わるひとあるあるだと思います。
(ここにアート独自のコミュニケーションがあると感じていて
この研究も深めたいのですが、それはまた今度。)


それが、umumアトリエのように
「ありのままの自分で、自由に」する制作なら、なおさら。

道具や色の好みをはじめ
激しい線
優しい線
丁寧な線
ダイナミックな線
迷いのある線など
筆の運びや混色などから見える表現の特徴
道具の使い方
表現活動のペース
コミュニケーションの取り方
机の散らかり方
立ち振る舞い
などなど...

前回の記事にも書きましたが
たーくさんの要素から
「自分がまるごと出ちゃう」のです。

参加者のみなさんはこれを自然にやっていますが
これは多くの人にとって
かなり勇気のいる行為でもあります。

「ルールがある環境」って実はとても気楽に過ごせます。
決められた正解を目標に、ひたすら進む。
してはいけないことを避ける、道はだれかが作ってくれる。
困った時マジョリティの一部になれば
ひとまず人の目につかないし
認めたくない自分や、恥ずかしい自分を人にさらさずにすみます。

でも「自由」な場では、そうはいきません。
全部、自分次第。
正解も不正解も、自分できめる。
そのためにヒントを自分の中から探す。
「これはどうかな」
「これは、なんかちがう」
「これ、なんかいい!」
そうやって自分と何度も何度も、対話します。
さらに自己表現の場では、自分の答えを人に晒し
様々な人と交わり、共有することになります。
だからこそ、知らなかった自分に出会うこともできる。

こういう場って、日本ではまだまだ少ないような気がしますが
ある種、特訓のようなこの時間は
老若男女問わず、価値のあるものだと思います。

いろんなものが豊かになった今
「マジョリティ=幸福」の時代は終わり
人が求めるのは薄利多売が可能な一時的な幸福より
自分の奥の深いところに根ざす幸福へと変化している気がします。
そして、人の心を震わせるものは
やはり人の心の奥底にあるもの だと思います。


そんなわけでこれからも
みなさんの「ありのまま」を出しやすい環境と
自由を保障した場づくり
美術での表現活動はもちろん
観察や考察
言葉
などさまざまな手法で
たくさんのインタラクションのある時間を目指していきます!

!さらに!
自分がまるごとでちゃうumumの活動時間を生かし
umumアトリエに参加してくださった方々で、ご希望の方に
私の独断と偏見ではありますが、
開催中のみなさんの様子から感じたことを
個別にfeedbackとしてお送りする

というサービスをしています。

これがなかなか好評で。

あの2時間だけで、神髄を突かれたような感覚です。
こんなにも誠実に、わかりやすく、丁寧かつスピーディーに答えてくれるなんて思いもしませんでした。
心より感謝申し上げます。
umumさんは、観察力、分析力、推察力、表現力、文章力があって、経験値も高いとお見受けしました。
だから、その核心に触れた返信をいただいて、とても感動しました。
自然と声が漏れ出していましたし、笑みもこぼれました。
いろんな視点から現象やひとをみているんだなあと感心させられました。

などなど
かなりかなり私の独断と偏見なのですが
アートセラピー的要素もあり
とても喜んでもらえています。

ちなみにこのfeedbackサービス
2018年期間限定で
参加費に含まれておりますです!

なので参加していただいた方には無料で送信しています。
自己理解を深めたいかたなど
おすすめです。


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東京を中心に、いろいろなところで
アートワークショップやアトリエを開催しています。

<近日開催>
◆8/10(FRI) 19:00~21:00
おとなの感性をやわらかくするアトリエ
「umumアトリエvol.4 想像を創造しよう」

次回のumumは、形や色をヒントに
自分の想像を深め物語を作る
「絵本」の制作に挑戦します!
工芸カフェReaLence(立川駅徒歩3分)
※単発でのご参加も可能です!
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◇アートワークショップユニット コネルテ
障害の有無、年齢差、個性、感性もみんな「違う」ことを
アートを通じてこどもたちが体験する企画を開催中!
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