【国はどうしている?コンクリートのひび割れ補修】民間、一般住宅は自己判断です。慎重に!
こんにちは。
自動式低圧樹脂注入工法によるコンクリートのひび割れ補修専門店 フロッグ工房です。
今回は、国が公共の建築物のひび割れをどのように補修しているかについての記事です。
こちらは、公共工事の品質確保や効率化を目的として国土交通省が監修している「公共建築改修工事標準仕様書」(建築工事編)令和4年版です。
つまり、「公共の建築物を改修するときは、これを目安に工事しなさい」という統一基準となるものです。
自治体の庁舎をはじめ、自治体運営の学校やホール、体育館など数多くの建築物がこの仕様書に準拠した仕様で施工されています。
では、国土交通省は具体的に、どのようにひび割れを補修しなさい、と指示しているでしょうか。
以下のあたりに記載があります。
こちらは、工法選定フロー図です。(建築改修工事管理指針 令和4年版)
この図で、ひび割れ補修に関して見ていきます。
①まずは、ひび割れに挙動があるかどうかで分かれます。
ひび割れの挙動とは、ひび割れが継続的に動く、ひび割れ幅が頻繁に変動する、ということです。
例えば、周辺環境からの振動、地盤沈下、温度変化等が原因で、ひび割れは動きます。
②挙動がない場合(右へ)
ひび割れに動きがない場合は、ひび割れ幅によって工法を選定します。(3種類)
・0.2mm未満→シール工法/パテ状エポキシ樹脂
・0.2mm以上1.0mm以下→樹脂注入工法(自動式低圧樹脂注入工法)/硬質形エポキシ樹脂
・1.0mmを超える→Uカットシール材充てん工法/可とう性エポキシ樹脂
※ひび割れ幅は、下のようにクラックスケールで測ります。(写真は鉛筆の線)
③挙動がある場合(左へ)
上との主な違いは、0.2mm以上1.0mm以下のひび割れにおいて、Uカットシール材充てん工法/可とう性エポキシ樹脂によって行われることが多いことです。
Uカットシール材充てん工法とは、ひび割れに沿って幅1.0cm程度、深さ1.0〜1.5cm程度を削って、そこに曲がることのできるエポキシ樹脂を充填することによって、動きに対応する工法です。
さて、公共工事ではひび割れ補修はこのような指針で行われていますが、挙動のなないひび割れの②0.2mm以上1.0mm以下で施行される『樹脂注入工法(自動式低圧樹脂注入工法)』は民間のビル、マンションなどの鉄筋コンクリートの建築物、また、一般木造住宅の基礎コンクリートや擁壁(ようへき)等のひび割れ補修では、どれだけ採用されているでしょうか。
ひび割れ幅1.0mmというのは、実際に見るとかなり大きなひび割れです(Suicaの厚さがだいたい1.0mmです)。1.0mm以下に該当するひび割れ補修は多いはずです。
しかし、国の仕様に則った、ひび割れに樹脂を低圧で注入して密封する『自動式低圧樹脂注入工法』は残念ながら、一般的にはあまり知られていません。
工事店によっては依頼主の判断を介さず、表面の補修であるシール工法やUカットシール材充てん工法が行われていることがあるかもしれません。
ひび割れの中にエポキシ樹脂を充填することによって空気や水分の侵入を防ぎ、【強度を回復させる】のはこの『自動式低圧樹脂注入工法』だけです。
コンクリート構造物の補修対策施工マニュアル2022年版(国立研究開発法人土木研究所 )によると、Uカット工法(Uカットシール材充てん工法)は、
『注入工法とは異なり、ひび割れの一体化による構造的な補修ではないため、構造物建設時の性能までの回復は期待できない』
『注入工法と比べると、補修効果では見劣りするが、経済性から採用されることも多い』
とあります。
低圧樹脂注入工法よりも補修効果は劣りますが、経済面からUカットシール材充てん工法が選ばれることが多いようです。
民間では、どのひび割れ補修工法を選ぶかは自由、自己責任なのですが、上記の違いを知った上で判断できるのが良いのではと思われます。
お客様の大切な財産を削ってしまってからでは、遅いのです。コンクリートのひび割れ補修は早めに行うことによって建造物の寿命を延ばすことができます。
躯体を削らず、エポキシ樹脂を注入することによって強度を回復することができる低圧樹脂注入工法も、ぜひご検討ください。
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今回は、小難しいことを長々と失礼いたしました。
最後までお読みくださってありがとうございました。
低圧樹脂注入工法については、以下の記事にわかりやすく書いていますので、もしご興味がございましたらご覧になってください。
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