井筒勇一郎

『教育』に可能性を感じてます。 11月に子どもが生まれる予定。 note初心者です。 ■興味の射程 発達障がい者支援/政治/釣り/筋トレ/嫁が教育者/鬼嫁/FP・簿記/法哲学/ソクラテスメソッド/アドラー

井筒勇一郎

『教育』に可能性を感じてます。 11月に子どもが生まれる予定。 note初心者です。 ■興味の射程 発達障がい者支援/政治/釣り/筋トレ/嫁が教育者/鬼嫁/FP・簿記/法哲学/ソクラテスメソッド/アドラー

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教育と福祉の交差点を探る

 福島県いわき市で夏休みに事業所を見学させてもらった関係で、代表の方にお誘いいただき『発達障がいの子どもや大人が困っていることを理解し対処するためには』と題した講演・演習に参加してきた。  行動分析の話が中心だったが、途中、実際に自閉症児を抱える保護者の方や、事業所の職員の方々と話すことができ、その方々が抱える不安や悩みを聞くこともできた。その中で、就学前の保護者が学校への不安を語っていたことが特に印象に残った。  この論の結論を言えば、今後の普通学級と呼ばれるクラスで、

    • 最高の『振り返り』…「楽しい。あそびみたい。」

       ここ数年、特に算数の授業においては毎回、振り返りを書かせています。振り返りを実施することで、少なくとも前時との繋がりをもつことができること、子どもの理解度を確かめることができる(特に「わからなさ」を把握できる)ことなど効果を、実感できています。(教育の研究において意図的に「統制群」と「実験群」を設けることは、倫理に反するとして実施できないため「実感」と表現してます。)  そして、先週、その振り返りの中で『楽しい。あそびみたい。』という振り返りがありました。授業が楽しいとい

      • 現代の学級経営における最適解は…『選択』型学級経営である

        『自分で決める』力こそ子どもたちに身につけさせたい力  多様性を尊重した学級経営、保護者からの様々な要求、グレーゾーンの子どもたちへの対応…。現代の学級経営は、一昔前のある意味『力』によるマネジメントはかなり難しくなっています。初任者や若手教員ではなおさらでしょう。そこで、今回は「選ぶ機会を与え、決める」回数を増やすことで、学級経営が円滑になっていく可能性を示したいと思います。  例えば、ある児童が宿題でなかなか提出物がそろわない場合、決して怒ることはせず、翌日の宿題を「や

        • これからの『指導者』のあるべき姿とは

           先日、YOUTUBEで、元ラガーマンで現在パワーリフティングの選手として活躍している信田泰宏さん(@yasuhiroshida)が過去のスポーツ経験を語る映像を観た。それは、ただのスポーツに関する動画では決してなく、自分は『これからの指導者のあるべき姿』に関する一提言として、重く受け止めた。 彼のスポーツ経験と現在 彼は小学生から15年間ラグビーをしていた。中高は主将を努めるほどの実力者であった。しかし、彼は言う。「好きでやってたはずのラグビーがいつの間にか嫌いになってる

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          初任者教員が抱える悩みを聞いて考えたこと #先生大変

          『悩む』とは? 今週は先生方が参加する勉強会に飛び入りで参加させていただき、多くの初任者の悩みを聞く機会があった。  『評価の付け方がわからない』『効果的な座席の配置とは?』『社会科の学習問題を立てる方法とは?』『コーディネーターになるには?(発言を繋げる立場になるには?)』『クラスを落ち着かせるには?』『会話をつなげて授業をするのは?(聞いているだけの子への対応とは?)』『文章指導で子どもたちの考えていることを引き出すには?』…等々。  それぞれの疑問に、これまで多くの

          初任者教員が抱える悩みを聞いて考えたこと #先生大変

          学級担任が『マネジメント―基本と原則―』を読んだら

           ドラッカーは、マネージャーに選ばれる人間について、それはそれは厳しい発言をしている。  『真摯さなくして組織なし』の部分において、彼は、「(真摯さは)すでに身につけていなければならない」という身も蓋もない表現で「真摯さ」の重要性を説く。  「真摯さ」の定義は難しいが、マネージャー失格とすべき真摯さの欠如を定義することは難しくないとして、次の5つを挙げている。  マネージャーを学級担任と読み替えて、この5つについて雑感を記したい。 ①強みよりも弱みに目を向ける者をマネージャ

          学級担任が『マネジメント―基本と原則―』を読んだら

          サウナ遊戯 ―副作用のないドラッグ―

          『ととのう』…サウナー(サウナを好む人たちのこと)の間で当たり前のように使われるこの言葉。サウナで得られる『ととのう』という感覚を味わいに多くのサウナー達は毎日のように灼熱地獄に身を投じる。  そんな自分も、気が付けばサウナーとなっていた。  最初はサウナも水風呂も嫌悪していた。子どもの時から湯の温度は38度くらいが心地よかった。よく熱い風呂に水をつぎ足し、親に怒られたものだ。そんな私としては、わざわざ何分間も熱された空間に入る意味など到底理解できなかった。そんな辛い思い

          サウナ遊戯 ―副作用のないドラッグ―

          『尖った部分』を生かした学級経営

          『群れ』と『チーム』 ゴリラ研究の第一人者、京都大学の山極教授によるとチームを形成するのは人間だけだという。他の動物は『食』と『性』を共有するためであり、何らかの目的をもち協力し合っているわけではなく、一緒にいるのは環境に適応するよう行動してきた結果だという。  学校現場では、新しくクラス替えをすると、『チーム』というより『群れ』の要素が強い。それぞれのベクトルはそれぞれの方向を向いている。しかし、時間が経つにつれ、『群れ』は、何らかの目標を共有し『チーム』となっていく。所

          『尖った部分』を生かした学級経営

          原因論と目的論 ーアドラー心理学から学ぶー

           「アドラー心理学」は、オーストリアの精神科医であるアルフレッドアドラーが理論化し、体系化したものである。それは、『目的論』に基づいた考え方であり、人によっては苦しく受け入れがたい考え方である。  例を挙げた方が分かりやすい。例えば、赤面症の女性がいたとする。その赤面症の女性がアドラーのもとを訪ねていき、「この赤面症を直したい。」と言ったとする。アドラーは問う。「なぜ、赤面症を治したいのですか?」女性は言う。「ある男性に告白をして付き合いたいのだが、この赤面症で勇気が出ない

          原因論と目的論 ーアドラー心理学から学ぶー

          相手への想像力って…すごい大切だと思うんです

          『“経験しないと分からない”ということを分かっている』かどうかが、相手への想像力(優しさ・謙虚さ・寛容さ)に繋がるのではないか?という少しややこしい話。   アメリカンフットボールの公式戦では、会場が東京のため前日に東京のホテルに宿泊し、翌日の試合に臨んでいた。夜、一人風呂に入りながら、またベッドに横になりながら、『明日の試合の中で脳しんとうを起こし、還らぬ人になるのではないか』という恐怖と戦いながら翌日を迎えていたことを思い出す。会場入りからのタイムスケジュール、動きの動

          相手への想像力って…すごい大切だと思うんです

          ネットゲームでのトラブルって…先生が解決するの?-責任の所在について-

          ---------------------(結論)----------------------(1)家庭でのネットゲーム使用制限に関しては親に責任があり、学校は啓発に留まる。(2)(現に目の前に悲しい思いをしている子どもがいるという意味で)ネットゲームによって生じた子どもたちのトラブル解決の一端を教師が担う責務がある。--------------------------------------------------(1)家庭でのネットゲームの制限に関しては親に責任があり、学

          ネットゲームでのトラブルって…先生が解決するの?-責任の所在について-

          システム回って、社会回らず ―人の世は生きにくい―

           先月、プロレスラーであり芸能人でもある女性が自ら命を絶った。また、先日は男性俳優が自宅で亡くなっているのが発見された。その原因は、完全に特定されているところではないが、前者はSNSおける誹謗中傷などの書き込みが原因とみられている。誹謗中傷を受けて、平静でいられる人の方が少ない。多くの人は心理的なダメージを受ける。 個人の自由ではない!? 先日、別のことでインターネットで資料を探していたところ、内閣府から出ているもので興味深いデータを見かけた。それは「他人に迷惑をかけなけれ

          システム回って、社会回らず ―人の世は生きにくい―

          『コンプライアンス!』『法令順守!』って簡単に言うけど、遵法義務はもうちょっと深い意味があるみたい…

            法律を扱うのは弁護士の資格であり、その弁護士資格は最も難しい(と言われる)司法試験を通過する必要がある。そんな難しい試験なのだから、法律の勉強は難解で、私のような庶民が学べるものではないと思っていた。  しかし、立教大学法学部教授の瀧川裕英さんの著書『問いかける法哲学』を読み、その考えが大きく変わった。確かに法律自体、難しいものではあるが、「哲学する(考える)方法論」は他分野も同じであり、古来より立法するにあたって培われてきた法哲学の「思考方法」は十分に転用可能なもので

          『コンプライアンス!』『法令順守!』って簡単に言うけど、遵法義務はもうちょっと深い意味があるみたい…

          子どもも保護者も、とてもストレス抱えています…もちろん先生方も…

           このコロナ禍で生活様式は一変し、様々な変更を余儀なくされている。マスクの着用、不要不急の外出の自粛、密集・密接・密閉の回避。これまで当たり前にできていたことができない状況が続き、子どもはもちろん保護者も大きなストレスと抱えている。  3月から6月の自粛期間は、家でのんびり過ごすというよりも、「~してはいけない」という制限が加えられていた。これはものすごいストレスがかかると聞く。さらに、コロナウイルスにかかるかもしれない、いつ終わるのかわからない、テレビをつけるとネガティブ

          子どもも保護者も、とてもストレス抱えています…もちろん先生方も…

          「あいつのせい…」「わたしのせい…」という思考法だけじゃない、『中動態』という思考法…

           特別な支援を要する児童がいる学級で注意が必要なのは、その特別な支援を必要とする児童以外の子どもたちへの対応である。  一人の特別支援の児童がいるクラスが、その他の子への対応のミスで崩壊していくという話はよく聞く。人一人ができることは上限があり、時間も資源も限られた中で全てのことに配慮をすることは不可能である。学級をお持ちの先生なら、思い当たる節があるのではないだろうか。  さらに、児童指導、保護者対応の時間が増えれば、必然的に学級事務、学年事務、校務分掌に割く時間は少な

          「あいつのせい…」「わたしのせい…」という思考法だけじゃない、『中動態』という思考法…

          授業において、自由な議論を抑制・阻害する要因とその対処…

           自由に意見を交わすことを、先生方は子どもたちに求める。  しかし、教師が前に出れば出るほど、子どもたちは教師が何を考えているかを忖度し、先生に認められる、気に入られる意見を考え出す。しかも、意見を出す子どもは忖度できる子どもに限られる。これは自分が子どもだった時を思い返してもそうだろう。   そんな時の一つの方法論を提示したい。   例えば「やまなし」の授業。宮沢賢治のその豊かな表現力と比喩を国語として読み解きつつ、授業の最後には全体を俯瞰して、「そもそも宮沢賢治は『

          授業において、自由な議論を抑制・阻害する要因とその対処…