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トマトジュースの原体験

幼い頃は生野菜全般が苦手で、食べることができるのはせいぜい千切りキャベツとレタスくらい、キュウリもトマトも食べず嫌いで避けていた。

トマトジュースと最初に出会ったのは高校生のころ。学校サボって先輩大学生の自宅に転がり込んでいたとき、その先輩の同級生、大学は中退したのかなんだったのかすでにスーツ着て働いていた別の先輩が前夜深酒をして二日酔いなのでちょっと仮眠させろと隣の部屋で寝ていた。

11時ころだったか隣の部屋からゴソゴソ起き出して缶入りトマトジュースをパカッと開けて氷を入れたグラスにドボドボドボッて注いでキューッて飲み干して「行ってくるか!」と仕事に出かけていった。その流れるような所作が妙にかっこよく感じてトマトジュースに興味が湧いた。大人の飲み物だなと。

それでもトマトジュースに手が伸びることはなかった。

2度目の遭遇は上京してしばらくしたころ。19かハタチ。中野坂上の路地を入ったところにあった「なかのや」という居酒屋。カウンターにお惣菜が大皿で並んでるお店。店の端っこで店主の娘だろう、小学生の女の子が宿題しているような店。

常連が揃って飲むのが「トマトハイ」。焼酎をトマトジュースで割った飲み物。興味本位で注文してみた。

これがおそろしく飲みやすくて一気にハマった。二日酔いを覚ますための飲み物で焼酎割るってなんかややこしい気もしたけど。

「なかのや」は中野坂上の再開発で立ち退き、今はでっかいビルがそこにある。お店手伝いながら宿題やってた女の子もアラフィフか。元気にしてるかな。

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桑原和弘/100年経営理念®/陽明学/幕末好き
世界のゴキゲンが増えるといいなって考えたりしゃべったり書いたりしてます。ありがとうございます。