俳句(終戦日)
弾片と生きた祖父逝く終戦日
だんへんといきたそふいくしゅうせんび
祖父は激戦地、祖父の言葉を借りると、仏印(現在のベトナム)
ナンシ(南中国)で戦い、太ももには撃ち込まれた弾片をかかえたまま、
帰国しました。栄養失調で、歯を失い、マラリアにも罹っていて、
別人のようだったそうです。
腿の痛みがゆっくりと麻痺にかわり、寝たきりになって亡くなるまでの戦後
40年は祖父にとって「戦後」ではなかったのでは、と思います。
ずっと闘っていた・・・亡くなった日が祖父にとって終戦日だったのだろうと。
今日はそんな祖父を思い出す日です。
終の文字泣くにも見えて終戦日
しゅうのもじになくもみえてしゅうせんび
全く違う文字なのに、ふとそう見えてしまったのです。
失った家族を思い、また、現実にまだ戦いの真っ只中の人たちも
泣いている人のなんと多いことか。
本当の終戦日はいつ来るのでしょう。
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