忘れられないあの人・俳句3句
残された毛玉ふわりと秋の風
のこされたけだまふわりとあきのかぜ
掃除をしていたら、チェストの後ろから5年前死んでしまった愛犬の
毛玉がふわり、と舞い出てきた。ちょっと寂しい秋の風にふわりと舞う毛玉
会いたいなぁ・・・風助!
あの角から姿見せてよ秋の窓
あのかどからすがたみせてよあきのまど
亡くなったあの人はあの角を曲がって帰って来た。
もう帰って来ないとわかっているのに、窓からあの道を眺めてしまう。
秋の窓、という使い方は季語としていいのでしょうか?
最初
亡き人を探す窓辺に秋夕焼け
という句をつくったのですが、どうもピッタリ来ない。気取っている。
それでこんな句にしました。
縫い取りの君の名撫ぜる秋思かな
ぬいとりのきみのななぜるしゅうしかな
亡き人のコートを処分しようかと、上着を見ると、内ポケットの裏に名前の縫い取りがあった。そっと撫ぜてみる、という句です。
秋思、という季語は秋のころの物思い、という意味だそうで使ってみました。
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