鋭利なチクワ
不思議な現象が起きた。多くのお年寄りの認知症の症状が軽くなったのだ。怒鳴ったり、妄想に取りつかれて「財布を盗られた」などと騒ぎ立てることもなくなった。
明真大学脳神経内科病理学研究室の朝田教授は、認知症の人の脳細胞に変化が起きていることを発見した。不思議な形をした細胞が突然変異であらわれ、それにより認知症が画期的に改善されたのだ。その細胞をワクチン化させて他の認知症患者に注射してみると効果抜群、たちまち大量生産され日本中に広がった。
さらにその注射を打たれた老人と接触した介護者たちにも効果が表れた。皆穏やかに微笑さえ浮かべて介護する。ベランダから認知症の老人を突き落とすなどという事件は過去のものになった。
朝田教授の論文にはこの謎の細胞についてこう書かれている。
人の尖った心に突き刺さり穏やかに変化させるこの細胞はチクワを斜めに切ったような尖った形をしている。鋭利なチクワから、エイリチクワクチンと名付けた、と。
おわり(411文字)
たらはかにさんの企画に参加させてください。
たらはかにさんお手数おかけしますがよろしくお願いします。
こんな無理やりなお話、通用するでしょうか?😅
でもこんなことあったらいいな~
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