今日も空がひろい。それだけで、もう、いいじゃないか。
「今日も空がひろい。それだけで、もう、いいじゃない」
この言葉を書くために、いま、書きはじめました。
そして、書きたい言葉を書けたので、あとは全部おまけみたいなものです。
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「あなたって人に怒ることあるの?」
そんなことを真面目に聞かれるくらいには、おだやかな人間に見られているようです。
実際のところはわからないけれど、自分としても、人にイライラすることは少ないかな、と思っています。
でも、イラついている感覚はしょっちゅうある。人にイラつかないなら何にイラついているの?と自問してみれば、たいてい、自分にイライラしています。
もっと言えば、思ったよりもうまくいっていないことへのイライラです。
自分に期待しすぎるんでしょうね。
今日はこれぐらいまでできるはず、と思ったことが終わらない。
気分よく1日を始められるはず、と思っているのに心がどんよりと重いまま。
他人に対してはゆっくりでいいよと言えるのに、自分には期待しすぎてしまう。自分のことほど、見誤ってしまうのはなんなんでしょうね。
理想と現実が離れているとき、うまくいかないもどかしさがイライラとなってあらわれます。
あまり、よしとは思えない状態です。
そんな心持ちのまま、今朝、自転車で会社に向かっていました。
片道15分ほどの通勤時間。
車で行ってもいいのですが、寒い日こそ、動いて体をあっためようとマッスル思考で自転車をこいでいます。
意外と、着くころにはマフラーを外しちゃうくらいにはあったまるんですよね。
冬の空気がきらいじゃないことも手伝って、なんだかんだと自転車通勤を続けています。
今朝もいつものように、住宅街をとおり、通学中の小学生を追いこして、空き地に続く道を曲がった時、空が、ひろいことに気づきました。
住宅街の合間に田んぼが残るような、高い建物ひとつないのどかな土地です。
ちょっと目線を上げれば空が広がっていて、その空はきっと、昨日も、その前の日も、もっと前から、変わらず広がっていたんです。
今日も、空がひろい。
もう、それだけでいいじゃないか。
そう思えた時、心にわだかまるイライラが、薄くなった気がしました。
見入るような朝焼けでも、目が覚めるような青空でもなかった。
雲も多く、どちらかといえば冴えない天気だった。
でもそんなことは関係なく、ただただ、空のひろさに「もう十分」と思えてしまったのです。
その時ようやく、自分は自分に期待しすぎていたんだなと気づきました。
どこへ行くにも、小さな1歩でしか進めないのに、車のように早く行かれないことが不満だったのです。
もしくは、もう十分なはずなのに、何かが足りないと、もっと得られるはずだと欲しがっていたのです。
ほんとうは、そんなことないのにね。
もう十分と思えたなら、あとの残りは全部、おまけなのかもしれません。
おまけなんだから、期待しすぎなくていいのよ。
全部、できたらラッキーぐらいの気持ちでいいのよ。
今日も空がひろい。それだけで、もう、いいじゃない。