【読書メモ】恋愛的瞬間/吉野朔実
昨日、昔読んでいた漫画をAmazonで検索していた。
そして、偶然見つけたのが、こちらの漫画。
↓『恋愛的瞬間』/吉野朔実
「すべての幸福は恋愛的瞬間から始まる」という、心理学博士・森依四月。彼の恋愛クリニックを訪れる患者は、皆風変わりで…。
(Amazon紹介文より引用)
心理学博士の森依四月と、彼のクリニックの受付として働く大学生:ハルタを中心に物語は進んでいく。
文庫版で全3巻なので、さくっと読めると思います!
すぐに読み終えられるけれど「この台詞ってどういう意味なんだろう」と深く考えさせられる作品。
こういう短編は読むタイミングによって、お気に入りの話が変わる気がする。
読書メモとして、今回気に入った5話を紹介していきます!
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①第4話:適材適所の男
文庫版の第1巻に収録されている『適材適所の男』
とある男性を巡って集まった(集められた)6人の女性たち。
印象に残った台詞は以下の通り。
たくさんの女が好きだと言うよりも自分の役に立つたくさんの能力が好きなのよ。
適材適所、それぞれの能力を見分ける力と生かす方法をよく知っている。
自己愛のかたまり。
どの女性とも彼女らの一番良い所とだけつき合いたいと言うあなたは恋多き男でもなければ、正直者でもない。
端的に言ってただの欲張りな子供です。
決して自分に向かって言われたわけではないのに【ただの欲張りな子供】という箇所が突き刺さった。
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②第6話:恋をしたことがない
文庫版の第1巻に収録されている『恋をしたことがない』
タイトル通り”恋をしたことがない”女性:ヨルが出てくる。
ヨルが他人を大好きになることについて、ハルタに問いかけると…
ただ彼女だけが俺を優しい気持ちにさせるんだよ。
俺に優しくすることを、俺は彼女にだけは許すんだよ。
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③第8話:恋愛的友情
文庫版の第2巻に収録されている『恋愛的友情』
ハルタとハルタの高校時代の友人:司の物語。
恋愛はあらゆる抵抗に打ち勝つ相思相愛の力。
友情は相思相愛でありながら、抵抗によって達成できない擬似恋愛関係。
(中略)
逆を言えば、抵抗があるにもかかわらず気持ちのベクトルが向き合っている人間関係と言ってもいい。
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④第16話:六月
文庫版の第3巻に収録されている『六月』
ハルタと、森依の妹:六月の物語。
自分は違うと思っていた。
間違えたりしないと思っていた。
自分が信用ならないなんて知らなかった。
人は好きなものを手に取るとは限らない。
好きな女にハマるとも限らない。
傷つけば傷つくほどあなたは私から離れられなくなる、やめられなくなるのよ。
だってあなたが私に求めているのはそういうものでしょう?
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⑤第19話:お姫様の事情
文庫版の第3巻に収録されている『お姫様の事情』
小説家:園屋雪絵が登場する。
恋愛も結婚もひとりでは出来ません。
相手の望みをかなえてやることが自分の幸福であると考えられることが二人であることの幸福です。
人生はあてにならない。
でもなんとかなる。
お姫様達はきっと乗り越えてゆくだろう。
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分かったようで、分からない。
掴めたようで、掴めない。
きっと時間が経ったら、読み直すと思う。
吉野朔実さんの他の作品も読みたい。
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