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初期研修医必見、後悔しない診療科選択のススメ

初期研修医のみなさん、これを読んでいるあなたはそろそろ専門とする診療科を決める時期になっているのではないでしょうか?

何を基準に診療科を選びますか?
興味がある診療科の中から労働条件や将来性等を考えて診療科を選ぶと思います。
重要なのは興味>労働条件となっている人が多いと言うことです。

ここで伝えたいのは、興味を優先して診療科を選ぶのは危険で興味がなくなってもできる診療科を選ぶべきと言うことです。

そもそも興味というのは移り変わりやすい物です。子供の頃にハマったゲーム、高校生の頃にハマった音楽、大学生の頃にしていた部活など今も変わらず好きなままですか?
そのまま続いている人もいるかもしれませんが、多くの方は年齢を重ねるとともに考え方も大人になり、興味も変わっていくのではないでしょうか?
診療科選びも同じで、医師として年数を重ねていくことで成長するに伴い興味が変わる可能性もあります。また、先輩達が生き生きと働いているのをみて、かっこいいと思うこともあるかもしれませんが、それはその診療科に結果的に適正があってうまく適応できた人である生存バイアスがかかっていることを念頭に入れておかないといけません。

また、いくら興味があっても低賃金、長時間労働、雑用も非常に多く、扱いも雑な労働環境で長期間勤務できるでしょうか?
結婚や子供が生まれるなどライフステージが変化しても、今と同じように働き続けることができるでしょうか?

興味がなくなって、かつ、労働条件も悪いではもはや地獄ですよね。
一方で、興味はないが、労働条件がいい場合はいかがでしょうか?
労働の目的はやはり賃金を稼ぐことなので、興味はなくとも、少々嫌な仕事でもそれに見合っただけの十分な対価がもらえていれば続けられるのではないでしょうか?
また世の中の大抵のことはお金で解決できるため私生活でライフステージが変化して問題が起きても大抵のことは解決できます。私生活が充実するとそれが仕事にもいい影響を与える好循環にもなります。

興味がなくなっても続けれる診療科、つまり労働条件を優先して選べということです。

筆者は精神科医ですが、精神科には全く興味がありませんでした。初期研修医の頃は外科医、救急医になりたいと思っていました。しかし、労働条件を優先して精神科に進みました。
精神科に全く興味がなかった私でも続けられたのは、大学病院時代ですら定時帰宅可能で、また、バイトもたくさん行けるので収入も保証されておりコスパがかなりよかったです。また、民間病院へ移った後は言わずものがな好条件です。
今の状態で結婚しようが、子供が生まれようが多少当直を整理する程度でそれほど大きな変化はなく勤務できると思います。
興味は全くありませんでしたが、当初は仕事と割り切って勤務していました。
実際にやってみると精神科は意外と興味深く、適正もあったのか今では問題なく診療できていると思います。
興味は後からでも湧いて来ることもありますし、条件がよければ、興味がなくても仕事と割り切って続けることができます。

もちろん全てを犠牲にしてでも24時間365日仕事に捧げますという崇高な信念をお持ちの先生を止めるものではありません。そのような素晴らしい先生方のおかげで私のような若輩者でも医師を続けられているのは事実ですからね。しかし、多くの人はそんなに強くはありません。

このように、労働条件さえ整っていれば、興味が全くない診療科に進んでも後からなんとでもなります。それが興味がある診療科であればなおいいですけどね。

繰り返しになりますが、興味を優先して診療科を選ぶのは危険です。興味がなくなっても続けられる労働条件がいい診療科を選びましょう。

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