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[書評]『白』/原研哉(中央公論新社)

無印良品のアートディレクターを務める他に、森ビルや蔦屋書店のコンセプトを生み出したデザイン界の巨匠・原研哉が、「白」という概念の捉え方を見出す。『白があるのではない。白いと感じる感受性であるのだ。』白を単なる色のひとつと考えるのではなく、色の不在による空白とみなし、そこから生み出される創造に着目している。また、不可逆性を孕んだ白い紙、空白に価値を見出した日本の文化を、「白」がもたらす印象に照らし合わせて考察している。本書は、無意識のうちに白色から受けていた感触を言語化することで、「白」に対する感受性を大いに研ぎ澄ます一冊である。(T)

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