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東京ゲームダンジョン6、今後出展したい人目線で行ってみた

2024/10/27に開催されたインディゲームの人気イベント、東京ゲームダンジョン6に行ってみました。

自分も最近Steamでゲームを出したので、本当は出展側で参加したかったのですが、タイミング的に間に合わなかったのと、ゲーム関係のこの手のイベントに行ったことがなく、何も勝手がかわらずに出展すると痛い目にあうようなと思ったので、今回は視察がてら参加者として楽しんできました。

印象に残った作品

10個以上は試遊できたのですが、面白かったものやインパクトがあったものを3つ紹介します。
(面白そうだったのに、試遊枠が埋まっててとうとう最後まで遊べなかったものもあるんですが・・)

雨夜行

門田めいあさんという方の「雨夜行」という2D和風アクションゲームです。

僕はアクションゲームは全然得意ではないのですが、少なくとも体験版の範囲は非常にサクサク進めて快適でした。
なんなら「自分、意外とアクションゲーム下手じゃないんでは?」と勘違いをしてしまうほど・・笑
(実際にはそうでなかったということは、その後いくつかアクション系のゲームに挑んでことごとく途中でやられてしまい、出展のお兄さんに気の毒そうな顔をされたことで改めて自覚しました。)

自分はいまだにレトロゲー作ったりしている時代遅れ人間なので、現代的な派手なアクションには抵抗を感じてしまうのですが、和風というコンセプトもあってビジュアルもコテコテしておらず、その点でも心地よかったです。

まあ、さくさくクリアできる=良いことなのか?というと必ずしもそんなことは思うのですが、やっぱり特にアクション系のゲームとなればストレスを発散したくで遊ぶはずで、あまり上手でないプレイヤーでも爽快感を得られるというのは、少なくとも序盤の設計としては正しいと感じました。

それから、ここのブースはお姉さん2人でやってまして、うち1人の方がずっとブース近くにいるお客さんに丁寧な挨拶をされていたのが印象的でした。
すごい数のブースが出ているので、ブースの中の人の丁寧さといったちょっとしたポイントでもかなり差別化できるもので、自分が出展側に回ったら愛想良くしないといかんなぁ、と当たり前のようなことにも改めて気づかされました。

エレマスタ(ELEMASTA)

最近Xでタイムラインに流れてきて、かなりの人気を博している様子。気になっていたので会場で遊んできました。
現在Steamでは15分タイムアタック的な体験版を配布していますが、東京ゲムダンでは10分制限でした。
RPGで10分て、とちょっと思ったのですが、実際には最初にあれこれ迷わなくてもすぐに探索に出かけられるように上手なUX設計がされているので、ゲームの内容を感じるには十分でした。
なんというか、個人制作/インディゲーだとものによっては「これ大丈夫かな・・」と最初不安を感じたりもするのですが(僕なんてSteamにアップしたバージョンが何度バグってたことか)、この作品は圧倒的に安心感がありました。

ロポコ

会場でひときわ異彩を放っていたのがこれ。
MZ-700という40年も前のマシン(ほかにも同じMZシリーズがいくつかありました、自分には全然わかりませんが・・)を持ち込んでおり、令和ビジュアルの華麗なゲームが並ぶ中、逆にめちゃくちゃ目立っていました。

僕は本家のアドベンチャーのほうではなく本家のミニゲームから派生したというパズルゲームのほうを遊ばせてもらったんですが普通に面白くて、ゲームは派手だから楽しいってわけではないんだよね、と実感します。

作者さんも熱っぽく「これはねオールアセンブラで書いているんです、BASICだとさすがに遅くて。あ、でもMZ-700はグラフィックがテキストベースなので意外と早んですよ、X1より早いくらい」などと語ってくれて(←僕に知識がないのでちゃんと理解できておらず内容間違ってたらごめんなさい)、愛するマシンを愛し続けるのがとても良いよなぁ、と思いました。

意義のある出展にするために

今回の出展数は170以上あったそうですが、僕の滞在時間は3時間ちょっとで、一部除いて気になった作品には一応触れられたかな、くらいの感じでした。

それにしても、この数の中から「この作品はよかったよね!」と多くの人に注目してもらうのはかなり難しそう。

自分が回った時の感覚から、こういう点はクリアしておいたほうがいいなと感じたことを備忘兼ねて挙げておきます。
といっても、出展慣れしているサークルさんなどには当たり前の話ばかりかもですが。

事前に知ってもらう

僕の場合、とりあえず会場に着いて圧倒され、最初のうちはまずはXなどで見かけたことがある名前を探しました。
前述のエレマスタなんかはそれですし、ロポコもXで見かけたことがありました。

見かけた段階では特別に興味を引かなくても、見かけたことがあって少しでも印象に残っていれば、会場で見つけたときに「あーこれ、見たことあるやつ!」となるので、その場で初めて見るよりちょっとしたアドバンテージになりそうです。

スタッフは2名(以上)、できれば女性も

スタッフ1名・試遊枠1台で応対している出展者さんも多数いらっしゃいましたが、試遊していると1:1で向かい合って自分がゲームしているところをただただ出展者さんに見られている、みたいなシチュエーションが生じがちで、ブースによってはちょっと居心地悪く感じてしまうこともありました。

スタッフ2名・試遊枠2台体制だとなんとなくその変な空気の濃度も薄れる感があるので、圧を気にするタイプの参加者さんには安心感があるかもしれません。

あと、参加していて少し意外だったのは女性参加者もけっこう多かったのですよね。
もっとおっさんや目がギラついたお兄さんで溢れかえっているかと思っていたのですが(失礼だな!)、男女比4:1〜5:1くらいの感じで、どこにいても女性が浮いているような印象はなかったです。

ということも考慮すると、スタッフ側のうち1人は女性か、せめて清潔感のあるお兄さんのほうが女性ゲストにも抵抗なく入ってもらいやすいかなと思いました。

10分で中身がわかって、迷いなくプレイできる体験版を

みなさんたくさんのブースを回りながら次々とゲームを試遊していくので、10分程度でしっかり遊べて、操作方法などにも迷わないようチュートリアルやゲーム内ヘルプを丁寧に作るということはとても重要です。

今回本当に感心した点なのですが、みなさんここがとても上手で、遊んでみたけど何が何だかわからずに終わってしまった、という作品が1つもありませんでした。

いまどきもはやこれくらいはインディゲームの常識なんですかね。
逆に言うと、これができていないゲームは「明らかに見劣りするゲーム」とみなされてしまうなと感じました。

プレイ後に思い出してもらう

ほとんどの人はたくさんの作品に触れて帰るので、家に帰って名刺やらチラシやらを見たときに「あーこれ、面白かったな。Steamのウィッシュリスト登録しておくか」と思い出してアクションしてもらいやすいように工夫したほうが良さそうだと感じました。

僕もいま目の前に名刺やチラシがたくさんあるのですが、中には名前や連絡先だけ書いてあってゲームについては触れていない名刺もあり、正直なところブースにいる人の名前をいちいち覚えてはいないので、「なんだろうこの名刺の人の作品・・」と思ってしまったりします。

ゲームのスクリーンショットや、明らかにそのゲームを思い出せるイメージが張られた名刺やチラシが有効だなと感じました。

2024/10/28追記:
上でご紹介した「雨夜行」の出展者さんが書かれた記事に、出展者目線で「やってよかったこと」などの内容があり参考になりましたので、こちらもリンク貼らせていただきます。


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