【鉄過剰】鉄分のとり過ぎとは、どんなものなのか?
出典:https://pixabay.com/ja/
どうも♪たむ(@tam_tamco25)です^^
「鉄過剰」というワードを聞いたことはありますか?
当ブログでは、鉄不足についてたくさん記事にしていますが、鉄分をとことん取ればいい訳ではありません!
鉄分が体内に多すぎても危険なんです><
今回は、そんな「鉄過剰」の危険性と対策についてお紹介したいと思います。
「どうして貧血の治療は定期的にしなければならないのか!?」についても迫っていますので、最後まで読んでいただけたら嬉しいです♪
貧血治療は、最低でも6ヶ月は継続すべきものです▼
>>貧血の治療を中断するとどうなるか?|すぐに治るはずない理由
「鉄過剰」ってなに?
日本女子の50%以上は鉄不足状態で、鉄不足となっている方はもちろん多いのですが、中には鉄不足じゃない人もいます。
実は、そんな鉄分が身体にいっぱいになってしまった時、体内の臓器を攻撃してしまい、肝臓・心臓・腎臓などの臓器が機能しなくなってしまいます。
これは、がんや認知症、肝臓疾患、心疾患、腎疾患などのリスクになります。
貧血持ちの方は『鉄剤飲んでいるけど大丈夫かな?』と思うかもしれません。
メカニズムを理解すると、安心して治療に挑むことができますよ^^
ここから、鉄過剰についてポイントを2つご紹介していきます!
ポイント1. 鉄過剰を注意しないといけない人
注意が必要な方は、以下のような方です。
鉄欠乏症は、成人男性や閉経後の女性にはあまりみられない。このような人は、医師から処方された場合を除き、鉄過剰症のリスクが高まるため鉄剤を摂取してはいけない。
(引用:Burke W, Cogswell ME, McDonnell SM, Franks A. Public Health Strategies to Prevent the Complications of Hemochromatosis. Genetics and Public Health in the 21st Centry: using genetic information to improve health and prevent disease. Oxford University Press, 2000.)
このように、鉄過剰のリスクがあるのは月経のある女性の反対で、「成人男性」と「閉経後の女性」です。
そうはいっても、鉄過剰というのはそんなカンタンになるものでもありません!
鉄過剰症という病気の原因の多くは、再生不良性貧血や骨髄異形成症候群などの難治性貧血疾患の方が、赤血球輸血を頻回に必要とする場合です。
ポイント2. 鉄過剰のボーダーと難易度(女子の場合)
私自身、フェリチンが10ng/dlと低値で症状をたくさん感じていた時に、医師の理解が得られずとても苦労しました。
そんな時、医師によく言われた言葉がこちらです。
「フェリチン値が上がっちゃダメでしょう。炎症反応みる値なんだし。上がっちゃだめだよ。」
たしかに、フェリチン値が高いと、炎症が起きているとみなされます。
がんや体内でなんらかの炎症が起きているとみなされます。
では、フェリチンがどのくらい高いと炎症が起こるのでしょうか?
肝障害の場合フェリチン値 1,000 ng/ml以上がリスクファクターであることが示されている
(引用:日本内科学会雑誌、平成22年6月10日)
このように、肝臓の細胞が破壊されるのに、危険値となるのが、「フェリチン値1000ng/ml以上」です。
隠れ貧血もちの方なら気づいているかと思いますが、食事や内服だけではこのような数値にはなれません。
また、このようなものもあります。
鉄過剰症重症度基準
血清フェリチン値/重症度
> 500 ng/m l Stage1
>1,000 ng/ml Stage2
>2,500 ng/ml Stage3
>5,000 ng/ml Stage4
(引用:日本内科学会雑誌、平成22年6月10日)
このように少なくとも、フェリチン値が500ng/ml以上になると、鉄過剰症の影響が出ます!
私は、フェリチン値が4ng/ml以下だった時、
鉄剤(フェログラデゥメット(1錠100mgくらいの鉄分))を1日1錠ずつ飲んで、3ヶ月かけてフェリチンの値を80ng/mlにしました。
100ng/ml以上に到達したことはありません。
もし、私がフェリチン値を500ng/mlにしようと思ったとしたら、何年も継続して飲み続けなければいけません。
日々、生理で血液を失っている女子にとって、「鉄過剰」になることは難関です!
処方薬でさえフェリチンの値を500〜1000ng/mlにするのはとても難しいことなので、何年も長期的に飲み続けるようなことさえなければ「鉄過剰」になれません!
市販薬やサプリメントで「鉄過剰」を目指せるか?
「鉄剤」や「サプリメント」で鉄過剰になれるのか?という観点からそれぞれを確かめていきたいと思います。
鉄剤で「鉄過剰」を目指す!
貧血になると、真っ先に鉄剤を飲みますが、これはいろいろな研究の結果で、重要であることが明らかです!
鉄欠乏性貧血の臨床症状が認められる場合は、鉄補充が特に重要となる。
女性では、血清フェリチン濃度が15 μg/L以下であれば鉄欠乏性貧血が確認されたことになり、鉄補充が必要となる可能性がある
(引用:米国における鉄欠乏症を予防および管理するための勧告、1998年4月3日(CDC Recommendations to prevent and control iron deficiency in the United States. Centers for Disease Control and Prevention. MMWR Recomm Rep 1998;47:1-29.))
このように、鉄不足の人は鉄剤を飲むことが推奨されています。
鉄分を服用することは、OKです◎
「鉄剤」を長期的に何年も服用すれば、鉄過剰になる可能性が出てきますが、日本の病院ではなかなか難しいです。
定期的な血液検査を必ず行っていると思います。
また、そもそもの人間の仕組みとして、鉄分は小腸で必要分だけ吸収されて、余分な分は便として排出します。
口から入れた余分な鉄分は、排出される仕組みがあります。
なので、なかなか鉄過剰にはなりにくいです。
定期的に、血液検査を受けながら、安心して治療を続けていただいて大丈夫ですよ◎
市販薬で「鉄過剰」を目指す!
「健康のために鉄分サプリをずっと飲んでいる!」という方はいますか?
場合によっては危険であることがあります!
市販薬で有名なのは、『マスチゲン』や『ファイチ』ですよね。
1日あたりの鉄分量は、10mg。
処方薬の鉄分量は、50~100mg。
このように、市販薬は、鉄剤の1/10くらいしか鉄分が含まれていません。
なので、なかなか鉄過剰にはなりにくいです。
加えて、
成人女性は1日に18mgの鉄分を摂取するべきだとされています。
妊婦さんの場合は、1日27mgの鉄分摂取しないといけません。
このことを考えると、月経のある成人女性は、市販薬を飲んでいたとしても、この量を摂取するのは難しいです!(市販薬は1日10mg程度なので)
なので、「鉄過剰」になることは、生理のある女子の場合とても難かしいです!
まずならないと思っていいということ。
まとめ
ここまで、「鉄分の取りすぎとはどんなものなのか?」について書いてきました。
・「鉄過剰」になると細胞を攻撃し始める!
・しかし、「鉄過剰」になりやすいのは、生理のある女子ではなく、成人男性と閉経後の女性。
・女子が「鉄過剰」になるのは難しすぎる!
・そもそも日々生理で血を失っていて、サプリメントでも足りないくらいの鉄分が必要です!
このようなことをお伝えしたい記事です^^
貧血の治療は、鉄過剰という危険性があるために『基本3ヶ月くらいのペースで服用を止めて経過を見て、採血して…』というような定期的な治療が必要です!
それは、「鉄過剰」というリスクを少なからず抱えているからなので、そのことも踏まえながら治療ができると、少し心が軽くなるかも。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?