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GⅠマイルチャンピオンシップ
序文:偶然の魔法
昭和を代表する詩人であり劇作家として活躍した寺山修司は、膨大な数の文芸作品を世に送り出す一方で、無類の競馬好きとしても知られていた。
後年、馬主として活動するほど競馬に傾倒していた寺山だが、競馬に関する著書も多く書き残している。
その中の一篇『旅路の果て』の中にある「競馬無宿人別帖」では、競馬に魅せられた人々の悲喜こもごもが鮮明に描かれている。
「勝者には何もやるな」と言ったのは、ヘミングウェイだが、ここにも「一、二着の馬なんか見ていない」という変わったファンがいる。高田馬場でマージャン屋を経営する山崎さんである。
「テレビ見たって、一、二着の馬なんて興味ないね。四、五着でいい足をしていたのを見ておいて、次にねらうんですよ。大体、弱い逃げ馬をひいきしたり、勝てなくても、いつもがんばる馬が好きになったりする。それで、その馬がほんとに強くなってオープン馬になると見放すってわけですよ」
弱い馬が好き、頑張っている馬を応戦したくなる。というこの「山崎さん」の馬券購入術は、馬券妙味を狙う者としては実用性の高い戦略といえる。
敗けた馬の強みを覚えておき、次走の購入時にそれを活かす。まさしく趣味と実益を兼ねた、とても魅力的な競馬の嗜み方だ。
競馬には人それぞれの楽しみ方があるが、馬券を購入する者は本命党と穴党に大きく分けることが出来るだろう。
寺山修司の作品内に登場する上記のような考え方は、穴党のそれだ。
長く競馬を見ていると、弱いと思っていた馬が、突如として覚醒した走りを見せる瞬間に出会うことがある。見識者から言わせれば、「好走に至るまでの経緯」は存在していたのかもしれないが。
ただそれにしても見違えるような、予期せぬ目覚めを迎えた馬のその走りに立ち会うことが出来た時、それは馬券購入の有無にかかわらず、競馬を愛する者にとっては得難き、特別な瞬間と言えるのではないだろうか。
一頭の牡馬がいた。その馬はデビューしてから2年もの間、重賞制覇とは縁のない競走生活を送っていた。
ある時、ちょっとしたきっかけで彼は覚醒の時を迎える。
いたく抽象的な表現になるが、彼は自分の中に眠っている、もう一頭の自分を知った。そして勝ち進んでいく彼に、人々は称賛の声を贈った。
その馬はいつしか、誰からともなくこう呼ばれるまでに至った。
「アジアの帝王」モーリス
15年マイルチャンピオンシップを制覇
同年JRA年度代表馬に輝いた
モーリスは2011年3月、北海道は日高町にある戸川牧場にて生まれた。
創業は1960年とそれなりに古いが、生産者別のリーディングでは毎年下位に位置しており、モーリスが活躍していた当時も家族4人で切り盛りをしているような、小さな牧場だった。余談だが元西武ライオンズの外野手だった、戸川大輔の実家としても知られている。
モーリスの母はメジロフランシスという馬で、その冠の通りメジロ牧場出身の繁殖牝馬である。戸川夫妻が以前にメジロ牧場で働いていた時期があり、その縁故で戸川牧場にやってきた経緯があった。メジロフランシスは、現役時代は一勝も挙げることができなかったが、そこは名門牧場出身の牝馬。フランシスの母、メジロモントレーはAJCC他JRA重賞4勝の実績を誇り、その血筋を遡るとメジロ一族の牝祖、メジロクインに行き当たる。
父牡馬はスクリーンヒーロー。08年のジャパンカップにおいて、ウオッカ・ディープスカイらを下した正真正銘のGⅠ馬である。今でこそ活躍馬の多いスクリーンヒーロー産駒だが、引退間際の成績は芳しくなかったため、種牡馬入り直後の種付け料は30万と比較的安価だった。モーリスはそのスクリーンヒーローの初年度産駒として生まれた。
ちなみにご存じの方も多いと思うが、スクリーンヒーローの父は有馬記念連覇、あのグラスワンダーである。
もとを辿れば良血統と言えるはずのモーリスだったが、11年のサマーセールでは150万という破格で落札された。後々の活躍を考えれば嘘のような値段である。その後、新冠町の大作ステーブルで育成調教を経て、翌年5月にノーザンファームが購入。僅か1年で馬体を大きく成長させていたモーリス、それでもこの時の落札額は1050万とやはり破格であった。
サマーセール出身のGⅠ馬は決して珍しくはない。少し前の時代になるが99年に誕生し、宝塚記念などに勝利したダンツフレームは2600万。同じく99年生まれでスプリンターズSを勝ったカルストンライトオが1890万で落札されている。この2頭と比べただけでも、モーリスの150万がいかに「お値打ち価格」だったか伝わるだろう。
2013年10月、京都競馬場の新馬戦芝1400mでデビュー。鞍上は内田博幸だった。このレースでモーリスは2着馬に3馬身差をつけ、2歳コースレコードで勝利。上々の滑り出しだった。
2戦目でGⅡ京王杯に参戦、名手ライアン・ムーアに乗り替わり1人気に支持されるも6着に敗戦。次走の朝日杯へ駒を進めることが出来なくなってしまった。続く3戦目となった500万下のレースには勝利、無事オープン入りを果たす。この時の鞍上はデビュー10年目を迎えていた川田将雅だった。この時点で3戦2勝、突出した才能を見せつけたわけではなかったが、その片鱗は垣間見せていた。当時のファンから見れば、このまま順調に勝ち進んで欲しいと思わせる一方、クラシックGⅠを勝ち進む姿はなんとなく想像しにくい。そんなイメージの、いわゆる普通の競走馬にすぎなかった。
クラシックイヤーを迎えた3歳初戦は1月のシンザン記念を選択、ここでミッキーアイルの5着に敗れるとその後も凡走を連発する。
スプリングSで4着、京都新聞杯で7着と、クラシック前哨戦の重賞で連敗。自己条件で臨んだOP特別・白百合Sでも3着に敗れ、結局3歳春は4戦して全てに惨敗。皐月賞にもダービーにも出走することは叶わなかった。そのまま長期休養に入ったため、この年はひとつも勝ち星を挙げることが出来ずに終えた。また余談であるがこのシーズンにおいて、モーリスの適正につき「もう少し短い距離の方が合っている」と進言した騎手が一人いた。後のリーディングジョッキー、川田将雅その人であった。
全休していた3歳秋、モーリスに転機が訪れる。栗東所属の吉田直弘厩舎から、美浦の堀宣行厩舎へ移籍を果たしたのだ。
03年に開業した堀厩舎は、この年で12年目を迎えていた。堀は調教師としては少し変わり種で、競馬の世界に立ち入る以前は、日本大学商学部に在学中に中山で誘導馬の世話をするアルバイトしていただけで、大学卒業後は関電工に就職。この世界を志すまでは経理事務をこなしていたという、異色の経歴の持ち主だった。その後会社を辞職し、競馬学校の厩務員過程に挑戦。91年に諏訪富三厩舎の厩務員として働き、その後二ノ宮厩舎の調教助手を経て調教師免許を取得していた。
3年目の06年には、管理馬のビーナスラインが函館スプリントステークスを制覇。JRA重賞初勝利を挙げると、2010年にキンシャサノキセキでGⅠ高松宮記念に勝利。新進気鋭の調教師として注目を集めていた。
モーリスのどこに将来性を見い出したのかは分からない。が、せっかく自厩舎に転厩させたこの馬を、堀宣行はいきなり使うことをしなかった。この頃、モーリスは背骨に慢性的な痛みを抱えており、その遠因が大作ステーブル育成時代のハードな調教にあったことを即座に見抜くと、入念なケアを繰り返し行った。このどんな素質馬であっても、完調に至らないうちは決して本番で走らせないという堀の理念は、2024年を迎えた現在も一貫している。
結局復帰戦は翌15年の1月、1000万下の中山・若潮賞で、鞍上はアイルランド騎手のフランシス・ベリーだった。8か月ぶりとなったこのレースでいきなり勝利すると、次走のスピカSを戸崎圭太騎乗で連勝。
3連勝をかけGⅢ重賞・ダービー卿チャレンジトロフィーに臨むと、出遅れ気味のスタートで終始後方を走らされる不運な競馬を強いられる。しかし4コーナー13番手という圧倒的に不利な位置取りから一気に追込んでくると、そのまま後続を突き放し、2着のクラリティシチーに3馬身半差をつけ圧勝。05年にダイワメジャーが同レースで記録した時計を、0.1秒上回るレースレコードで重賞初制覇を飾った。
中山競馬場の歓声がざわめきに変わってしまうような、圧倒的な末脚だった。
この勝利をもって、モーリスは春競馬最大の「上り馬」として注目を集めることになった。次走、満を持して挑んだキャリア初のGⅠレース、安田記念では1人気に支持された。鞍上は京都新聞杯以来となる、川田将雅が務めることになった。
前走とは打って変わって好スタートを決めると、道中4・5番手の好位を確保。直線では前を行くケイアイエレガントを追い抜き、早々と先頭に立つ。終盤ヴァンセンヌに猛追されるがこれを凌ぎ切り入線。僅差ではあったが、誰の目に見ても完勝といえる内容。堀厩舎に転厩して僅か4戦、その全てに勝利したモーリスは、瞬く間にGⅠホースの座へと登りつめたのだった。そしてここから彼は、GⅠ街道をひたすらに邁進していく競走生活を送ることになる。
秋初戦は当初予定していた毎日王冠を疲労を理由に回避。前哨戦を一度も使わずマイルチャンピオンシップに直行した。常道外ともいえるローテーションだが、常識にとらわれない堀厩舎のこだわりが垣間見えた。
鞍上には久しぶりに名手R・ムーアを迎えた。このレースから引退するまでの全7戦、陣営は外国人騎手を指名している。この辺りにも、現在に通ずる堀厩舎らしさを感じる。
変則ローテと乗り替りにより4番人気に支持を落としたが、結局このレースもアルビアーノやフィエロといった強豪に競り勝ち、連勝記録を「5」まで伸ばした。またこの勝利により、モーリスは07年のダイワメジャー以来史上6頭目となる、安田記念との同一年マイルGⅠ二冠を達成した。
モーリスの勢いは止まらない。次戦は海を渡り国際GⅠ・香港カップに参戦。ここでは地元で絶大な人気を誇るGⅠ馬であり、前年の優勝馬・エイブルフレンドとの対決が注目された。レースではそんな期待に応えるかのような、2頭の叩き合いが演じられた。
好位につけたモーリスをマークするような形でエイブルフレンドが追走。直線進入直後、エイブルフレンドが並びかけるがすぐさまモーリスが差し返す。外から2番手に上がってきたジャイアントトレジャーに3/4馬身差をつけ、先頭のままゴールイン。01年エイシンプレストン、05年ハットトリックに続く3頭目。日本馬による同レース勝利という快挙を達成した。
この年モーリスは6戦して無敗。日本と香港でマイルGⅠ3勝を挙げた実績が評価され、JRAによる年度代表馬と最優秀短距離馬に選出された。いわゆる「マイラー」が年度代表馬に選ばれたのは、98年のタイキシャトルと13年ロードカナロアに続く3例目のことだった。
…きっかけはなんだったのだろうか。1年前には重賞未勝利のまま全休していた馬である。次の1勝を追いかけるだけの、ごく普通の競走馬として過ごす暗中模索の日々。それがいつのまにか、世界を股に駆けるGⅠホースの冒険譚へと変貌を遂げていた。
年が明け始動戦に再び香港GⅠレースを選択。5月のチャンピオンズマイルでは鞍上に「雷神」J・モレイラを迎え、これに勝利した。GⅠ4勝目、年度代表マイラーは当たり前のようにGⅠ勝利をこなすようになっていた。
6月帰国し、連覇をかけ安田記念に参戦するもここでは2着に敗戦。伏兵ロゴタイプに逃げ切られてしまう。堀厩舎の転厩してからは初の敗北だった。
その後、モーリスと陣営は距離延長に挑戦する。
夏の札幌記念で初の2000mレースに挑むも、同厩舎のネオリアリズムに逃げ切られ連敗。2戦連続2着と、そのキャリアに陰りが見え始めたかと思いきや、現役ラスト2戦でモーリスは再び覚醒の時を迎える。
この時の鞍上は4度目の騎乗となるR・ムーア、一人の騎手との物語に始終しないあたりが現代馬らしくもあり、また堀厩舎の管理馬らしくもある。
ただ誰が乗っていても、覚醒後のモーリスは強いという印象だけは失わせることがない、そんな見る者誰もを引き寄せる力強いレースを続けていた。
16年10月、天皇賞秋。エイシンヒカリがつくったゆったりとしたペースを、モーリスは外目から先団を窺うかたちで折り合いをつけていた。
最終直線では早々に勢いを失ったエイシンヒカリ目掛け、後続馬たちが横一線となって襲い掛かってくる。モーリスは若干ふらつく仕草を見せたがムーアの剛腕に鞭を入れられると一気に加速、後方から追いすがるリアルスティールを1馬身半差引き離し、優勝を飾った。マイルを走っているときと何ら変わらない、王者の風格を漂わせる快勝だった。
現役最後のレースとして選ばれたのは、昨年に続き連覇のかかる香港マイルではなく2000m戦の香港カップだった。モーリスも堀も、最後まで挑戦することを止めなかった。
レースは天皇賞同様エイシンヒカリがハナに立ったが、出だしから後続を大きく離す逃げの一手を取った。モーリスは出遅れ気味のスタートで最後方からの競馬を強いられる。
最終直線、エイシンヒカリが依然として単騎先頭を行く中、最内を突いて猛然とモーリスが追い上げを図る。止まらない勢い、香港馬のシークレットウェポンに3馬身半差をつける圧勝だった。地元の競馬誌では「神の領域に達した」と評されるほど、力強い、並ぶ者なき走りのまま、その競走生活に自ら終止符を打ったのだった。
モーリスは引退後の2017年、社台スタリオンステーションで種牡馬となる。この年はミッキーアイル、同厩舎のドゥラメンテらと共に期待をかけられ、初年度から265頭の繁殖牝馬と交配された。初年度の産駒ではピクシーナイトがスプリンターズSを制覇、以降もコンスタントに有力馬を輩出し、23年にはジャックドールが大阪杯を制した。
またシャトル種牡馬(北半球と南半球の季節差を利用した種牡馬のこと)としてオーストラリアでも活躍。産駒の一頭、ヒトツ(Hitotsu)という馬は豪GⅠを3度制し、遠く離れた異国の地でもその名を響かせた。
こうして「アジアの帝王」は現在も種牡馬としての生涯を送り、22年以降は常にリーディング上位に位置、有力馬をターフに送り続けている。
堀宣行はモーリスが覚醒した同年、ドゥラメンテでダービートレーナとなると、以後も美浦のトップ調教師として第一線で活躍。マスコミ嫌いとして知られ、偏屈なイメージを持たれることもしばしばあるが、管理馬が最も走る時期を見極めるその手腕は一流であり、昨年23年にはタスティエーラで日本ダービーを制覇。再びダービートレーナーの栄冠に輝いた。
結局のところ、モーリスの強さとはなんだったのだろう。彼がデビューした当時、その生涯の活躍を見抜けていた者はどれだけいただろうか。たったの150万という安値で購入された牡馬は、当初買われた価格程度にしか活躍を見せていなかった。それが僅か3年と少しの間に、世界的な名馬としてGⅠ競争で5勝を挙げたのである。この躍進に堀調教師の手腕が不可欠だったのことは言うまでもない。その他にも乗り替わった騎手らの教育、進言、環境の変化、外国人ジョッキーの存在、幾重にも理由が積み重なり、モーリスは進化を遂げ続けてきた。
しかし詰まるところ、競走馬が急速な進化を遂げるその大きな理由など、誰にもわからないのではないだろうか。人にとって馬とは未だに神秘のヴェールに包まれた未知なる存在。ふとしたきっかけで強くもなれば、あっさりと敗けてしまうこともある。
彼が条件戦を走った時に、期待を込めて購入した馬券はあえなく紙屑となった。それから単勝オッズ5.7倍でGⅠを圧勝した時、その買い時を逃してしまう。
走らせる側も、声援を送る側も、そんな偶然に左右されるような、誰にも結末が分からない、魔法にかけられたような日々に、私たちはこれからも魅了され続けていくだろう。
冒頭で紹介した寺山修司著作の『旅路の果て』。まだ未読の方がいるのであれば是非一度手に取ってもらいたい。1979年に刊行されたこの本に登場する馬たちはみな、昭和という時代を駆け抜けた名馬たちである。テンポイント、トウショウボーイ、カブラヤオー。今は亡き優駿たちを、現在のあなたが愛してやまない馬の名前に置き換えて読んでみる。昔も今も変わらない、競馬の魅力がそこにあるはずだ。
『旅路の果て』の中の「競馬無宿人別帖」では、競馬に魅せられた様々な愛すべき人たちが現れるが、その中のひとりにキャバレーのレジに腰を掛け、ぼんやりしながら唄を口ずさむタマエさんがいる。タマエさんは自らが研究した運命学に基づき、独自の競馬必勝法を生み出した。必ず勝てるはずなのに、裸電球一つのボロアパートで暮らす彼女のエピソードを、寺山はこんな文章で締めくくっている。
アメリカの作家ウィリアム・サローヤンの競馬小説に、生まれてから一度も馬券を買ったことがないのに、レースが終わると必ず「とった!とった!当たったぞ」と言いながら駆けてくるじいさんが出てくる。だれもが、そのじいさんが馬券を買っていないことを知っているが、皆、じいさんの心を傷つけまいとして「よかったね」と言ってやる。
タマエさんの必勝法も、私にはよくわからぬものだが、それでも、「これがたのしみで生きている」のだというのだから、無理矢理教えてもらうのはあきらめよう。
「いいことってのは、偶然にしか起こらないのね」
と、タマエさんが言うのを聞いて、
私は古い小説の一節を思い出した。
「偶然でもいいことがある奴はしあわせさ。
世の中には偶然のない人生ってのもあるのだから」
"GⅠマイルチャンピオンシップ、まもなく出走です"
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モーリス産駒たちの活躍は今もなお続いている。次私たちが
偶然が生んだ魔法にかけられる時はいつやってくるだろう。
これからも競馬を続けられる日々を願って…乾杯。
~はじめに~秋のマイル王決定戦👑
お疲れ様です。今週も早いもので、週末のGⅠレースが近づいてまいりました。毎週言っておりますが今週も言います。本当に早いです。
さて今週は、日本と香港のマイルGⅠを席巻した「アジアの帝王」モーリスのお話でした、つい最近まで活躍していた名馬ですから、覚えている方も多いとは思いますが、モーリスの重賞初制覇となったダービー卿CTのレースを見返してみると、本当にえげつない笑
種牡馬としての益々の活躍を願っています。
それではここからは本格的なレースの予想をお届け。秋のマイルGⅠレースを様々な角度から(?)攻略してみたいと思います。
来る欧州GⅠ馬!決戦は京都芝1600m
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毎年マイルGⅠ馬が顔を揃える秋のマイル王決定戦ですが、今年は英GⅠで3勝を挙げたチャリンの参戦が決定しています。京都外回りへの適正はどうなのでしょうか?
京都マイルは2コーナーの奥からスタートする外周りコース。最後の長く平坦な直線では差し・追込みが決まりやすいです。展開の"あや"であったりマグレが生じにくく、実力のある馬が力を発揮しやすいコースと言えます。
3コーナーの坂を下ってきた馬が、スピードに乗ったまま好走します。
瞬発力のある馬に注目しておきたいです。
昨年のレースを振り返る
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勝ち馬のナミュールは前走富士S1着からの臨戦。当日は5番人気でした。Rムーア騎手が落馬負傷により、急遽藤岡康太騎手に乗り替りで出走。最後方2番手から豪快な差し脚を決めてGⅠ初勝利を飾りました。前半3Fは34.3秒で、ナミュールはメンバー最速の上がり3F33.0の末脚を披露。藤岡康太騎手は非の打ちどころのない代打騎乗を果たしましたね。本当にお見事でした。
2着は前走京成杯AH勝ちで3人気のソウルラッシュ、名手モレイラ騎手がロスなく立ち回り、最後の直線で伸びてきましたがナミュールに切れ負けしました。
3着に入線したのはジャスティンカフェでした。毎日王冠7着から坂井瑠星騎手が意地の激走を見せました。
高配当の中穴決着となりましたが、3着までの馬は皆マイルGⅠ・GⅡで善戦を続けてきた馬ばかり。秋競馬のマイル王を決める一戦です。マイル戦で実績を残してきた上位~中人気の馬に白羽の矢を立てたいところです。
マイル戦もTOPIC5でバッチリやで
ここからは過去10年のデータ「過去十」を採用したデータ解析を行います。先週のエリ女同様に20年~22年は阪神競馬で開催されていますので、その点には注意が必要ですね。
📝1番人気の信頼度は?_?
過去10年で【2-1-1-6】で連対率30%で、そこまで信頼度は高くないです。単勝1倍台のオッズで2勝、20年、21年連覇のグランアレグリアですね。牝馬でしたがこの馬は別格でした。
単勝オッズ2倍台以上で勝った馬はなし。3倍台になると一度も連対できていません。強豪ひしめくマイルGⅠ、余程抜けた実力の馬でない限り堅実とは言えない気がします。前走GⅠ出走の馬は【2-1-1-1】というデータがありますが、想定1人気のブレイディヴェーグは前走牝馬限定のGⅡから臨戦。果たして…?
📝前走GⅠ3着内の馬に注目
連対馬全20頭のうち17頭が前走3着以内でした。この内4~5歳馬だと【4-2-1-2】の好データが。上位人気からだとナミュールが該当、武豊騎手から短期免許のCデムーロ騎手へと乗り替りになりますがどうでしょう。
また海外GⅠ出走ということであれば、英GⅠ勝ちのチャリンもこれに該当します。英国からの刺客となるチャリンですが、実績だけ見ればこの馬は本当に強いと思います。ことなる環境、日本の馬場への適正はどうなのか、実に気になるところです。
📝京都マイルは差し馬で決まり
逃げ馬は【1-0-0-9】で1勝のみ、スプリンターズSから臨戦のミッキーアイルが16年に逃切り勝ちを決めています。先行馬は4連対でこの4頭すべてにGⅠでの連対経験がありました。実績上位馬です。
差し追込みが15連対で最も多く、近走安田記念に出走し好走している馬、もしくは前走重賞で3着以内に入った馬が活躍しています。
今回の出走馬の想定オッズを見ていくと、6人気のジュンブロッサムまでがデータに該当します。
📝3着狙いは中位人気からでOK
過去十で6番人気以下から3着に入った馬は5頭には共通点があり、6~9人気で前走GⅡで5人気以内。そして5頭のうち4頭が5歳馬でした。人気薄でありながら重賞での実績を持つ、マテンロウスカイ、ウインマーベルは5歳馬。この二頭には相応な妙味が発生しそうです。
📝前走人気別の成績は?
勝ち馬10頭全頭が前走3番人気以内でした。連対した全馬が前走4番人気以内に支持されていました。前走5番人気以下だと【0-0-3-69】なので、上位人気且つ前走も人気馬を軸に1頭選びましょう。
上記5点のトピックの他には、多くの方が指摘している通り短期免許の外国騎手が騎乗する馬、さらにノーザンF生産馬に注目したいです。
時間のない方のためのサービスショット
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森タイツ式推奨馬の解説
ここからは、こちらも恒例のイラスト付き推奨馬の解説になります。今回は4頭、本命は「あの馬」にしようかと思います。この後すぐにわかります。
英国から来た最強の刺客
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表題通りの最強刺客、英国GⅠ馬チャリンに注目しています。
外国の厩舎所属の馬として13年ぶりの出走となりますが、GⅠレースを複数回勝利している実績の持ち主となれば20年前、04年のラクティ以来の参戦でしょうか。ラクティは14着と大敗を喫しましたが、20年越しの欧州馬のリベンジは果たしてどうなるのでしょう?
チャリンは今年に入ってから英国のGⅠを2勝、仏GⅠで1勝を挙げており、その全てがマイル戦です。実績だけで言えば他の日本馬に比べ、あまりにも突き抜けていると言わざるをえません。他の連対したレースも全てマイルを使っている点にも注目です。
管理調教師のR・ヴェリアン氏は2012年にも自身が管理するスリプトラを送り込んだ過去を持ちます。また氏の奥様は日本人ということで、日本に対する造詣が深く親日派としても知られています。
本馬チャリンは4歳でありながらすでに引退を表明しており、そのラストランの舞台に日本の国際GⅠ・マイルチャンピオンシップに狙いを定めてきました。
チャリンはDarkAngle産駒、今年の高松宮記念を制したマッドクールと同じであり、同産駒にはOPで活躍するシュバルツカイザーもいます。バリバリの外国血統ですが、日本でもすでに成功例のある種牡馬なので血統的な適性は問題ないと思います。また同産駒の海外での活躍馬は
21年に仏のGⅠジャン・リュック・ラガルデール賞(長い)や、
クリテリウム・アンテルナシオナル(長い)を制したエンジェルブルー。
22年に同じく仏のGⅠプール・デッセ・デ・プーリッシュ(長い)を制したマンゴスチンら、多くの名マイラーを輩出しています。
思えば日本のマイル重賞は昨年にソングライン、シュネルマイスターの強豪が引退してからというもの、一強不在の混戦ムードが続いています。昨年覇者のナミュールは春のヴィクトリアマイルでは大敗と好不調の波に左右されやすいですし、ソウルラッシュもGⅠ勝利の栄光には未だ輝いていません。
1位人気に支持されるであろうブレイディヴェーグに関しては初のマイル戦ということで、さっぱりの可能性もあります。
そもそも今年春の安田記念では香港からの刺客、ロマンチックウォリアーに勝ち鞍を持っていかれており、メンバー構成がさほど変わっていない日本のマイラーたちが、ここであっさり負けたとしてもなんらおかしくはないでしょう。
ポイントとなるのは馬場のコンディションにあると思います。世界でも有数の高速馬場を所有する日本競馬場にあって、昨年リニューアルされた京都競馬場はその最先端を行くコースです。高速馬場による決着になる場合であれば、初めて日本の競馬を経験するチャリンにとって非常に難易度の高いミッションになるでしょう。しかしながら連続開催の後半に実施されるマイルCSは、毎年それなりに時計のかかる勝負になっています。
また中山・府中のような急坂を擁していない点でも京都の直線は外国馬に向くと思います。
情報量の少ない海外からの参戦馬ですが、日本のマイラーたちの一段上を行っているだろうと仮定し、自信を持って印を打ちたいと思います。
迎え撃つマイルの女王
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前走GⅠ安田記念2着にして、昨年のマイルCS覇者である5歳牝馬、ナミュールが連覇をかけて出走です。
昨年秋の富士S勝利後に挑んだマイルCSでは、急遽の代打だった藤岡康太騎手を背に激走。初のGⅠ勝利を奪取しました。
その後は4戦して勝ち鞍がありませんが香港のGⅠで好走、春の安田記念ではロマンチックウォリアーには敗れはしましたが2着に健闘と、5歳の秋を迎えてもいまだ衰える気配はありません。
しかしながら前々走のVMでは8着に敗退と、若駒の頃からムラ駆けが多く今回の仕上がりに関しては良く注視が必要です。
ナミュールはハービンジャー産駒、過去のMCでは本馬以外に17年にペルシアンナイトが勝利しており血統適性は高いと思われます。マイルから2200mくらいまでの芝中距離の実績が多く、近年ナミュールの他にはローシャムパーク、ファントムシーフ、チェルヴィニアなど、一瞬の切れ味だけでなく長い末脚を使える馬が多い点が特徴的です。京都の舞台でマイル外の距離でいうと17年にディアドラが秋華賞を制していますね。
また馬主別に産駒の成績を見るとでみるとキャロットファーム所有馬で60勝以上挙げており、ナミュールの他には重賞2勝のドレッドノータス、京成杯を制したプロフェット、フェアリーSを勝ったフィリアプーラらがいます。
この馬の競走生活における現時点でのハイライトは、昨年のGⅠマイルCSに他ならないでしょう。牡馬たちの馬群を割って豪快に差し切りを決めました。この勝負根性には目を見張るものがあります。クラシック年と昨年は、出遅れや不利を受けるケースが目立ち、その実力を発揮できずにいたことも多かったですが、マイル戦に限って言えば今回出走する日本馬の中では実績・素質ともに最上位といえるでしょう、
恐らくこの次は昨年同様に香港遠征を視野に入れているのではないかと思われます。5歳秋ということでピークを過ぎたかどうかギリギリの瀬戸際まで来てる感もありますが、このまま有終の美を飾るため、先ずはここを勝ちGⅠ2勝目を奪還したいところ。
鞍上はCデムーロ騎手に乗り替わりますが、彼の実力がどれほどのものか、先週のエリザベス女王杯を見れば一目瞭然でしょう。
現時点での日本を代表するマイル女王が、再び淀を熱く湧かせます。
魂の進撃を再び
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6歳を迎え、さらなる進化を続けるソウルラッシュに注目です。
デビューは20年、若駒の頃は目立った活躍もなく3歳10月まで1勝のみでしたが、転機を迎えたのは4歳春。条件戦を3連勝して突如覚醒すると、勢いのまま出走したマイラーズCで初の重賞勝ちを飾りました。以降は重賞戦線に幾度となく挑戦、GⅠの壁には跳ね返されていましたが、昨年秋の京成杯AHで斤量59㌔をものともせず快勝。重賞2勝目を勝ち取ると、続くGⅠマイルCSではナミュールの2着、今年春の安田記念では3着と、改めてそのポテンシャルの高さを見せてくれました。
ソウルラッシュはルーラーシップ産駒です。最近活躍している馬では先日引退した牝馬、マスクトディーヴァがいますね。GⅠホースでいうと菊花賞馬キセキ、朝日杯を制したドルチェモアがおり、どちらも牡馬です。産駒の特徴としては芝のコースであれば特に得手不得手なく、中距離以上のコースであれば普く好走することが可能だと思います。母父にはマンハッタンカフェの名前があります。ルーラー×マンカフェの血統は、ダートですがゴドルフィンマイルなどで活躍したアディラートなどがおり、マイルへの適正はやはり低くないと思われます。体型的には中長距離もこなせそうに見えるのですが、ソウルラッシュはマイル路線に舵を切ってから【6-3-2-4】の成績で、馬券外に飛んだのはGⅠだけ。6歳を迎えましたが、もうワンパンチさえあれば突き抜けてもおかしくないと思います。
血統的な観点からみてもマイル向けの切れ味と、時計がかかる展開になった際の持続力、この両方を持ち合わせている点が魅力です。馬場が渋ったとしても稍重くらいまでは問題なくこなせるでしょう
秋初戦はGⅡ富士Sに参戦、「6歳でも上積みあり」と陣営は自信を持っていましたがジュンブロッサムの2着に敗れました。内容的には完敗ですが、大外をスムーズに駆け上がってきた相手に対し、荒れた内側を馬群を割って迫った末脚はまだまだ衰えを感じさせていなかったと思います。
短期免許のモレイラ騎手が確保できない中、陣営は当初騎乗していた松山騎手ではなく団野大成騎手を選択してきました。松山騎手ももちろん良いですが、このソウルラッシュと団野騎手のコンビは強く推したいですね。
前哨戦を使わないでぶっつけで重賞に臨む、というローテの組み方は近年さほど珍しくなくなりましたが、ソウルラッシュはそんなトレンドに反し必ずGⅠ前に前哨戦を使っています。春は勝利したマイラーズカップの仕上がりが良すぎ、本番の安田記念ではイマイチな結果に終わりました。今回は前哨戦の富士Sに敗れましたが、あの時の仕上がりは8分といったところでしょうか。叩きの一戦だったと考えればここでの浮上も考えられます。
今度こそのGⅠ制覇へ向け、ソウルラッシュの「魂の進撃」に期待しましょう。
マイル界のNEWクイーン爆誕へ
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エリザベス女王杯連覇を賭け出走、と思いきやサンデーRからはレガレイラとスタニングローズがエリ女に出走。ということで改めてマイル路線へ舵を切ったブレイディヴェーグがマイルCSに参戦です。
ブレイディヴェーグは22年の8月に新潟の新馬戦でデビュー。ここでは出遅れからの2着に敗れましたが、翌年の次走以降は3歳牝馬GⅡローズS以外に全て勝利、3歳馬でありながら秋華賞でなく昨年のエリザベス女王杯を制覇しています。これまで全6戦して4勝、パーフェクト連対を継続中です。
ブレイディヴェーグはロードカナロア産駒です。当noteも1年以上継続して連載してきましたが、その中で何度も産駒について解説をしてきました。
ロードカナロアは香港を含む国際GⅠレース6勝の実績。彼の地では「龍王」の漢字表記で畏怖されていました。本人がそうであったように、芝の短距離~マイル戦を得意としており、母父の血統次第では距離延長もこなせるといった傾向があります。
ブレイディヴェーグは今まで1800m~2200mのレースで結果を残してきましたが、母系にあるディープインパクトの血統背景が大きく、父方の血統で言えば本来マイル戦で力を発揮してもおかしくはないと思います。
データ上は京都の芝1400m~1800mで多く結果を残しており、マイルCSでは18年に産駒のステルヴィオが勝利しています。
今回距離短縮が不安視されていますが、血統背景の点においては適正ありと言えるでしょう。
ブレイディヴェーグは先述した通り、これまでパーフェクト連対を継続中であり、そのキャリアは順風満帆のように思えますが、その実結構な苦労をしてきている現状があります。
デビュー戦の敗戦後、骨折により半年間の休養。明けて未勝利戦を勝利するも再度の骨折により4か月以上の休養。鉄砲駆けのローズSで復帰後、エリザベス女王杯に勝利しましたが、陣営にしてみれば見た目以上に薄氷の勝利だったと思われます。
GⅠ馬になった後も飛節の腫れ、筋肉痛などでドバイ遠征や新潟記念をキャンセルしてきた経緯があります。これだけ満身創痍、というか故障を繰り返してきた中で連対を継続中という事実。本来この馬の持っているポテンシャルを全部発揮できたのなら、どれだけの走りが出来るのでしょうか。
今回は前走の牝馬府中S以降も故障を発症することなく順調に来ています。初のマイルGⅠ、牡馬牝馬混合重賞と、ブレイディヴェーグにとってハードルが高いかもしれませんが、本馬が本来持っているその実力を発揮できれば、人気通り他馬を推し切る可能性は高いと思います。
真の覚醒を迎える、マイル女王、いや現役最強牝馬の誕生に刮目しましょう。
~おわりに~その他の馬を添えて
ここまでお読みいただきまして誠にありがとうございました。今回もどーにか校了とすること出来ました。秋競馬が始まってから何とかこなせていますが、このあとはJCにチャンピオンズカップ、JF、朝日杯、有馬記念、ホープフルと東京大賞典ですか…。
なっがwww(;^ω^)
まあ読んでくれる方がいる限り、年末までは頑張ってみようと思います。ドラクエも我慢しなきゃですね笑
読者の皆様におかれましては本当に感謝申し上げます。
今後ともよろしくお願いいたします。
最後にイラスト付きまでにはならなかったですが、その他の推奨馬や人気馬について解説して終わりにしたいと思います。それでは来週お会いしましょう。では、また…。
📝ジュンブロッサム
🏇鞍上:戸崎圭太
本当はイラスト付きで詳しく解説したかったくらいの逸材。前走富士Sでは本命を打っていました。「遅咲き」という言葉がぴったりの本馬は、前走5歳にして初めての重賞初制覇を飾りました。ただ若駒の頃は弱かったのかというと、全然そんなことはなく、これまで19戦5勝の戦績において掲示板を外したのは2勝クラスでの1回のみ、それも6着でした。安定感ではいえばトップクラスと言えるでしょう。
とはいえこの馬にとっては前走こそがベスト条件だったと思いますし、不安定な追込み脚質という点でも、京都の舞台でどこまでやれるか未知数です。
ワールドエース産駒のGⅠ勝利を見てみたいという思いはありますね。
📝オオバンブルマイ
🏇鞍上:武豊
昨年の豪州ゴールデンイーグル勝ち馬です。このレースは国際グレード規格外のレースのためGⅠ~GⅢ、L競争といった格付けがされていないレースです。ただ賞金額が大きく、レベルの高い一戦なのは間違いありません。
前々走は4戦ぶりに日本に帰国しキーンランドカップへ参戦、下馬評を覆し3着と好走しました。続けざまに中山のGⅠスプリンターズSに参戦するも、高速馬場になった中山では流石に忙しく、前残りという展開も向かないまま11着に惨敗しました。
今回はマイルに距離を戻しましたので、差し・追い込み勢にも展開が向きそうなマイルCSの舞台はベターなチョイスだと思います。
ただディスクリートキャット産駒が最も得意とする舞台は中京競馬場であり、ついで中山・阪神となります。京都での好走例は実績が少なく、血統評価で言えば少々危険な側面も持っているので、切れ味は本物ですが、過度な期待はしない方が賢明かとも思います。
📝エルトンバローズ
🏇鞍上:西村淳也
毎日王冠3着からの臨戦、昨年秋に比べ衰えてきてしまったというのが大勢の見解でしょうか。個人的にはまだやれると思っています。
毎日王冠では休養明けで少々太めだったのと、斤量59㌔に加え大外枠を引いてしまったことによって、大きな不利を被っていたと思います。それでいて3着に好走ですから、今回も枠の影響は大きいと思いますが、斤量面ではイーブンになるので期待できると思います。実績はメンバー中でも上位、なんといってもソングライン・シュネルマイスターに先着して勝った過去を持っているわけですからね。
鞍上の西村騎手とはこれで11戦目、今年GⅠ勝利を手にした若きホープの戦友ともいえる存在です。
一点大きな懸念点があり、週末の天気が崩れるかもしれないということです。エルトンバローズが勝利、もしくは馬券内に入るためには良馬場が必須だと思っているので、印を打つのであれば、当日の天候と馬場コンディションにはよく注意した方が良いと思います。
📝ウインマーベル
🏇鞍上:松山弘平
多くの方がご指摘している通り、ベストは1400mだと思います。ただ陣営サイドは悲願のGⅠ勝利を目指し、1F延長となるマイルGⅠにチャレンジしてきたようです。スタートが上手く、スムーズに好位につくことが出来るのがこの馬の大きな武器ですね。さらにスタミナにも恵まれ、レース終盤にも切れ負けしない脚を残すことが出来ます。
とはいえ、それは短距離1200m~1400までの話なので、今回距離を延長してどうかという不安はあります。急坂を擁する中山や、直線で追い比べを強いられる府中に比べれば、京都の外回りは好走できそうなイメージは湧きます。未経験の舞台というハードルを逆に武器にした、あっと言わせるような好走に期待です。
📝セリフォス
🏇鞍上:川田将雅
22年マイルCS覇者、一昨年越しに勝利を目指します。
セリフォスは近走期待を背負いながらも、これといった成果を残すことが出来ていません。今回は鞍上が川田将雅騎手に戻るので、ある程度の人気はしそうですが、個人的にはあまり推せないかなと思っています。
前走でジュンブロッサムに敗け、マイラーズCではソウルラッシュに敗け、昨年のCSは惨敗していますし、マイラー業界の中では勝負づけは済んでいる印象です。ダイワメジャー産駒ということで、距離・コース適正に申し分はなしと言いたいところですが、早熟傾向の強いダメジャ産駒。古馬になってからGⅠを勝った産駒は一頭もいません。
個人的にはピークアウトを過ぎた一頭だと思っていますので、強く推奨は致しません。ただ先週のラヴェルの件もありますし、鞍上・川田将雅という点だけは要注意でしょう。
📝マテンロウスカイ
🏇鞍上:横山典弘
人気薄の中では狙えそうかなと思っている一頭。前走は強豪ひしめく秋の天皇賞において5着と健闘。今年は年明け早々に中山記念に勝利しており、中距離重賞実績はあります。そして鞍上は横山典弘騎手。これまで決して無理せず教育騎乗に徹してきた感はあり、それが今回のGⅠで結実してもおかしくないのかなと思っています。好位にポジションを確保できれば、直線で脚を使って上位進出も…夢は広がりそうです。
今回参考にさせていただいたサイト
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