LILY'S CLOSETを読んでファッションに対する愛を思い出させてもらった
アパレル販売を生業にして早10数年。
結婚、出産、離婚、育児、再びのフルタイム勤務と怒涛の日々を過ごしております。
学生時代のアルバイトからスタートして節目節目にお休みをはさんでいるけれど、ここまでアパレル販売を続けてきたのはやはり「服が好き」だからだ。
と言っても私は誰かに自分のファッションを見せたいわけじゃなくて、ただ自分の好きな服を自分のために着ることが好きなのだ。
服を着ることは、私という人間の人となりを伝えるメディアのようなものだと思っている。
だから、お気に入りの服を着て自分のことを好きだと思える気持ちとか、背筋を伸ばして外へ一歩踏みだしていく勇気をくれるお洋服との出会いをお客様にも体験していただけたらなと思う。
憧れの大人の着ているものが気になる
大好きな石田ゆり子さんが「LILY'S CLOSET」という本を出版されたので早速購入した。
「LILY'S CLOSET」ではゆり子さんのおうちのクローゼットから厳選したものを紹介してくださると知りワクワクで購入。
ゆり子さんの着ているお洋服はいつもとてもセンスがいい。
透明感がある、凛としていてまっすぐで、しなやかな大人の女性だ。
どんなお洋服をご紹介くださるのか。
早速ページをめくる…
買ってよかった…
ページをめくるたびに私が今仕事で関わっている素材やデザインや好きなブランドやデザイナーが次々に現れた。
私の嗅覚に狂いはなかった。
好きな物事の匂いを感じていたのは間違いではなかった。
大好きな石田ゆり子さんとの共通点が沢山あって顔がニヤけた。
あっという間に読み終えて、お洋服が好きだと自覚した子供の頃の記憶が次々に思い出された。
ファッションとの出会い
子供の頃、テレビ東京で「ファッション通信」という番組を観るのが好きだった。
ファッションジャーナリストの大内順子氏が世界中のトップデザイナー達への取材やニューヨーク、パリ、東京などのコレクションの現場をリアルに伝える貴重な番組だった。
コレクションのランウェイを煌びやかなお洋服を着たモデルたちが歩く様に田舎の小学生だった私はくぎ付けだった。
自分のタンスを引っ掻き回してテレビで見たあの服のようなものを探してみたけれど、そんなのあるわけなかった。
時代はバブル全盛でワンレンボディコンがもてはやされていたけれど、それじゃない感がすごくて。悶々としつつ、なんとかお洒落を試みるも限界を感じざるを得ない子供時代であった。
試行錯誤した90年代
高校生になりファッション誌を買い始めると、掲載されているブランドの名前を覚えてはブランドごとのデザインの傾向や季節ごとの着こなしを覚えて、なんとか自分に取り入れようと試みた。
世の中を安室奈美恵とガングロが席巻していた時、私の愛読書はnon-no。
女優の小雪さんがnon-noモデルに選ばれて華々しくデビューされたり、りょうさんや西田尚美さんなど今でも大好きな人達が紙面を飾っていた。
ファッション誌を買う時に楽しみだったのは、各ファッション誌のパリジェンヌのスナップ特集。
とにかくパリの女の子たちのファッションが大好きで、高校や塾の行き帰りにお洋服を探しに行ってパリジェンヌに近づけるように試行錯誤した。
高校は私服登校だったので、友達とお洋服のことを褒め合うのも日課のようになり
「〇〇ちゃんって前世きっとフランス人だよね」などと言われ嬉しかった。
振り返るとあの頃がいちばん純粋に好きな服を着ることを楽しめていた。
お金もアイテムも少なかったけれど熱心に服と向き合っていたな…
販売する立場になると
アパレルで働き始めると自社の製品を毎日着るのだが、最近は新作が入ってきても「どれを売ろうかな?」という視点で考えることが当たり前になっていた。
着て魅せて買っていただくのが販売員のお仕事なのだから間違いではない考えだけれど、ここ何年も常に着たい服がないなぁと思いながら働いていたことに、「LILY'S CLOSET」のおかげで改めて気付かされた。
着たい服を着て、背筋を伸ばして凛としていたい。ゆり子さんのように素敵な大人になりたかったはずなのに、すっかり忘れていだではないか。
楽しんで試行錯誤していた子供の頃のように、好きな服を探しに出かけたい。
そう思えた。
ゆり子さんに感謝
ゆり子さん、ありがとう。
とても素敵な本を作ってくださって救われました。
純粋にパリジェンヌになりたかったあの頃のように、素敵な服を見つけにいこう。
私の前世はきっとパリジェンヌ。
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