失敗の正体が分かれば恐怖は消える(後編)
『ミスは許されない』というプレッシャーを解析・分析
失敗の恐怖心というのは過去に自分が無意識に感じた”有害な価値観”が原因であることは理解してもらえたと思います。
これは過去のトラウマとも言える強烈な記憶が原因です。これとは別に会社やチームなどでミスが許されない仕事を求められ続けた時のプレッシャーに耐え切れず失敗の恐怖に囚われてしまった時の対処方法をお伝えします。
ここでも共通して言えることは、恐怖を冷静に論理的に分析してみることです。
絶対成功させなければいけない仕事を例に考えていきましょう。
『失敗は許されない・・・』
この言葉に失敗の恐怖や重圧を感じて自分の実力が発揮できないという経験は私を含め、多くの人が経験済みなのではないでしょうか?
まず知っておかなければならないのが、100%失敗しない仕事ができる人なんていないということです。
たとえ30年のベテランでもミスはします。
どんな世界的なアスリートでもミスは起こるのです。(そうでなければ世界的なストライカーがPKを外すはずがありません)
よくベテランが新入社員に対してプレッシャーをかけることがあります。
この時点で、そのベテランの方が問題があるのです。
ですから言葉通りに受け取るのではなく、『全力を尽くせ!』もしくは『全力以上のものを出してみようか!』ぐらいのニュアンスだということを理解しておく必要が対策になります。
そうでなければすぐにミスする恐怖に囚われてしまって、思考停止に繋がってしまいます。
ミスやそれに伴う恐怖心に注目してしまうからです。
想像したくないですが、そうなるとミスの連発です。なぜなら、その時の自分は目の前の仕事に集中なんて全く出来ていません。恐怖心に囚われ、自分の体裁を最優先に考える人になってしまっているからです。
当然、結果も残念な自分のイメージ通りになってしまうのです。今まで出来ていたこともできなくなってしまうでしょう。
ですからミスする恐怖など考えずに全力で取り組めばいいのです。(具体的な方法は後ほど)
恐怖はあるかどうかではなく、見えているかどうか
恐怖は実体のないものだとお伝えしました。
そこで先ほどのミスの許されない仕事をどういうマインドで行えばいいのかを考えてみましょう。
あなたはまだ新人にもかかわらず、大きなプロジェクトを任されました。
結果によって、この先の自分のポジションにも関わるような一大プロジェクトです。
もちろん、やる気に満ちているのですが、大きなプレッシャーに押しつぶされそうになっています。
こんな時どうしましょうか?
恐怖に実態はありません。
ですから見えるかどうか、感じるかどうかはあなた次第です。
しかし、そうはいっても感じてしまうのは当然ですよね。では恐怖を感じなくするにはどうしたらいいのでしょうか?
あなたはさっきまで感じていた恐怖を感じなくなった経験はありませんか?
例えば、ミュージカルの発表だとします。
最初は確実に恐怖と緊張で失敗します。失敗の原因は明白で失敗したくないと
しかし、お客さんからして何が失敗かは分からないので失敗を失敗しているように見せないように振る舞うことで解決しました。
要するに考え方というだけです。完璧な歌、ダンス、動きなど相手には分からないのです。自分にできることは楽しませて、自分が夢中に熱意を込めて楽しむことなのです。
結果的に恐怖を感じなければ、成功したりするのです。
恐怖や不安は自分で引き出しており、見えないものに対して恐れてしまっているのです。
しかし子供の頃に言われていた『怖いのなら見ないようにしましょう。』といったことではありません。
見ないようにするのではなく、観るものを適切なものに変えてしまうのです。私たちは恐怖をただ見ているわけではないのです。
その恐怖が、会社員でいうと
会社の運命を左右する重大なこと
自分の出世に関わるようなサラリーマンにとって重要なこと
など、と捉えているのです。
目をそらせなくなる”蛇に睨まれたカエル”状態です。
ですから『見ないように、、、』などと言われても、そんなこと出来るはずがありません。
対策として、冷静に考えてみました。
今、すべきことな何なのか?を。
それは起こってもいない失敗に怯えたり、萎縮したり、備えたりすることではありません。
会社のプロジェクトの例であれば、
まだ新人の自分を信頼して任せてくれた上司が納得してくれる以上のものを提供したい!
単純に仕事の面白さに夢中になって楽しむぞ!
などでしょうか。
文章で読むと難しそうですが、実はこのカラクリは単純です。
失敗するかもしれない恐怖、もしくは他者からマイナスの評価に意識しているときは、自分が手にする成功や提供できる喜びは見えません。(リアルに感じることはできません)
しかし、自分が成長できる喜び、価値を提供できる喜びに意識しているときは恐怖やネガティヴな評価、言動が盲点になり見えなくなるのです。
どちらか一方しか見えないようなものです。両方見えてるという人もいるかもしれませんが、同時に見えているのではなくスイッチしているのです。意識すればみたい方だけを見ることが出来ます。
ですから、まずリラックスしてその仕事、タスクを何のためにやっていることなのかを再確認して、自分が得たいもの、もしくは提供したいものに適切に意識し直すことが重要です。
それをコーチングではゴールといいます。先ほど、恐怖から目を外らせると書きましたが正しくは『本来見るべきものに正しくロックオンする』ですね。
ゴールをしっかり意識して観ることで、
ゴールに対してどのような姿勢で望むべきか
このゴールを達成する自分はどのような人物なのか
今、何が必要で何に集中すべきなのか?(何を見ないのか?)
などが全て決まっていきます。
そうするとゴールに必要なことを精一杯やることで恐怖心は見えなくなり、結果的に恐怖をコントロールすることが可能になるのです。
まとめ
恐怖を感じている状態というのは、思考停止状態。
幼少期に無意識に受け入れてしまった”根拠のない価値観”を受け入れてしまっている。
100%失敗しない仕事ができる人なんていないということを理解する。
失ってしまうかもしれない恐怖より得られるもの、提供できる喜びに意識する。
リラックスして目的を再確認して、自分が得たいもの、もしくは提供したいものに適切に見直すことが大事。
恐怖に囚われた状態からリラックスするのは、初めは難しいかもしれません。
趣味は好きなことやワクワクなことなので失敗してもまた挑戦ができたりと
苦手に対してのハードルはありますが、客観視できたらいいですね。