「新型コロナウイルス肺炎の画像」その1

華医学会放射線学会の発表にあった「新型コロナウイルス肺炎の放射学診断」を抜粋してみました。

新型コロナウイルス肺炎のCT所見 

※内容に誤差が無いように、中文と日本語文で表記しています。 

中文(1)早期
表现为单发或多发的局限性磨玻璃阴影、结节(图5,图6),非常淡薄的小斑片磨玻璃阴影(图7,图8)或者大片磨玻璃阴影(图9,图10),多数磨玻璃阴影边缘不清,部分边缘清晰。
病变多分布于中、下叶,多位于胸膜下(图5,图6)或叶间裂下(图7,图8),或者沿支气管血管束分布。
磨玻璃阴影内的细支气管管壁有增厚(图11),可见细支气管的充气支气管征(图11),血管影增粗,边缘欠光整,邻近的叶间胸膜有轻度增厚(图12)。

日本語文 (1) 早期病変
・単一または多発の限局性すりガラス影、すりガラス状結節(図5、6)
非常に薄い斑状すりガラス影(図7、8)または広範囲なすりガラス影(図9、10)

画像1

图5,6 :女,32岁,无发热。CT平扫肺窗显示右肺下叶后段胸膜下(图5)及左肺下叶后段胸膜下(图6)小结节影,周围有晕征

図5、6:女性 32歳 熱なし
非造影胸部CTでは、右肺下葉胸膜下及び左肺下葉胸膜下に小さな結節影あり
周囲にHalo sign(リング状陰影)を呈する。


ほとんどのすりガラス影は境界不明瞭で、一部だけ境界明瞭
・病変の位置は中葉と下葉に多い
主に胸膜下(図5、図6)や葉間裂(図7、図8)、または気管支血管に沿って分布している。

画像2

图7,8 :男,38岁。CT平扫横断面(图7)及冠状面(图8)显示右肺下叶内侧段非常淡薄的磨玻璃阴影(红色方框)

図7、8:男性 38歳
非造影胸部CTでは、右肺下葉に非常に薄いすりガラス影(赤い枠内)
図7 Axial(横断)断面 図8 Cor(冠状断)断面

画像3

图9,10 男,50岁。CT平扫肺窗显示两肺大片磨玻璃阴影和斑片状磨玻璃阴影,多分布于肺的中外带、胸膜下。右侧斜裂有增厚(图9↑),左下后段胸膜下有实变(图10↑)
図9、10:男性 50歳
非造影胸部CTでは、両肺に広範囲のすりガラス影及び斑状すりガラス影を呈する。主に肺の中外帯(the middle and outer zone of the lung)と胸膜下に分布している。右斜裂が肥厚し(図9矢印)、左下葉後底区(Posterior segment)にコンソリデーション(consolidation)あり(図10矢印)

画像4

图11 男,51岁。CT平扫肺窗显示肺内大片和斑片状磨玻璃阴影,其内微血管增多,细支气管有支气管充气征,细支气管壁增厚,左下肺小血管周围有淡薄的磨玻璃阴影(方框)
図11:男性 51歳
非造影胸部CTでは、肺部に広範囲及び斑状すりガラス影を呈する。そのうち、微小血管が増加し、細気管支に気管支透亮像(air bronchogram)が認められる。細気管支壁が肥厚し、左下葉の小血管周辺に薄いすりガラス影(赤く枠内)


すりガラス影にある細気管支壁が肥厚し(図11)、気管支透亮像(air bronchogram)が認められる血管が拡張し(blood vessel lines thickening)、滑らかではない
葉間胸膜の軽度肥厚が見られる(図12)

画像5

图12 男,55岁。CT平扫肺窗显示左肺上、下叶见磨玻璃阴影,左侧斜裂胸膜轻度增厚、模糊(红色框内)。右肺下叶背段之亚段性磨玻璃阴影内细支气管柱状增粗(↑),胸膜下局部实变并有小叶间隔增厚、移位。

図12:男性 55歳
非造影胸部CTでは、左下葉及び左下葉にすりガラス影
左斜裂胸膜が軽度肥厚し、ぼやけている(赤い枠内)
右肺下葉下段(the inferior segment of the right lung)のすりガラス影にある細気管支が円柱状拡張(矢印)
胸膜下に限局性コンソリデーション(consolidation)あり、小葉間隔壁の肥厚・転位を伴う。


独りごと:CT画像だけを見ると、今まで発表されたウイルス性肺炎の特徴と同じような所見ですね。

※これは中国で発表された内容なので、転用等しないでください。

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