幸福日和 #035「あの頃の自分に会いにいく」
皆さんの手元には、
過去に書いた作文や
卒業文集などはありませんか?
小学校の時のものから、
中学、高校の時のものまで。
手に取るのは、何年ぶりでしょうか。
家の奥から引っ張り出して眺めてみてください。
懐かしい気持ちとともに、
夢に希望を持ち、未来に心躍らせていた
「あの頃の自分」に会いに出かけましょう。
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そこには何が書かれているでしょうか。
今となっては、
すでに忘れてしまったことかもしれませんが、
そこには、当時の自分が間違いなく
「夢中になっていた出来事」が
書かれていると思うんです。
僕の場合でいえば、
・昆虫採集に夢中になっていたこと。
・アンネの日記を読んで可哀想だと感じたこと。
・将来は野球選手になりたいということ。
なんでもないようなことですが、
誰もが幼い時には、将来のことなんて考えず、
ただ「好きなことのみ」に向かって、
「今を夢中」になって楽しんでいたのではないでしょうか。
そうやって「過去の自分」と再会することで、
今のあなたの背中をひと押ししてくれる
ということがあると思うんです。
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僕自身、
過去の自分の言葉に助けられたことがあるんです。
社会人になって数年後のこと、
自分の仕事もやり方に
悩んでいた時期がありました。
企画の仕事をしていた当時
数々の提案案件をこなしながらも、
管理職としても数字と実績を出すことを求められていました。
いつまでも表現者としてのプレイヤーでありたい自分と、
組織の一管理者として振舞わなければならない自分のなかで葛藤した日々。
企業で働く人間にとっては
多くの人が通る道かもしれませんね。
故郷に帰省したある時のことです。
ふと高校時代の文集を見たことがあったんですね。
その中で、僕自身が書いていたことは、
「世の中を楽しくしていきたい」という言葉でした。
当時の僕は、絵や文字を描いたり、空想するのが好きな少年で、
とにかく日常を楽しくしていきたいということ、
友達を喜ばせたいということばかりに
夢中になっていたのを思い出したんです。
些細なことでしたが、その過去の文集を通して、
過去の自分の言葉が、当時の自分に深く刺さりました。
そのことが一つのきっかけとなり、
僕は自分で独立していくことを考えるようになったんです。
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素直に何かに向けて突き進もうとする
幼きあの頃の自分。
気がつけば、大人になるにつれて、
忘れてしまっていたことがあります。
人は他人の励ましで支えられることもありますが
それ以上に、過去の自分の言葉に
救われることだってある。
何かに行き詰まった時、
そんな自分の言葉に触れてみる。
自分のことは、
やはり自分が一番よく知っているのかなと。