幸福日和 #061「時には、習慣から離れてみる」
日頃から、自分の習慣というものは
大切にしていきたいと思いながら過ごしています。
朝日を迎えながら水平線を眺めることだったり、
グラス一杯の水をいただくことだったり。
こうして言葉を綴ることだったり。
でも、時として厄介なこともあるんですね。
習慣に「流されて」しまうことがありますから。
人には慣れてしまうと、
大切だと思っていたことを忘れてしまうことがあるし、
そもそもの目的を見失ってしまうこともある。
そして、知らず知らずのうちに
誰かを傷つけてしまうということすらあるかもしれません。
お互い好きで一緒になったはずが、
ずっと一緒にいるあまり
側にいること自体が苦痛になってしまう。
人は豊かになるために経済を発展させ
社会を支え合ってきたはずだけれど、
気がつけば利益の奪い合いをしてしまっている。
慣れというものは恐ろしいものです。
だから時には、そうしたものを見失わないように習慣から一度離れてみるんです。
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いつもの習慣から離れて、
毎日何か一つを変えてみる。
僕が日本にいた頃、
幾つか実践していたことがあります。
それは日常の「あたりまえ」をズラしてみること。
世の中は意外と些細な習慣で溢れています。
たとえば、人は同じ場所に座る習慣がありますが、
若い頃の僕は、毎朝の通勤で座る座席を変えていました。
そうして、毎朝違う場所から景色を眺め、また乗客を観察していたんです。笑
そこには人それぞれの過ごし方や、時間の使い方がある。
そうしたものに触れる中で、人というものを客観的に眺めていました。
変な趣味?に思われるかもしれませんが、
実はこうしたことを毎日繰り返しているだけでも
観察眼は相当養われたものですし、
その数年後には人を雇用する際に役立ったんですね。
また、毎日オフィスの席を変えていくこともしていました。
自分の席で仕事をすることが当たり前だった時代に。
毎日自分の席を変えるだけで、
会社や部下の動きがよく見えるものですし、
一つの仕事が別の角度からもよく見えてくる。
今まで気がつかなかった、
社員の仕事に対する工夫も身近で垣間見れることもありました。
人がいつも当たり前にしているようなことを
少しだけ変えていくことで、
毎日の景色はかわるもの。
そして大切なことに立ち返ることができる。
方法は他にもいくらでもありますよ。
些細なことですが、
例えば、ランチのお店を毎日変えてみたり、
毎朝の一杯のコーヒーを違う銘柄のものに
切り替えてみるのもいいかもしれません。
曜日によって仕事の内容を変えたり、
定期的に会う人を変えてみる。
習慣を辞めるのではなく、その習慣を活かすために
一度いつもの習慣から離れてみる。
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身近な何か一つを変えていくと、
不思議なことにあらゆる変化に繋がっていきます。
そしてそこで「変わらないなにか」にも気がつくはずです。
その変わらない何かが、自分にとって大切なもの。
それを育むためにまた新しい習慣を作って育んでいけばいい。
大切なものを見失わないように。
習慣の中に埋もれてしまわないように。
工夫をしていきながら
日々歩んで行けたらと思っています。