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孤島の窓辺から #006「変えてはいけないこと」
遥か孤島の窓辺がら、
耳を澄ませていると、
遥か彼方から鐘の響きが聞こえてきます。
どこかの教会からでしょうか。
不思議ですね、
この近くにそんなものはないはずですが。
そういえば、
先日、消失してしまったフランスのノートルダム大聖堂が、
復元されるそうですね。
現代的なデザインや、
新しい試みも検討された結果、
「昔のままの姿」で復元するべきだとの声が広がっているようです。
✳︎ ✳︎ ✳︎
残すべきことと、
変えなければいけないこと。
そのことについて、
海を眺めながら考えています。
変えてはいけないものを
変えてしまったという経験が
僕個人の経験としていくつかあるからです。
例えば、
企画の仕事をしている人は
よくわかると思うのですが、
現状の企画やデザインが素晴らしいのに、
会社の利益を確保するために
無理に何かを変えてしまうことが度々ありました。
一部を変えて、
全体として作り上げられていた
秩序を崩してしまうこともありました。
また、日常を眺めていても
予算を使い切るためだけに、
街のインフラをいじり、国中を継ぎはぎにしていく
なんてことは毎年してますよね。
無理に何かをしなければいけない。
変えていかなければいけない。
それならば、
いっそのこと変えなければいい。
そういう選択もあるのだと思うんです。
目的を間違えて、
そのものの本質を書き換えてしまわぬように。
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良いところは受け継ぎ、
継承していくべきものは継承していく。
その裏側で、
現代の先端技術や仕組みで補うことで
伝統と共存することもできます。
「一時代の軽薄な判断」によらずに
素直に伝統を受け継ぐべきこともあるのかなと。
今回のノートルダム大聖堂の件で、
フランスの人々の伝統への
敬意の姿勢を感じています。
変えるべきところと
変えてはいけないところ。
そのバランスを常に失わないように。
両方の視点を持って、
物事と向き合っていきたいものです。
自分自身への自戒も込めて。
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