![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/49220480/rectangle_large_type_2_9de25c0d0a26174c3fa333237cbbe4f9.jpg?width=1200)
幸福日和 #098「毎朝の数分」
日本での仕事に一区切りをつけ、
世界各国を放浪していた頃のこと。
僕は滞在先のどの国でも、
朝の習慣にしていたことがあるんです。
それは、
その土地の「祈りの場所」に足を運び、
その場所で朝の時間を過ごすこと。
例えば、
香港や東南アジアにいた時は、
毎朝、寺院に通ってはその土地の人々の
お祈る姿を眺めていたんです。
また、ヨーロッパに滞在していた時、
パリでは、セーヌ川の辺りを歩いては
小さな教会へ通っていましたし、
ミラノでも薄明かりの教会の中で、
ほのかに入り込んでくる光を仰ぎ祈りを捧げる人々を見つめ、
静かな時間を過ごしていました。
僕はクリスチャンでも仏教徒でもありません。
それでも、信仰とともに一日を始める
人々の姿に触れていたいという思いがあったんです。
日本から離れ、どこか空虚な自分に
心の拠り所を求めていたのかもしれません。
✳︎ ✳︎ ✳︎
そうして、
毎朝、祈りの場所に足を運んでいるうちに
とあることに気がついたんです。
教会や寺院といえば、
多くの人は神様や仏様に祈りを捧げているのかと思いますが、
決してそうではなかったんですね。
一人一人が、
「それぞれの対象」に向けて祈りを捧げていたんです。
勉学に励む青年は、
学校に通う途中で協会に立ち寄り、
学業への思いを祈り捧げて学校へ向かい、
スーツを着た紳士も
行儀よく帽子を取ってビジネスへの思いを
巡らせていたようでした。
また、ある女性は、
一枚の写真とともに祈りを捧げていました。
話をきくと、それは闘病中の母の写真とのこと。
人それぞれに、
祈りや願いがあるのだと気付かされました。
そうして静かに
一日を迎えていく人々の姿に触れて、
心揺さぶられる思いでした。
毎朝の数分の習慣の中にこそ
彼らの生き樣を垣間見た、、、、。
✳︎ ✳︎ ✳︎
「毎朝の数分」
それは、
昼や夜の数分とは比べ物にならないほどの
重みがあるのだと思う。
あの頃、世界の人々が毎朝祈りを捧げる光景を
思い出しながら、そのように考えるようになったんです。
そうした時間にこそ、
自分の大切な思いと向き合っていたい。
その数分が、その日の数時間をつないでゆくし、
それが365日も続けば、
限りなく、自分の人生を歩んでゆける。
✳︎ ✳︎ ✳︎
そんなこともあって、
僕も毎朝の数分を大切にするようになったんです。
時間にしてみれば、
たった5分にも満たない時間だけれど、
毎朝起床するなり「一冊の小さなノート」を開く。
そこには自分の夢や願望、
数年後に実現したい未来が書かれているんです。
一ページ一ページを丁寧にめくりながら、
自分の肉筆で書かれた
その未来への思いをなぞってゆく。
そうして、
目覚めたばかりのまっさらな頭の中に、
その余白の中に、
自分のおもいを流し込んでゆくんです。
不思議なことですが、
その時は実現するかどうかわからないことでも、
毎朝のその数分の習慣を繰り返すだけで、
その方向へ向かってこられたし、
多くのことを実現させることもできた。
毎朝の数分の祈り。
それを繰り返すだけで、
日常が見違えるように変わるんです。
✳︎ ✳︎ ✳︎
皆さんの大切にしているもの
それはなんでしょうか?
その大切なおもいを、
ぜひ一日の初めに思い描いてみてください。
毎朝の数分でいいんです。
大切な家族の写真を眺める、
いつか行ってみたい地図を広げてみる。
自分の会社の未来を思い浮かべる。
人それぞれに
おもい、祈るべきものがあると思うんです。
その小さな祈りの積み重ねが、
必ずあなたの未来を支えていくことになりますから。
いいなと思ったら応援しよう!
![Ryota【孤島物語】毎日更新](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/25339354/profile_392d87a03c7679bc54c7fa3b7d71ad32.jpg?width=600&crop=1:1,smart)