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居心地悪く、28歳になった


 今週の金曜日で28歳になった。


 28歳ともなると、周囲の同世代の人間は着々とライフステージの階段を駆け上がっていっているようで、久々に集まっても結婚の話とか同棲の話とかの割合が増えてくる。


 しかし哀しきことに、そういう同世代の集まりの中でも僕だけが依然として孤独な独身であり、僕だけが依然として実家暮らしを続けており、僕だけが依然として可処分時間をTVerやYoutube、Netflix等に侵食されていた


 というか、そもそもそういう可処分時間が発生している僕みたいな人間自体がマイノリティ化してきていて、他の同期とかは同棲相手との今後のこと、具体的には住居のこととか金銭のこととか、既婚者の同期に関しては住宅ローンのこととか将来の家庭のこととかについての話し合いに時間を費やすのに忙しいようだった。


 皆堅実に人生を進んでいるんだなあ、と他人事のように思う。まあ実際に他人事なんだが。


 それでもやっぱり自分だけ取り残されていっているような寂寥感を感じるのも確かで、そして得体の知れない焦燥感のようなものを感じるのも確かで、そんな自分の生きている現実を認めたくなくて、逃げてばかりいたら28歳になっていた。


 もうそろそろ流石に一念発起して真っ当な人間としての道を歩み始めよう、という気持ちはあるのだが、ここ数年の誕生日に毎回のように抱くこの感情を毎年自覚すると共に、自分の怠惰な精神性を改めて思い知らされて嫌になる。きっと根幹的な部分でそういう人間なんだ僕は。


 このままだと圧倒的な怠惰さと無気力さが災いして、何かを成し遂げることもなく人生が終了してしまう。


 だって最近なんかNetflixで『地面師たち』観すぎて「最もラディカルで、最もアグレッシブで、そして最もセンシュアルなやり方で、いかせていただきます」っつってファミマで買ってきたスパイシーチキンに七味唐辛子とハバネロソースをふりかけながら食う遊びに興じるようになっちゃったからね。いやそんなことしてる場合じゃねえんだよ。この現状というか惨状をなんとかして変革しないとダメだ。


 世間一般的には28歳というと、三十路手前ということでもうある程度成熟した大人という印象が強いだろう。しかし僕の精神年齢は上がるどころかどんどん退行していき、買うお菓子も最近『ねるねるねるね』とか『シゲキックス』とか『キャベツさん太郎』とか、小学校の遠足御用達みたいなラインナップになってきた。いや別にお菓子は何食っても美味けりゃ良いだろというところはあるが。


 未だに実家暮らし状態を脱却出来ていないというのも精神の幼児退行化に少なからず影響していると思う。まあ早く一人暮らししろよというシンプルな話ではあるのだが、そうシンプルに解決出来ていたらこんなに色々な面で困窮していないわけで、多分前世の宿業か何かがあって長期間の実家暮らしを運命づけられているのだと思う。


 もしかしたら前世で最もフィジカルで最もプリミティブで最もフェティッシュな行いをしたのかもしれん。その因果としてこの土地からどうやっても離れられなくなってしまったのかもしれない。なんていうのは全部戯言で、本当は一人暮らしをするのには家庭的に障壁が多すぎるという、単純なようで複雑な事情があるのだが。


 良いよな~、真っ当な家庭に生まれ育って、真っ当に結婚式に縁者を呼べて、真っ当な幸福を享受しながら生きていける人間は。


 僕なんか最近の深刻な悩みが「福原遥ちゃんのファンクラブに入りたいけど会報誌とかが親に見つかるのが嫌だからなかなか入会に踏み切れずにものすごい葛藤を抱えている」ってヤツですからね、これ怖いでしょ、何が怖いかってこれ言ってるのが14歳とかならまだわかるけどこれ言ってるの28歳ですからね、Yahoo!知恵袋で「家族の目を気にしてFCに入らないという選択をするのなら、それも良いでしょう。それはあなたが決めることです。まあ、あなたの気持ちがそこまでだったということでしょうね」みたいな回答がされそうな悩みを抱えているのが28歳独身男性なの怖~。


 オイ、誰の気持ちがそこまでのものだって?カテゴリーマスターだか何だか知らないが俺の福原遥ちゃんへの病的な愛を舐めるなよ?どれだけ福原遥ちゃんが俺の精神的支柱になってるか今から懇切丁寧にご教示してやるからそこに正座しろ、と書きたいところだが万が一奇跡的に本人がこの投稿を何らかの偶然で目にした時に普通に怖いだろうからそれは差し控えさせていただく。ただ純粋に応援したいだけだから出来るだけ遥ちゃんに迷惑はかけない形でこの心情を表現したい…………が、今までの文章を振り返ってみるとやっぱり怖いだろ。トヨエツの真似しながらスパイシーチキンの辛味を増やしていくという奇行に及ぶような人間から向けられる感情ほど怖いもんこの世にねえよ。


 でもこんな内面が汚濁しきった人間であるからこそ、YouTubeとかで遥ちゃんの笑顔を見るだけで心の澱がみるみる浄化されていくし、自然と涙ぐんでしまうぐらいには遥ちゃんに救われているから本当に生まれてきてくれてありがとうという気持ち。

 誕生日を迎えて自分は祝福されるべき人生を歩んでいるのだろうかという猜疑心に苛まれたけど、遥ちゃんの生を祝福するための生として、祝福されるべきではわからないが必要な生としてこの世に存在しているのだと思えるようになった。

 …………最終的に無理矢理感満載の自己肯定に帰着させるというね。ちょっと途中何を書いているかあまりわからなかったと思いますが安心してください、僕が一番何を書いてるのかよくわかってません。


 まあ、現在遥ちゃんが主演のドラマ『マル秘の密子さん』が4話ぐらいから加速度的に面白くなってきてるからこの件はとりあえず良いとして(読者諸賢もTVerのお気に入り登録して再生回数ブン回してくださいな)。


 僕の場合、プライベートが恐ろしいほどに空虚だからといって逆に仕事が充実してる訳でもない。仕事というか労働だ。「仕事」というのは自ら率先して意欲的に取り組めるというポジティブなニュアンスを含んでおり、それに対しあくまでも苦役的で、後ろ向きなニュアンスを含むものは「労働」と呼ぶのだと、たしか昔何かの本で読んだ記憶がある。


 だからこのアカウントのプロフィール欄に書いてある「辞めたい仕事も辞められないこんな世の中じゃ~POISON~」という文言も本当は「辞めたい労働も辞められないこんな世の中じゃ~POISON~」とするべきなのだろうが、それだと原曲の「言いたいことも言えないこんな世の中じゃ~POISON~」と語感が微妙にズレるからあえて「仕事」とした。「言いたいこと」の「こと」と「仕事」の「ごと」って部分が微妙に重なってるじゃんか……いや、どこに神経配ってんだよ。もっと他に配意すべきものあるだろ。


 話を戻そう。


 しかしそれにしても、二極化が過ぎるだろうと思う。かたや堅実に人生を前進する者、かたや人生という軌道からゆっくりと、しかし着実に転落していく者……幸福を感じる者はどんどん幸福になっていき、不幸を感じる者はどんどん不幸になっていくという貧富の格差的社会問題が浮き彫りになってくる。


 巷でよく言われるように他者と比較するからいけないんだろうな。池田エライザちゃんとか阿部華也子ちゃん、若林有子ちゃんとか渋谷凪咲ちゃんみたいに同じ1996年生まれで活躍してる人たち見てると感嘆と絶望が襲ってくる。


 同年代の人たちがこんなに活躍しててすごいなーという浅い感嘆と、なんで同じ1996年生まれなのにここまで差がついた……?という深い絶望。そもそも芸能人と比較するのが間違っているような気もするが。


 でもやっぱ『ボクらの時代』みたいな番組に出られるぐらいに名実共に傑出した人間になって池田エライザちゃんとかと鼎談したいという、超個人的な謎欲求を抑えられないんすよ。


 もう聡明な読者諸賢ならお気付きだろう、筆者が将来的に自分は『ボクらの時代』に出演出来るぐらいの潜在性を秘めた人物なんだと自己暗示しないと生きていられない状態まで来てしまっていることが。


 取って付けたようなナルシシズムで全身をコーティングしてないと立ってられないほどの卑俗な人間になっちまったんだなァ俺は……。


 誇大妄想ばっかに囚われて現実にちゃんと対峙しないからダメなんだろうなきっと。


 と、散々自己卑下を繰り返してきたが、性懲りもなくまた根拠のない願望、一縷の望みを抱いているのも事実で、というのもやっぱりなんだかんだ言っても僕は文章を書くのが好きだし、ありがたいことに最近色んな方からこのnoteを面白いとか好きとか、唯一無二とかセンショーナルとかアヴァンギャルドとかペヤング並の中毒性とか言っていただける機会が少しずつ増えてきたので(後半の方は筆者の誇大妄想なので実際には誰にも言われてないのだが)、すべてが奇跡的に好転すればこのnoteを通して何らかの活路が見出せるんじゃないかと思えてきた。


 とはいってもまだまだ無名というか、一部の慧眼を持った方にしか認知されていない状態なので例えるなら今このnoteは『ONE PIECE』でいうところの『東の海編』みたいな境地にある。でもなんだかんだ『東の海編~アラバスタ編』ら辺が結局一番冒険の序章的高揚感を覚えたじゃんか、だから今のこの状態を味わえるというのは非常に幸運なことなのかもしれない。 


 よし行くぞ野郎共!!船に乗れ!!過剰な自意識と肥大化した承認欲求によって内側から穴がたくさん開いちまってもうボロボロだけど!!この沈没必至の船で起死回生を賭けて出航だ!!


 ……いや誰も乗らんのよそんな船。ルフィ的モノホンの主人公から「さっきから聞いてればお前……年齢という物差しだけで人間を測るのをやめろよ!!(ドン!!)」って言われて強制不時着で即航海終了なのよ。


 はい、ということでこの先の人生が思いやられるような文章を長々と書いてしまいましたが、当noteは「気の向くままに奇文珍文を書いてるだけで生計を立てられる」という桃源郷を目指してこれからも荒波に揉まれながらグランドラインを奔走、または迷走する所存でございますので、一緒に航海をしてくれる、または対岸の火事を観察するような気持ちで冷たく見守ってくださる心づもりの方々は今後もどうぞよろしくお願い致しま~す。


 ここまで気の遠くなるような長文をお読みいただき、誠にありがとうございました。


 おわり

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