「人の役に立ちたい」とは思わない
会社の面接で志望動機を聞かれた時に、「人の役に立ちたいからです」と答える人がよくいる。
入社面接に限らず、現在何らかの職(主にサービス業)に就いている人に「何故この仕事を選んだんですか?」と聞いた場合も、「誰かの役に立ちたいから」という回答をされる場合が多いだろう。
そういうシーンを目にする度、僕は「ホントか?」と思ってしまう。
僕は薄情ながら、心の底から「人の役に立ちたい」と思ったことがないからだ。
日々の労働に精神を磨り減らされてしまい、誰かの役に立ちたいという想いを抱くどころか、むしろこっちが助けを求めたい。
まあでも、「人の役に立ちたい」と思ったことはないが、今の僕みたいに精神的に窮地に陥って、ネガティブな真っ黒な感情に全身を支配されてしまった人を救いたいという想いを抱いたことはある。
コミュニケーション能力が著しく低いために人間関係が上手くいかなかったり、
親との確執や機能不全家族問題に悩んでいたり、
シャツを表裏逆に着ていたことに一日中気付かなかったり、
午後の紅茶を午前に飲んで謎の罪悪感を抱いてしまったり、
力加減を間違えてなかやまきんに君ばりにパスタに大量の粉チーズをイッツ・マイ・ライフしてしまったり、
契約してるサブスクを極力減らしたいのにドラマ『ロキ』シーズン2の3話まで視聴するのに3ヶ月以上かかってディズニープラスをなかなか解約出来なかったり、
休日に遊ぶ友達がいなさすぎてグーフィーのぬいぐるみの頭を意味もなく撫で回し続けた結果30分ぐらいの時間を無駄にしたり(ディズニーに搾取されすぎだろ)、
そんなどうしようもない僕みたいな八方塞がりの人間を救いたいという気持ちはある。
後半の荒唐無稽な例はともかく、周囲の人間関係によって疲弊しきってしまっているという人は今の時代、少なからずいるだろう。
出来るなら僕はそのように闇の沼に引きずり込まれてしまった人たちを救い出したい。
「人の役に立ちたい」という人は、過去に何かをしたことによって人から感謝されて嬉しかった、みたいなバックボーンを持っていがちだが、僕には「人から感謝されたい」みたいな気持ちはあまりない。
憲法にもあるように、人間が健康で文化的な最低限度の生活を営むことは当然の権利であり、その前提には人間の平穏な精神状態が存在しなくてはならない。
だから僕は、平穏な精神状態でなくなってしまった人の心は、少しでも元の健全な状態に修繕されるべきだと考える。
ずれてしまったものを元の状態に直すのは当たり前のことだから、仮に何らかの方法で、僕が傷ついた人達の心を治癒できたとして、感謝される謂れはない。
そういった意味で、「人の役に立ちたい」と「絶望の中にいる人を救いたい」という感情は、似て非なるものである。
「人の役に立ちたい」という感情はプラスアルファを与える作業に繋がり、「絶望から人を救済したい」という感情はマイナスをゼロに戻す作業に繋がるのだ。
え、どういうことかわからないって?正直僕も自分で書いててよくわかりません。
編集力の無さを誤魔化すかのように話を少し逸らすが、僕は毎週『キョコロヒー』という日向坂46の齋藤京子氏と芸人のヒコロヒー氏が出演しているトークバラエティをTVerで視聴している。
先日たまたまこの番組の制作スタッフである船橋氏という方のnoteを見つけたのだが、記事の中で「面白く、かつ、嫌な出来事があった時とかでもそれを見ることによって少し現実逃避できるような唯一無二のバラエティを作りたい」というような旨のことを書かれていた(noteの記事に他のSNS上で言及されたくないようなことも書いてあったので詳しい記述は差し控えさせていただく)。
僕はこのスピリットに非常に賛同したし、願わくばこのnoteもそういうコンテンツになれれば良いな、と思った。
学校でいじめられたり会社で上司から理不尽な叱責をされたりして精神的に参っている読者諸賢の方々がいるとしたら、大丈夫です。安心してください。
あなた方と同じように過去に学校や会社で苦い経験をしてきた筆者こと僕は蓄積されたストレスを何一つ有益なものに還元することなく、その代わりに毎週阿呆みたいなnote記事を更新し続けています。もはや阿呆を通り越して生きている意味すらわかりません。
そうです。おわかりの通り世の中には自分よりも下の存在がいるんです。そのことに気付いたら卑屈な笑みを浮かべながら胸を撫で下ろしてください。
かくいう僕自身は現在、誰かのnoteを心の拠り所としている訳では無いんですが、代わりにラジオを精神的避難所として日々の生活をなんとかやり過ごしています。
特に深夜ラジオ番組は言っちゃ悪いけどリスナーの層も色々な意味でダーティー寄りだから馴染みやすい。
ならラジオDJになればいいんじゃないかという意見もあるだろうが、残念なことに僕は喋りの技術が絶望的に欠如しており、ひとたび発声をするだけで半径50cm以内に存在する人間をたちまち不快な気分にさせるという異能力者なので(声量と肺活量が悪い意味で人間離れしているので半径50cm以内に存在する人間にしか効果を発揮しないところが玉に瑕である)、喋りよりはかろうじて伝達力のある文章の方でお気持ちを表現させてもらおうといった魂胆である。
でもシンガーソングライターのaikoがラジオ内で言ってた(らしい)「笑うのが苦手な人、人ごみが苦手な人、会社が苦手な人、明日も良い日でありますように」というフレーズはずっと念頭に置いたままこのnoteは続けていきたいですね。
まあ結局何が言いたかったかというと、aikoの『ストロー』は名曲だということです。
おしまい
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