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なぜSNSで直売をはじめたか〜祖父母との畑仕事で感じること〜

最近はSNSを通じて野菜の直売をおこなっている。

つい最近までは考えられなかった販路だ。Twitter、Instagram、Facebook。

農協へ出荷するほどの収穫量もなく、今では家で食べる量、親戚に配る量の野菜しか作っていない。それでも余ってしまうので数量限定でおこなっている。

いわゆる早い者勝ちだ。

最初はただの暇つぶし

祖父母はすでに80歳を超えている。もう無理もできない歳で、家で過ごすことがほとんど。好きな野球をみて、演歌歌手をみて、新聞記事を読んで。

祖父は車の運転も辞めている。免許の返納はまだだが、すでに運転は1年以上やっていない。

祖母はまだまだ元気。ただ暇だということが増えた。

2人とも昔から農作業が仕事で、僕も昔から一緒にやっていた。いまは趣味程度なもの。その畑を使って僕もいろいろ今では作っている。

ただそれでも家にいる時間が長く、最近は暇だったみたい。

もちろん無理はできないけど、何かやりたい。でももうできない。昔からバリバリ働いていた2人だったので、たまには楽しみを見つけて何かしたかったみたい。

そんな気持ちはひしひしと伝わり、何かのきっかけになればいいと思い、野菜を欲しい人に売ってみた。

全てSNSのみでの販売。僕も今までの仕事を組み合わせてやってみた。

2人のために仕事を作ってみようと思った。

思いのほか大盛況

実際に収穫作業などを上げて欲しい人を募ってみたら大盛況。

いまは1日1箱発送限定で販売している。

あくまで祖父母が楽しいと思えるスピード感でおこなっており、のんびりとやらせてもらっている。

僕だったらあと〜箱できるけど。そんなことは関係ない。

2人が楽しいか楽しくないかだけ。

それでも注文が届くと嬉しいみたいで、最近は祖母の工夫の手書きのメモを入れている。

内容は買ってくれた人だけの秘伝のレシピ。

こんなの役に立つの?って祖母はいうけど、すごい知識なんだよ。

何を入れてあげようか。漬物をみれてみたらどうかなと祖母のアイディアが止まらない。湧き出る泉かのごとく、どんどんやりたいことをやって詰めてる。

梱包作業は全て祖母のおまかせコース。

出荷のタイミングは祖父の目利きが大切。僕にはまだできないスキル。

僕はその分山へ行きなめこの収穫などをやって、3人で出荷作業を楽しんでいる。

最近の日課だ。

どう喜ばせたいか


買ってくれた人にはこそっとお願いをしている。

それは『暇な時にSNSに投稿してくれないか』ということ。

祖父母はそれを見るのが最近面白くてたまらない。

そう。祖父母に見せるためだ。

リピーターの方や普段SNSを使っている人たちは気兼ねなく協力してくれる。

どう自分たちの野菜が調理されて、喜んでくれているのか。

どんな人たちがなんでスーパーで買わないで、自分たちの野菜を買ってくれるのか。

それは生産者でも知りたくてたまらないもの。

特に祖父母の年代だとSNSは別世界みたいなもの。

それをみて、感想まで書いてくれるんだから、それは本当に嬉しいみたい。

野菜の直売は2人にとって生きる活力の源となっている。

価値と対価

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自分たちの田舎の当たり前は都会にとって当たり前じゃない。

僕の生まれ育った場所はこれが当たり前。でも都会の人にとって未知の世界。

東京やドイツなど様々な場所に住んだ経験がある僕にとって、地元の価値というのは計り知れない。

マタギの孫として鳥をシメていたことも当然あるし(いまはやっていない)、山で山菜も普通に採っている。

でもそういった日常が当たり前だと、なかなか何に価値があるのかわからなくなっている人も多いはず。

その価値観のズレに対価が生まれると思っている。

ただそれに気づいていない人が本当に多い。

自分たちの当たり前ってお金になる

田舎では物々交換が当たり前。昔からそう。

お金をもらうのが汚いという考えがまだ田舎では根強いが、

物と物を交換する必要をなくすために紙幣制度というものがある。

そのためお金を頂いている。

むしろ田舎の場合、頂かないと、一生この物々交換が終わらない......

親戚のお歳暮祭りみたいな感じ。もらったら返さないと。そんな気持ちが昔から強い傾向にある。

話しがズレたが、自分にとっての当たり前の日常は大きな価値がある。

それに対価を受け取るには、そのズレが何かに気づくことが必要だ。

案外僕たちは当たり前の価値に気づいていないだけかもしれない。

自身の当たり前に、自分で気付けると見方が変わる。

見方が変わり、対応が変わる。対応が変わり行動が変わる。

そんな一連の行動の変化が周りに影響を及ぼす。

配達員に持っていってもらう段ボールをみて、ふとそんなことを思う。

【参考記事】



僕の活動に共感、応援したいと思ってくれる方はいましたら支援をして頂けたら幸いです。野菜栽培をする際に必要な備品や種代に使用させて頂けたら嬉しいです。