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音声問題のアドバイス?『日本語教育能力検定試験』合格分析談5(同時処理型の人向)

音声問題は得意でした。
同時処理系の人は、比較的得意なのではないかな〜・・・とも思っています。
私の攻略法と、考えられるアドバイス(苦手な方向け?)を、まとめて書いてみます。
参考になれば幸いです。

2018年、日本語教育能力試験に合格した。独学である。
本年度の試験要項はこちら
合格者が、一般的にどれくらい勉強しているのかわからないが、
私自身は、ここに書いてきた”認知処理型”の考えを活かして、少なめの勉強量で合格したように思う。
合格体験は、どうしてその学習法を取ったのか、そこの分析がないと、それを読む他人には活かせないと思う。だから、丁寧に分析をして、誰かの役に立てたらいいな、と思って書く。
一人ぼっちで勉強していたので、孤独だった。今、一人で学んでいる誰かに寄り添う内容になればいいな、と思いながら、書く。記事4、5本になると思う。(知識学習I期。知識学習II期。音声学習←今回ココ。記述問題対策)

●同時処理の人は音声問題が得意なんじゃないかと思う理由

1.アメリカでの日本語教育研修の時の経験
アメリカワシントン大学で受講したJapanese Teacher Training でも、音声の授業があった。ここで、「この発音は何を間違えているか?」という問題があったのだが、私ともう一人(パワフルイングリッシュ男子(この記事に登場))だけが、難なく問題をクリアしていた。私と彼は、皆が何が難しいと思っているのか、わからないのだ。普通に、自然にわかる。
今思うと、彼と私は、同時傾向が強く、他の皆は継次傾向が強かった気がする。語学堪能者は、継次が強い人が多いと思う。
2.同時傾向の人は、文字や音をカタチで捉える傾向がある
今、ディスレクシアが強く疑われる中学生に勉強を教えている。また、私自身や、私の身内も、ディスレクシア傾向がある。そして、これらの人たちは一人の例外もなく、同時処理傾向が強い。
ディスレクシアの人の文字の捉え方は、経験上、こんな感じ。

ディスレクシア傾向のある人の文字の捉え方

これは、経験上の話だけれど、まぁ、間違っていないと思う。細かいところが見えてなくて、ホワッとした形でまず捉え、あとは記憶に残っている音やその他のヒントを手がかりに文字を覚える。だから、似た形に分類されるものは間違える。単語が何文字で構成されているかも印象に残っている。カタチと音なのだ。
ディスレクシアの子どもの指導に、「大きな字を書かせる」というのがあるが、それは大きく書くことによって、細部を意識させるためだ。
それと同様に、私は例えば音声を聞くと、初めからこういう図が頭に浮かぶ。音声問題だと思わなくても、初めから、こんな感じに聞こえるのだ。

Bは、今教えているカンボジアから来た人たちの、初めの頃の発音。
こんなふうに、私の頭の中では、言葉を聞いた瞬間に、文字が上がったり下がったり、音の通りに配置される。
だから、日本後教育能力検定試験のアクセント問題は、あまり考えずに普通に解ける。
言葉を捉える時の感覚が、人によって違い、
私(と私に似た認知型の人)は、こういう点でアドバンテージがあるのだろう。

●まずは、日本語の子音の調音点の表を覚える

音声問題を解けるようにするには、まず、何はなくとも『日本語の子音の調音点』の表をしっかり覚え切ることをアドバイスしたいと思う。表を自分で再現できるようにする。もちろん、「口蓋」などの言葉や位置も理解し覚える。覚え方は、テキストなどに載っている。
ここに出てくる調音点をまず覚え、それから、その表に絡める形で、口腔断面図での子音の調音点・調音法を覚え、さらに音声記号を覚える。音声記号は、多そうでいて、しっかり覚えなければいけないものは少ない。
まずは、調音点の表。これを避けていると、いつまでも問題は解けないと思う。まず初めに覚えてしまえば、あとはやることはそう多くはない。

●アクセント問題は、聞こえてくる音を「タタタタ」に変える

これは、上記のカンボジアの人たちの発音を直すときに試したことの逆バージョンだ。
彼女らのアクセントを直すために、はじめは「よろしく」と「おねがいします」を分けて復唱させてみた。すると、それぞれは、正しく発音できる。
ところが「よろしくおねがいします」と長くなった途端に、私の音を復唱しているにも関わらず、上記のようになってしまう。職場などで染み付いた習慣が出てしまうのかもしれない。
ホワイトボードに言葉と音の高低を書いたり、発音しながら手で音の高さを表してみたり、何をやっても同じ症状のままなので、あきらめかけた・・・。が、ある日、どこかで見た方法を試した。
音を全て「タタタタ」に変えて、復唱させてみた。
「よろしくおねがいします」も「タタタタタタタタタタ」にして何回か復唱。
すると、次に「よろしくおねがいします」を言ったときには、すっかり綺麗なアクセントになっていた!
たぶん、私がカタチとしてアクセントを捉えるのと、意味のついたしかも様々な違った音で構成される文の、ちょうど間が「タタタタ」なのではないかと思う。意味や音の違いをなくす。そういう情報を削ぎ落とすと、アクセントが見えやすくなるのではないだろうか。
だとすれば、アクセント問題も、頭の中で「タタタタ」に置き換えると、できるようになるかもしれない。試したことはないので、全然違ったらすみません。


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