『日本語教育能力』試験;合格分析談3(同時処理傾向の人向き)
認知処理傾向が、同時処理寄りの人(全体を掴まないと細部が覚えられない。一問一答や単純暗記が苦手。重要なところとそうでないところのメリハリをつけて学ぶ方が良いナドナド)向きの、日本語教育能力試験合格分析談です。
前回、過去問や予備校のテキストの捉え方を書き、
その前は、「全体を薄く捉える」という同時処理型向きの初動の学習内容を書きました。
今回は、6年前の2018年のちょうど今頃やっていた、直前期の学習内容を書きます。かなり濃密にやっていたと思います。
といっても、正確には覚えていないので、残っている”赤い本”の記述を見ながら、「多分こうやったんだな」というものを、「なぜそうしたか」「どうなっていったか」を分析しながら書きたいと思います。
2018年9月。54歳。地方私大の大学院生だった。
夏休みが始まり次第(8月初旬)すぐに日本語教育の勉強を始める予定であった。
ところが、”夏休み課題”がヘビーで、同期の友人も「学期中の授業をこなしていた時の方がよっぽど楽だった。夏休みの方が忙しい」と言うほどであった。
しかも、私はそのいくつかの課題が楽しすぎて、先行研究調査はもちろん、インタビューなどまで設定してレポートを作成していたものだから、時間もエネルギーも使ってしまい、それらを全部提出できたのが、9月の頭だった。
もっと何気なく、少しずつでも日本語教育の学習を始めていればよかったのだが、
”コラムに書かれているポイントと、何となく気になったものにアンダーラインを引いてあるだけのテキスト”は、まだ私に優しくはなく、気楽に声をかけられる存在ではなかったのだ。
9月中旬。受験まで1ヶ月半くらい。
「受験、辞める? 申し込んであるけれども」
と、思わないでもなかったが、
アメリカ奨学制度留学を途中離脱した傷がまだ疼いていたのだと思う。
「やれるだけやってみよう」という思いの方が強かった。
薄く読む2回目(3週間?10月頭まで!(◎_◎;))
”まだ私に優しくないテキスト”を、もう少しマシなものにするためには、
もう一回くらいは読まなければ(チェックしなければ)ならない。
前回は、1日15分1セクションだけという課題だったが、
今回、まずは1日2セクション。調子が良ければ、3セクション。すると終了まで3週間かかる。終了する頃には、本試験まで3週間しか残っておらず、「きっと、私は3週間後に”やーめた”と言ってそう」と思ったけれど、もっと学習内容を増やす気にはなれなかった。まだ全然内容が頭に入っていないのだから、これが精一杯だと思った。その代わり、絶対にやり遂げる。
まず、本日の取り組む部分の数ページを指でつまむ。
「よし、これだけやれば、今日は終わりなんだ」と、自分をなだめる(同時処理は、”永遠に続くと思われる作業”が酷く苦手。学習前に全体の分量を掴んでおくと、気が楽になり、集中できる)。
次に、まだ、楽な学習。作業チックな勉強を進める。
やる気を司る”海馬”という脳の部分は、「始めないと」動かないのだそうだ。
とりあえず、”作業”だ。考えたり覚えたりは負荷が高いので、初めからはやらない。
「知らない用語」や「へー!そうなのか。あとで重要だと思いそう〜」など、気になる単語や理論に線を引いていく。ここは一つも漏らさないようにしていく。さすがにもう、適当なことはやれない。
このあたりで、内容に少し興味が出てくる。
まだ「いやだな〜、わからない」という気分もあるので、知りたいところから調べていく。一から調べる、などは避ける。テキストに書き込む。とにかく、自分が投げ出さないギリギリのタスクを自分に課す。
少し知識が溜まってくると、さっきまで嫌だったところも、「調べてみようかな」と思い始める。
そんな風にして、今日やるべき範囲のところを、行ったり来たりしながら、次にそこを読んだ時に、「これはこういう意味ですよ」と、わかるようにしておいてやる。未来の自分への解説だ。この観点は意外と大事で、未来の自分がつまづきそうなところ(自分が一番よくわかっている)に配慮して、未来の自分が「そっかー」と一瞬で理解できるようにしておいてやる。そのためには、イラストをつけたり、解説の表現に配慮してやったりする。もう、次に読むときは、本番直前なのである。調べる時間などないだろう。直前の受験生に教えるように書いておく。
そして、1セクション終わったら、本を閉じ、「このセクションで大事なことは・・・」「その意味は・・・」と誦じてみる。「え、何勉強したんだっけ?」となる。もう一度見る。本を閉じる。「このセクションに出てきた用語は・・・」とやる。二回し目の終了後に覚える時間はほとんどない。かつ、今覚えたからって、ずっと覚えているわけもない。が、今短期記憶できないものを、直前に覚えて本番に活かせるわけがない。
思い出せない。本をチェックする。足りない解説はさらに調べたり書き直したりする。できなかった用語や要点にぐりぐり印をつける。また本を閉じて諳んじる。苦手なところは印が増えていく・・・。
それでも、どうしても覚えられないもの、または表などにして、一定の時間をとってじっくり覚えなければいけないもの(今は覚えられないもの)も出てくる。そこは、別な方法を取らなければ、私のような頭の構造の者は単純には覚えられない。語呂合わせでも何でもやらねばならない。そこの部分だけ、特別な時間を取り、向き合い、腕組みをして、どう覚えればいいのか、考えて考えて考え抜く。覚える→忘れるの回転ではなく、どうしたら覚えられるか?の方法論をがっつり考え抜く。で、実行する。
翌日、もう一度、そのセクションをチェックすることも忘れない。
これが、学習 II 期目の前半戦だった。
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