日本が後進国という事実と向き合うために
先日、ソフトバンクグループの孫正義社長が、Newsweekの記事にて下記のような発言をしました。
「日本はAI後進国」
「衰退産業にしがみついている」
「戦略は先輩が作ったものの焼き直しばかり」
引用元
要約すると、昔から日本の生産性はとても低く、今もずっと貧しい国といったものでした。
個人的にはバブル期経験している人であれば、
「いやいや、日本は先進国で豊かだ!」
と、感じる人もいるかもしれませんが、私を含めた10代〜30代前半くらいの世代は、そのように感じていない人が大半だと思います。
日本はAI後進国
最近、巷ではビジネスにおけるAIの活用と言ったフレーズをよく耳にするのでは無いでしょうか。実際にAIを導入して業務改善している企業も数多く存在します。
しかし、大半の企業は昔さながらの業務体制のままです。
これに関しては以前下記の記事にて紹介しました。
多くの若い世代は気付いていますが、日本の多くの企業の働き方は昭和から変わっておりません。
印鑑、スーツ、紙媒体、メールなど、数えだしたらキリがありませんが、殆ど人が昔さながらのルールを盲目的に信じて仕事をしているかと思います。
そもそもの話ですが、AIを活用するためには多くのデータが必要です。中小企業が多くのデータを持っているかというと、まずそんなことはありません。
中小企業でなくとも、アナログな仕事のやり方から抜けられず、業務効率化に必要なデータすら取得出来ていないのが実情だと思います。
もしデータが揃っているのであれば、何らかの方法で数値を取得しているはずですよね。日々の活動でそのような行いが全く無いような企業であれば、AIの土俵にすら立っていないと思います。
衰退産業にしがみついている
これについては、割と最近、印鑑に関する話題でこのようなことがありました。
要約すると、印鑑レスにして電子化出来るように法律を変えたかったけど、印鑑業界が反発して印鑑を廃止に出来なかったというものです。
何かと電子化の障害となっている印鑑文化。最早、無駄の産物と言っても過言ではありません。
かく言う私も、書類ワークフローの電子化の際に、お客様からの強い要望という名の、客の上司の圧力のため、折角電子化した電子書類と印鑑を押した書類と、それをPDFにするという、三段構えの無駄システムを作ったことがあります。
正直、過去の栄光にすがって業界全体の足を引っ張っている産業が消滅しない限り、新しいモノを作り出すことは難しいと強く感じました。
戦略は先輩が作ったものの焼き直しばかり
世の中にスマートフォンが普及して10年余り。最早、一人一台は当たり前の世の中になりました。
フィーチャーフォン、いわゆるガラケーの時代に比べて多機能なスマートフォンが多く溢れています。
しかし、国産メーカーのスマホは新作が出ても似たり寄ったりです。
前世代に比べて、少しカメラの性能が良くなったり、画面サイズが変わったり、正直なところ、この数年代わり映えがありません。
スマホに限らず、家電においても、昔ほど尖った商品は出ていないにも関わらず、価格帯は倍以上の金額になっています。
これは私の予想ですが、大企業の多くで社内にて、無難な企画しか通らない文化が出来上がっているのではないのでしょうか。
バブル崩壊後、就職氷河期世代を見捨て、リスクを恐れて新しいことにチャレンジしない保守的な企業が増えました。そして、そんなことを20年余り続けている間、諸外国から殆どの分野において大きく差を付けられ国力は大きく低下しました。
若者は低賃金に使われ、出る杭は兎に角、叩かれまくる世の中になりました。
私も今まで多くの開発現場にて新規開発に携わりましたが、殆どの現場では
実績のある技術のみ採用
業務フローは変更しない
など、古き技術やルールいつまでも使い続け、新しい提案は全て却下され、それらの焼き直ししか出来ませんでした。
既製品の改良を続けている限り、革新的なモノは生まれません。
事実と向き合い生きるためには
私もかつて、企業にて古き体制を変えるために色んな努力を尽くしました。しかし、いくら徒党組んだところで、権力には勝てず、仲間達は次々消え、会社を変えるには人生を棒に振るくらいの覚悟が無くては無理だと思い知らされました。
もう、終身雇用は崩壊しました。
企業はこれからもきっとリスクを恐れ、労働者に対して十分な賃金を与えてくれることはなかなか難しいでしょう。
大企業の多くでは大量リストラが盛んに行われています。
そして、これから入社する人達も企業独特の文化に染まり、企業の中でしか生きられない人になり、出世街道に乗れなかった人達は同じようにリストラされる末路が待っています。
企業に全てを委ねるのは最早リスキーです。
これからは、会社に頼らず個人がお金を稼ぐ術を身に付けなくてはならない世の中がすぐ目の前まできています。
個として社会を生きる意識を持たなければ、これからの数十年生き残るのは難しいと感じました。