オンライン入社式の企画と実践
人事の皆様あけましておめでとうございます。人事の皆様はそろそろ入社式や新人研修の準備が大詰めを迎えているのではないでしょうか?その皆様はおそらく、「入社式をオンライン化する必要があるのではないか?」と漠然と考えているのではないでしょうか。
ガイアックスでは2020年度の入社式を完全オンラインで行いました。そこで、入社式のオンライン化検討の際に行うべきことをまとめてみました。全部まるっと依頼したいという場合は、ぜひガイアックスまでお問い合わせください。
1&2. オンライン入社式の目的を明確にし、行いたいプログラムをピックアップする
入社式の設計は、ここが終われば8割終わったようなものです。
入社式にはいくつかの目的があるかと思います。ざっと並べてみると、新人に対しての目的と既存社員に対する目的があり、それぞれに対して定番のプログラムがあると思います。
これらをリストアップしてみます。
この中から、オンライン入社式で達成するべき目的をピックアップします。上記の他にも記念撮影などでは「保護者の方に報告するための素材を提供する」「社史として記録を残す」と言った目的や、既存社員に対して「初心に戻ってモチベーションを上げてもらう」などもあろうかと思います。このあたりは、会社によって目的を振り返った上で改めてピックアップしてみると良いでしょう。
例えばガイアックスでは、「入社式を4月中旬に行いますので、入社式の前に配属先の通知や社長からのスピーチ、役員とのランチなどは完了しているため、そのあたりのプログラムは不要。入社式では徹底して既存社員への周知と関係性づくりを行う」など考えました。また、入社式らしく社長からのスピーチを行いましたが、そのスピーチは新入社員はもちろん、既存社員に向けた効果を大きく期待したものでした。
ガイアックスの入社式プログラム(暫定)
・登壇しての役員からの辞令交付
・社長スピーチ
・決意表明(自己紹介3分プレゼン)
・懇親会
3. 入社式のプログラムをオンライン化したときの効果を見積もる
これらの中から、オンライン化したときにどの程度の効果が得られるかということを見積もります。プログラムをオンライン化したときの効果は、(一定の傾向はあるものの)会社のメンバーがどのくらいオンラインイベントに慣れているか、発言の積極性等によって大きく異なりますので、必ず確認しましょう。一般的には
効果に影響が小さいもの
・スピーチ
・ムービー
・プレゼン
・記念撮影
効果に影響が大きいもの
・辞令交付
・企業理念唱和
・懇親会
・決意表明
という傾向があります。つまり、もともと受け身なプログラムについてはオンライン化の影響は小さいと言えます。また、役員からの手渡しで辞令を受け取るなどリアルでその場にいることが重要なプログラムについては影響が大きいと言えます。
ガイアックスでは「すべてオンライン化する」ということを先に決めていましたが、決めていたプログラムでの影響は
・登壇しての役員からの辞令交付
影響大。登壇ができないのでほぼ意味がなくなる
・社長スピーチ
影響なし。むしろ皆から等しく近距離になってより良い
・決意表明(自己紹介3分プレゼン)
影響なし。むしろプレゼン資料を大きく映すことができてよい
・懇親会
影響大。やり方によってはかなり意味が薄くなるので企画に注意
という判断をしました。
4. オンライン入社式化するプログラム、やらないプログラムを決める
プログラムをオンライン化したときの影響を見積もったら、実施するプログラムを決めます。特に、オンライン化によって影響が大きいものの取扱をどうするか、ということを考えましょう。これまでに出たプログラムの中で単純なオンライン化が難しいものは以下のとおりです。
一度に声を出すプログラム
一斉に声を合わせて唱和する、社歌などを合唱する、出席者が声を揃えて「ようこそ」と呼びかける、といったプログラムをオンライン化するのは利用ツールの仕様上困難です。zoomやGoogle Meet、Microsoft Teamsでは、自動判断で音声に優先順位がつけられます。そして、これは(契約形態を問わず)ユーザーである我々には制御不可能です。
リアルなアクションが重要なプログラム
代表的なのが辞令交付のような儀式的な意味を持つプログラムです。辞令交付には「全員の前で配属先を宣言することで周知する」「役員からの手渡しによって入社としての象徴的な意味を与える」などのいくつかの要素が含まれます。前者はスライドの掲示などで代替しやすいですが、後者は印刷した辞令を手渡しすることができない以上、単純なオンライン化はできません。多少の工夫が必要になるでしょう。
ガイアックスでは、登壇しての役員からの辞令交付を行わないことにし、その分の時間を自己紹介プレゼンに割くことで「新入社員の周知」に力を入れることにしました。
5. 入社式のプログラムをどのようにオンライン化するかを決める
オンライン化することができるプログラムでも、工夫が必要なものがあります。代表的なものをご紹介します。
記念撮影
当然、オフラインで行ったような集合写真ではなく、zoomであればギャラリービューによるスクリーンショットになりますので、事前にカメラをオンにしてもらうなどの対応が必要だったりします。また、どうしてもビデオがオフの方がいらっしゃる場合にその方を非表示にするかどうかは決めておく必要があると思います。
懇親会
オフラインの飲み会と異なり、zoom等で懇親会をすると1部屋で1グループしか作ることができません。また、権限によっては自由に移動ができない制限があります。そのため、
・部屋を小さくする(zoomだとブレイクアウトルームを利用する)
・一定のメンバーに自由に移動できる権限を付与する(zoomだと共同ホストを付与する ※運用注意)
・自由に移動できるツールを利用する(Spatial Chatなど)
といった配慮が必要になります。
共同ホストを付与すると権限がかなり強化されますので、なるべく少ないメンバーに権限を付与することが重要です。例えば既存社員は部署ごとに分けた部屋に固定にし、新入社員だけに共同ホストを付与して、新入社員が部屋を回るようにする、という動線にするなど工夫が必要です。
・・・ここまでが人事の方がやるべきことです。ここから先は外部に依頼するか、ご自分でやるかは選択の余地があります。
6. オンライン入社式の台本を書く
やりたいことが決まったら、実際に必要な機材を見積もっていきましょう。
そのためには、台本を書く必要があります。台本を読めば画面がどうなっていて、誰が喋っているかがわかり、スタッフがそのとおりに操作すれば配信ができる状態になっていることが重要です。また、カメラの台数やマイクの本数を見積もるためにも、
・配信されている映像をイメージできる
・話をしている人、BGMなど鳴っている音がイメージできる
ように作っていきましょう。理想的にはこういう感じで作っていければOKです。丸数字は音声や映像をスイッチングするときに見分けがつくようにしているものです(ミキサーやスイッチャーの入力と対応)。
7. オンライン入社式を配信するための機材を準備する
配信したい映像が決まれば、あとは機材を準備して配信すればOKです。
機材は音声と映像の構成を分けて書くとわかりやすく、必ずケーブルまで書きましょう。ちゃんと数えておかないと、当日足りなくなって買いに走ることになります・・・。
(オプション)オンライン入社式を外部に依頼する
台本作成以降については専門的な領域になりやすいということもあり、外部に委託するということも検討してもよいでしょう。特に、
・参加人数が多い(多くのカメラ、マイクを使いたい)
・YouTube配信とzoomを組み合わせたい
・テレビ番組のような複雑な映像を構成したい
・オンライン登壇の講演と組み合わせたい
など、難易度が高い企画や、大規模でやり方がわからないという際には任せたほうが良いケースもあります。
ガイアックスでは2000人近いオンラインイベントなどの配信実績があります。ぜひご相談ください。