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素手で販売される食品のOKラインはどこだろう

 毎年6月になると我が家では和菓子の「水無月」を食べる。
近所の和菓子屋が代替わりしてから、わらび餅か大福しか置かない店になってしまい、ここ数年困っていた。

そんな折、出先で個人商店の和菓子屋を発見。
省エネなのか店内が暗く電気はついていないが、扉は開いており営業はしているようだ。
しんと静まり返った店内はどことなく昭和の雰囲気があり、古めかしいショーケースは中途半端なレトロ感を出していた。

お目当ての水無月がショーケースにあるのを確認して、奥の椅子で居眠り中の女性店主に声をかけた。

すいませーん…
すいませーん… すいませーん

3度目の声かけで目を覚ました店主が、寝起きの顔をこちらへ向ける。
水無月を注文するとショーケースから素手で掴んで入れてくれた。

あっ、素手?

トングや菜箸で取るでもなく、ビニール手袋をしてるわけでもない
手を洗ったわけでも、消毒したわけでもなく。

寝起きの素手で。

えっ、マジか!

予想外だった行動に動揺し過ぎてその場では何も言えずに、普通のテンションを装って支払をし、持って帰ってきてしまった。

そして今、まったく食べる気になれない。

潔癖症なわけでもないけれど、衛生面を気にしすぎなこちらが悪いのか。
コロナで食品関係の店が衛生面に気を遣うようになって、それが当たり前だと驕っている自分がいるのだろうか。

寿司屋も素手だし、おにぎり屋も素手。

和菓子屋の「ねりきり」は素手で作っているのだろうが…
梅雨時のブドウ球菌も気になる。

どうしよう洗おうか。
和菓子って洗えるんだっけ?



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